
「40歳から新しい仕事を始めるのは遅い」——そう感じたことがあるなら、ヴェラ・ウォンの歩みは、その思い込みを静かにほどいてくれます。
彼女は最初から世界的なファッションデザイナーだったわけではありません。五輪を目指したフィギュアスケートでは代表になれず、17年間働いた『Vogue』でも編集長にはなれませんでした。それでも、それまで学んだすべてを携えて、40歳で自分のブランドを始めたのです。
今回は、ヴェラ・ウォンが本人のインタビューなどで語った英語の名言を7つ、日本語訳・意味・英語ポイント・初心者向け例文とともに紹介します。年齢を重ねてからの再出発を考えている方にも、きっと響く言葉です。
人生の転機を支えてくれる言葉をまとめて読みたい方は、女性の生き方を支える英語の名言集もあわせてどうぞ。
Contents
ヴェラ・ウォンとは?
ヴェラ・ウォン(Vera Wang)は、アメリカ・ニューヨーク生まれのファッションデザイナーです。少女時代はフィギュアスケートに打ち込み、その後『Vogue』の編集者、ラルフ・ローレンのデザインディレクターを経験しました。
自分の結婚式で着たいドレスが見つからなかったことをきっかけに、1990年、40歳でブライダルブランドを設立。長年の編集経験、デザイン経験、スケートで培った動きへの感覚が一つになり、現代的なウェディングドレスの世界を切り開きました。
ヴェラ・ウォンの英語の名言7選
1.40歳は遅くなかった
I could not have done it a day earlier.
日本語訳:「一日だって、もっと早く始めることはできなかったと思います」
ヴェラが自分の会社を始めたのは40歳。けれど彼女は、それまでの年月を「遅れ」ではなく、必要な教育だったと捉えています。編集、デザイン、組織で働く経験があったからこそ、ブランドを形にできたのです。
英語ポイント:could not have + 過去分詞 は「…することはできなかっただろう」。過去を振り返って語る表現です。
使ってみよう:“I couldn’t have made this decision earlier.”(この決断を、もっと早くすることはできなかったと思います)
2.経験は、かけがえのない学び
What I learned along the way was so invaluable.
日本語訳:「その道の途中で学んだことは、かけがえのないものでした」
目的地へ早く着くことだけが価値ではありません。回り道で身につけた見る力、働く力、人とのつながりが、次の仕事で思いがけず生きることがあります。
英語ポイント:along the way は「道の途中で」「これまでの過程で」。invaluable は否定形に見えますが、「値段をつけられないほど価値がある」という意味です。
使ってみよう:“I learned a lot along the way.”(その過程で多くのことを学びました)
3.夢を追う。最大の罪は、試さないこと
The biggest crime is not to try.
日本語訳:「最大の罪は、挑戦しないことです」
失敗すれば傷つくかもしれません。でも、試さなければ「もし挑戦していたら」という問いが残ります。ヴェラは、不安が消えてからではなく、不安を抱えたまま一歩を選びました。
英語ポイント:not to try は「試さないこと」。The biggest … is … は、自分が最も大切だと思う考えを簡潔に伝える型です。
使ってみよう:“The biggest mistake is not to ask.”(最大の間違いは、尋ねないことです)
4.始めることが大切
The point is that you just get started.
日本語訳:「大切なのは、とにかく始めることです」
最初の仕事が一生の答えである必要はありません。目の前の仕事へ自分なりの価値を加えることで、次の道が見えてきます。完璧な計画より、現実の一歩を選ぶ言葉です。
英語ポイント:The point is that … は「要点は…です」。get started は start よりも「さあ始めよう」という動きのある表現です。
使ってみよう:“I don’t know everything yet. I just need to get started.”(まだ全部は分かりません。まず始めればいいんです)

5.手放すことも、前へ進む力
Letting go is perhaps harder than hanging in there.
日本語訳:「手放すことは、踏ん張り続けることより難しいのかもしれません」
続けることだけが勇気ではありません。フィギュアスケートへの夢を手放したから、ファッションへ進めた。届かなかった目標を認めることが、次の情熱を見つける余白になります。
英語ポイント:let go は「手放す」、hang in there は「苦しくても踏ん張る」。動名詞にして二つの行動を比較しています。
使ってみよう:“Sometimes letting go is the right choice.”(ときには、手放すことが正しい選択です)
6.反対されても、自分の道を選べる
Just because everyone’s against it doesn’t mean you shouldn’t do it.
日本語訳:「みんなが反対しているからといって、やるべきではないとは限りません」
周囲の意見には耳を傾けながらも、人数の多さだけで答えを決めない。自分が本当に大切だと思うことなら、最後は自分で選び、結果を引き受ける必要があります。
英語ポイント:Just because A doesn’t mean B. は「AだからといってBとは限らない」。思い込みをやわらかく崩せる便利な構文です。
使ってみよう:“Just because it’s difficult doesn’t mean it’s impossible.”(難しいからといって、不可能とは限りません)
7.若さを保つのは、心と精神
What keeps you young is your brain and spirit.
日本語訳:「あなたを若々しく保つのは、頭と精神です」
ヴェラにとって若さとは、年齢や外見の数字だけではありません。好奇心を持ち、考え、創り、学び続けること。新しい仕事へ向かう内側の動きが、人を生き生きとさせます。
英語ポイント:keep + 人 + 形容詞 は「人を…の状態に保つ」。What keeps you young 全体が文の主語です。
使ってみよう:“Learning new things keeps me young.”(新しいことを学ぶと、若々しい気持ちでいられます)
ヴェラ・ウォンの言葉から学べる3つのこと
- 過去の仕事や回り道は、次のキャリアの材料になる。
- 続ける勇気だけでなく、手放して次へ進む勇気もある。
- 始めるのに必要なのは若さではなく、学び続ける心である。
ファッションを通じて女性の生き方を広げた人物としては、ダイアン・フォン・ファステンバーグの英語の名言もおすすめです。また、80代から世界的な注目を集めたアイリス・アプフェルの英語の名言を読むと、「遅すぎる」という考えがさらに小さく見えてきます。
まとめ
ヴェラ・ウォンの人生は、一つの夢に届かなかったことが、人生全体の失敗ではないと教えてくれます。スケート、雑誌編集、デザイン——一見ばらばらな経験は、40歳から始めたブランドの中ですべてつながりました。
今から何か始めたいときは、まず I’ll get started.(始めます)と声に出してみてください。英語でもキャリアでも、最初の一歩は完璧でなくて大丈夫です。
出典
- ELLE:Vera Wang on Kohl’s, Wedding Dresses, and Aging
- The Washington Post:Vera Wang honored for her lifetime fashion passion
- Vogue Business:Vera Wang on 35 years in business
- Metro Business / CNBC interview:Vera Wang on starting at 40










