
キャリアは、若いうちに完成させなければならない——。そんな焦りを軽やかに覆してくれるのが、マーサ・スチュワートの人生です。
モデル、株式仲買人、ケータリング事業、作家、雑誌編集者、テレビ出演者、経営者。いくつもの経験を重ね、49歳で雑誌『Martha Stewart Living』を創刊しました。本人も自分を a late bloomer(遅咲きの人)と呼ばれることを気に入っています。
今回は、マーサ本人の公式サイトやインタビューで確認できる英語の名言を7つ、日本語訳・意味・英語ポイント・初心者向け例文とともに紹介します。新しいことを始めたい方、暮らしや仕事をもう一度組み立てたい方に届いてほしい言葉です。
人生の転機を支える言葉をまとめて読みたい方は、女性の生き方を支える英語の名言集もどうぞ。
Contents
マーサ・スチュワートとは?
マーサ・スチュワート(Martha Stewart)は、料理、ガーデニング、インテリア、手芸など「暮らし」を一つのメディア産業へ育てたアメリカの実業家です。大学卒業後はウォール街で働き、その経験から事業を築く基礎を学びました。その後、ケータリング会社を始め、1982年に最初の著書『Entertaining』を出版します。
1990年、49歳で雑誌『Martha Stewart Living』を創刊。さらに会社を上場させ、アメリカを代表する女性起業家の一人となりました。順風満帆だけでなく、挫折や批判も経験しましたが、学び、作り、教えることをやめず、80代になっても新しい挑戦を続けています。
マーサ・スチュワートの英語の名言7選
1.好きなことを成功の土台にする
Build your success on something you love.
日本語訳:「自分が愛するものの上に、成功を築きなさい」
長く続ける仕事には、苦しい時期があります。だからこそ、成功の土台には「世間で流行っているもの」ではなく、自分が本当に関心を持てるものを置く。マーサの場合、それは料理、庭、住まい、美しい日常でした。
英語ポイント:build A on B は「Bを土台にAを築く」。建物だけでなく、信頼や関係、キャリアにも使えます。
使ってみよう:“I want to build my career on something I love.”(好きなことを土台にキャリアを築きたいです)
2.教えるからこそ、学べる
Teach so you can learn.
日本語訳:「学ぶために、教えなさい」
誰かに分かりやすく伝えようとすると、自分の曖昧な理解に気づきます。マーサは、何かを教える前に由来や方法を徹底して調べました。教えることを学びの終点ではなく、学びを深める方法にしたのです。
英語ポイント:ここでの so は「そうすれば」「その結果」。短い言葉ですが、行動と結果を自然につなぎます。
使ってみよう:“Explain it to a friend so you can learn it better.”(もっとよく理解するために、友達へ説明してみましょう)
3.毎日の選択に質を求める
Strive for quality in every decision, every day.
日本語訳:「毎日、すべての決断で質を追求しなさい」
大きな成功は、一度の華やかな決断だけで作られるものではありません。材料を選ぶ、文章を直す、約束を守る。日々の小さな選択へ丁寧さを持ち込むことが、やがて信頼できる仕事になります。
英語ポイント:strive for は「…を得ようと懸命に努力する」。初心者なら try to make it better(より良くしようとする)と言い換えられます。
使ってみよう:“I try to make my work better every day.”(私は毎日、仕事をより良くしようとしています)
4.完璧でなくても、活かす方法はある
So the pie isn’t perfect? Cut it into wedges.
日本語訳:「パイが完璧じゃないって? 切り分ければいいのです」
形が崩れたパイも、切り分けて盛りつければおいしく食べられます。失敗を隠すのではなく、今あるものをどう活かすか考える。完璧主義で動けなくなりそうなときに効く、実用的でユーモアのある言葉です。
英語ポイント:wedge はケーキや果物などの「くさび形に切った一切れ」。It isn’t perfect, but it works.(完璧ではないけれど、ちゃんと使えます)も覚えやすい表現です。
使ってみよう:“It isn’t perfect, but I can still use it.”(完璧ではないけれど、まだ活かせます)

5.リスクと無謀さを混同しない
Take risks, not chances.
日本語訳:「リスクは取っても、運任せにはしないこと」
risk も chance も不確実さを含みますが、この言葉では「考えて引き受けるリスク」と「準備のない賭け」を分けています。挑戦することと、何も調べず飛び込むことは同じではありません。
英語ポイント:take a risk は「リスクを取る」。一方、take a chance は文脈によって「思い切ってやってみる」という肯定的な意味にもなるため、この名言は言葉遊びを含んでいます。
使ってみよう:“I’ll check the facts before I take the risk.”(リスクを取る前に、事実を確認します)
6.変化と新しい人から学ぶ
Change is good.
日本語訳:「変化は良いものです」
マーサは、世代も経歴も異なるスヌープ・ドッグとの友情から、音楽や別のビジネスの進め方を学んだと語っています。慣れた環境だけに閉じこもらず、新しい人や価値観を迎えることが、年齢を重ねてからの成長につながります。
英語ポイント:change はここでは不可算名詞で「変化」。短く覚えやすく、環境が変わる人を励ます一言にもなります。
使ってみよう:“This is new for me, but change is good.”(私には初めてのことですが、変化は良いものです)
7.好奇心に年齢制限はない
My curiosity knows no bounds.
日本語訳:「私の好奇心には限界がありません」
マーサは、毎日学び続け、知っていることをできるだけ多くの人へ教え続けたいと書いています。年齢を重ねるとは、知識の扉が閉じることではありません。新しい疑問を持てる限り、世界は広がり続けます。
英語ポイント:know no bounds は「限界を知らない」。bound は「境界・限度」です。初心者なら I’m always curious.(私はいつも好奇心を持っています)でも自然です。
使ってみよう:“I’m still curious about many things.”(私は今も、たくさんのことに興味があります)
マーサ・スチュワートの言葉から学べる3つのこと
- 遅咲きは遅れではなく、経験を束ねるタイミングである。
- 完璧を待つより、今あるものを活かして次へ進めばいい。
- 学びと好奇心があれば、年齢を重ねても仕事と人生は更新できる。
40歳からブランドを始めたヴェラ・ウォンの英語の名言と読み比べると、それまでの経験が新しい仕事の土台になることがよく分かります。また、年齢に縛られない個性という点では、アイリス・アプフェルの英語の名言もおすすめです。
まとめ
マーサ・スチュワートが49歳で雑誌を始められたのは、若さを取り戻したからではありません。それまでの金融、料理、住まい、人に教える経験を、一つの形へ束ねたからです。
何かを始めるとき、最初から完璧である必要はありません。It isn’t perfect, but I can still use it. と言って、まず今ある経験を眺めてみましょう。そこに、次の人生を作る材料がすでに揃っているかもしれません。
出典
- Martha Stewart公式:The Martha Stewart Story: How I Became a Household Name
- Martha Stewart公式:The Secret to Successful Aging
- Academy of Achievement:Martha Stewart Interview
- Netflix Tudum:Martha Stewart Interview










