
人生の予定が崩れたとき、それを悲劇だけで終わらせず、少し笑える物語に変えてくれる人がいます。ノラ・エフロンは、そんな言葉を持った脚本家・映画監督でした。
『恋人たちの予感』『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』『ジュリー&ジュリア』。恋愛映画の名手として知られますが、本人の人生も一本道ではありません。ジャーナリスト、エッセイスト、脚本家、監督と仕事を変え、結婚と離婚も経験し、年齢を重ねる現実まで率直なユーモアで描きました。
今回は、母校ウェルズリー大学に残る講演全文を中心に、ノラ・エフロンの英語の名言を7つ紹介します。日本語訳・意味・英語ポイント・初心者向け例文も添えました。
Contents
ノラ・エフロンとは?
ノラ・エフロン(Nora Ephron)は、アメリカのジャーナリスト、作家、脚本家、映画監督です。新聞記者や雑誌ライターとして経験を積み、やがて映画の世界へ進みました。
男女の会話や恋愛の機微を、鋭い観察と温かなユーモアで描いたことで知られています。また、女性のキャリア、離婚、加齢といったテーマも「きれいごと」にせず言葉にしました。1996年のウェルズリー大学卒業式での講演は、今も女性の生き方を励ますスピーチとして読み継がれています。
ノラ・エフロンの英語の名言7選
1.自分の人生のヒロインになる
Above all, be the heroine of your life, not the victim.
日本語訳:「何よりも、自分の人生の犠牲者ではなく、ヒロインでありなさい」
人生では、自分では選べない出来事も起こります。それでも、自分を物語の脇役や被害者として固定せず、次に何をするかを選ぶ主人公でいることはできます。
英語ポイント:above all は「何よりも」、heroine は女性の「ヒロイン・主人公」です。
使ってみよう:“I want to be the heroine of my own life.”(自分の人生のヒロインでいたいです)
2.人生は自分が生きるもの
Your education is a dress rehearsal for a life that is yours to lead.
日本語訳:「教育は、あなた自身が歩む人生のためのリハーサルです」
学ぶ目的は、正解を覚えて誰かに評価されることだけではありません。学んだことを使い、自分の判断で人生を作る。その本番へ向かう準備なのです。
英語ポイント:dress rehearsal は本番前に衣装も着けて行う「総稽古」。a life that is yours to lead は「あなたが歩むべき、あなた自身の人生」です。
使ってみよう:“This is my life to lead.”(これは私が歩む人生です)
3.人生の散らかりを受け入れる
It will be a little messy, but embrace the mess.
日本語訳:「少し散らかった人生になるでしょう。でも、その散らかりを受け入れなさい」
仕事、家族、恋愛、夢。すべてを整然と管理できない時期があります。ノラは、複雑さを失敗の証拠ではなく、いろいろなものを本気で生きている結果として見ています。
英語ポイント:messy は「散らかった・混乱した」、embrace は文字通りには「抱きしめる」、ここでは「受け入れる」です。
使ってみよう:“My life is messy, but that’s okay.”(人生は散らかっていますが、それで大丈夫です)
4.複雑さを楽しむ
It will be complicated, but rejoice in the complications.
日本語訳:「複雑になるでしょう。でも、その複雑さを喜びなさい」
単純な正解がないからこそ、人生は興味深くなります。面倒なものをすべて消そうとするのではなく、その中にある人とのつながりや意外な展開にも目を向ける言葉です。
英語ポイント:rejoice in は「…を喜ぶ」。初心者なら Enjoy the complicated parts, too. と言い換えられます。
使ってみよう:“It’s complicated, but it’s interesting.”(複雑ですが、おもしろいです)

5.いつでも考えを変えていい
You can always change your mind.
日本語訳:「いつだって、考えを変えていいのです」
以前に選んだ道を変えることは、意志の弱さとは限りません。新しく知ったことや、今の自分に合わせて選び直すのも責任ある判断です。ノラ自身、四つのキャリアを経験しました。
英語ポイント:change one’s mind は「考え・決心を変える」。日常会話で非常によく使います。
使ってみよう:“I changed my mind. I want to try something new.”(考えが変わりました。新しいことに挑戦したいです)
6.今の自分が永遠に続くわけではない
You are not going to be you, fixed and immutable you, forever.
日本語訳:「今のあなたが、固定され変わらないまま永遠に続くわけではありません」
肩書き、役割、好きなこと、大切にしたいものは変わります。「自分らしさ」を守ることと、古い自分へ閉じこもることは同じではありません。変わる自分もまた、自分です。
英語ポイント:fixed は「固定された」、immutable は「変わることのない」。簡単には You won’t always be the same. と言えます。
使ってみよう:“I won’t always be the same, and that’s good.”(私はずっと同じではありません。それは良いことです)
7.一つだけでなく、二つの道を歩んでもいい
Two paths diverge in a wood, and we get to take them both.
日本語訳:「森で二つの道が分かれても、私たちはその両方を歩めます」
仕事か家庭か、安定か挑戦か。一方を選んだら他方を永遠に捨てるとは限りません。同時でなくても、人生の異なる時期に両方を経験できます。
英語ポイント:diverge は「分岐する」、get to は「…する機会を得る」。初心者なら I can choose both. でも十分伝わります。
使ってみよう:“Maybe I don’t have to choose only one.”(一つだけ選ばなくてもいいのかもしれません)
ノラ・エフロンの言葉から学べる3つのこと
- 人生の出来事すべては選べなくても、主人公として次の行動は選べる。
- 散らかりや複雑さは、人生に失敗した証拠ではない。
- 何歳でも考えを変え、別の道へ進み、以前とは違う自分になっていい。
映画からノラの世界に入りたい方は、『恋人たちの予感』で学ぶ英会話や『めぐり逢えたら』で学ぶ英会話もどうぞ。主演女優の言葉なら、メグ・ライアンの英語の名言7選へもつながります。
また、人生を何度でも書き直すという点では、エリザベス・ギルバートの英語の名言とも読み比べてみてください。
まとめ
ノラ・エフロンは、人生を完全に整える方法ではなく、思い通りにならない人生を自分の物語として引き受ける方法を教えてくれます。
迷ったときは、I can always change my mind.(私はいつでも考えを変えられます)と言ってみましょう。一度選んだ道に、自分の未来すべてを縛らせる必要はありません。
出典
- Wellesley College:Nora Ephron 1996 Commencement Address(講演全文)
- Wellesley College:Wellesley Remembers Nora Ephron
- NPR:Nora Ephron at Wellesley College, 1996
- CBS News:Nora Ephron on Aging, Her Neck, Life










