
decline to doは、「〜することを断る」「〜するのを丁重に拒む」という意味です。特に仕事・公式発表・報道・書面など、少し改まった場面でよく使われます。
She declined to comment.なら「彼女はコメントを控えました」。単に何も言わなかったのではなく、コメントを求められたうえで、答えないという選択をしたことが伝わります。
declineは「丁寧に断る」と説明されることが多い単語です。ただし、いつでも柔らかく聞こえるとは限りません。decline to answerのように、人が求められた行動を意識的にしない場合には、距離を置いた事務的な響きや、はっきり拒否する響きも生まれます。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
decline to doの基本的な意味
decline to do = politely or formally refuse to do something。依頼・招待・提案・質問などを受けた人が、その後に求められている行動をしないと決める表現です。
- decline to answer:答えることを断る
- decline to comment:コメントを控える
- decline to participate:参加を辞退する
- decline to provide details:詳細の提供を断る
- decline to sign:署名を拒む
He declined to attend the meeting.
彼は会議への出席を辞退しました。
The company declined to provide further details.
会社はそれ以上の詳細を明らかにすることを控えました。
I’m afraid I’ll have to decline.
申し訳ありませんが、お断りしなければなりません。
decline+to doの組み立て方
declineの後ろにto+動詞の原形を置き、「どの行動を断ったのか」を説明します。
decline → to join the project
断る → プロジェクトへ参加することを
to不定詞には、これから行う可能性のある動作へ意識を向ける働きがあります。求められた未来の行動へ向かったうえで、「その行動は選ばない」と伝える形です。to不定詞の感覚は、be-rize.comのto不定詞とは?「未来へ向かう矢印」のコアイメージでも詳しく確認できます。
She declined to join us.
彼女は私たちに加わることを断りました。
declineは過去形・過去分詞でも規則的に変化します。
- 現在形:decline
- 三人称単数:declines
- 過去形・過去分詞:declined
- 進行形:declining
decline・refuse・turn downの違い

decline:丁寧・公式・事務的に断る
招待・依頼・提案などを、礼儀正しく、または公式な立場から断る表現です。ビジネスメールや発表文にもよく合います。
We must respectfully decline your request.
申し訳ありませんが、ご依頼はお断りいたします。
decline自体が必ず謝意を含むわけではありません。丁寧さを明確にしたいならpolitely・respectfully・regretfullyや、理由・感謝の言葉を添えます。
refuse:意思を強く示して拒む
要求・命令・協力などに対して「しない」とはっきり意思を示す言葉です。状況によっては反抗的、対立的に聞こえます。
He refused to follow the order.
彼はその命令に従うことを拒みました。
警告を聞かない、規則に従わない、必要な情報を出さないなど、強い抵抗を表すときはrefuseが自然です。
turn down:会話的に誘い・提案を断る
日常会話で、誘い・申し出・仕事・提案などを断るときによく使う句動詞です。
I turned down the job offer.
その仕事のオファーを断りました。
turn downの詳しい意味と語順は、turn downの「断る・音量を下げる」がつながる理由で解説しています。
decline to doとdecline + 名詞の違い
断る対象が「行動」ならdecline to do、招待・申し出・依頼などの「もの」ならdecline + 名詞を使えます。
decline to do:行動を断る
- decline to attend:出席を断る
- decline to discuss the issue:その問題を話し合うことを断る
- decline to give a reason:理由を述べることを断る
decline + 名詞:招待・申し出などを断る
- decline an invitation:招待を断る
- decline an offer:申し出を断る
- decline a request:依頼を断る
- decline the opportunity:機会を辞退する
She declined the invitation.
彼女は招待を辞退しました。
She declined to attend the event.
彼女はそのイベントへの出席を辞退しました。
伝えている出来事は近くても、前者は「招待」、後者は「出席する行動」に焦点があります。
よく使われるdecline toの定番表現
decline to comment:コメントを控える
報道・企業広報・法的な場面で非常によく見られる表現です。「コメントできない」と能力を否定するのではなく、コメントしないという判断を表します。
The spokesperson declined to comment on the investigation.
広報担当者は、その調査についてのコメントを控えました。
No comment.よりも説明的で、第三者が事実を客観的に報告する文に向いています。
decline to answer:回答を拒む・回答を控える
質問された人が答えない選択をしたことを表します。場面によっては丁寧というより、意図的な拒否を客観的に述べる響きです。
He declined to answer questions about his private life.
彼は私生活に関する質問への回答を控えました。
decline to participate:参加を辞退する
調査・会議・企画・大会などへの参加を正式に断るときに使えます。
Two members declined to participate in the survey.
メンバー2人がその調査への参加を辞退しました。
decline to disclose/reveal:開示を控える
金額・名前・理由・詳細などを公表しない場合に使われます。
The buyer declined to disclose the price.
買い手は価格の公表を控えました。
decline to sign/agree:署名・同意を拒む
契約や条件に納得できず、正式な行動を取らない場合です。
She declined to sign the agreement without legal advice.
彼女は法的助言なしで契約書へ署名することを拒みました。
場面別の自然な例文
仕事・ビジネスメール
- Thank you for the offer, but I’ve decided to decline.
ご提案ありがとうございます。ただ、今回は辞退することにしました。 - Unfortunately, we must decline to proceed with the project.
残念ながら、そのプロジェクトを進めることは見送らなければなりません。 - The candidate declined to discuss her current salary.
候補者は現在の給与について話すことを控えました。 - We respectfully decline your request for a refund.
恐れ入りますが、返金のご依頼はお断りいたします。 - He declined to take on additional responsibilities.
彼は追加の責任を引き受けることを断りました。
招待・イベント
- She declined to attend the reception.
彼女はレセプションへの出席を辞退しました。 - I’m sorry, but I’ll have to decline the invitation.
申し訳ありませんが、その招待はお断りしなければなりません。 - Several speakers declined to join the panel.
複数の講演者がパネルへの参加を辞退しました。 - He politely declined to stay for dinner.
彼は夕食まで残ることを丁寧に断りました。
取材・公式発表
- The actor declined to discuss the rumor.
その俳優は噂について話すことを控えました。 - Police declined to release the person’s name.
警察はその人物の氏名の公表を控えました。 - The minister declined to say when the decision was made.
大臣は、その決定がいつ行われたかを明らかにしませんでした。 - The organization declined to provide an interview.
その団体は取材を断りました。
日常会話
declineは日常でも使えますが、友人との気軽な会話では少し改まって聞こえることがあります。
- I offered him some cake, but he declined.
彼にケーキを勧めましたが、彼は断りました。 - She politely declined to come with us.
彼女は私たちと一緒に来ることを丁寧に断りました。
友人への返事なら、I can’t make it.(行けないんだ)、I’ll pass.(今回はやめておく)、Maybe another time.(また今度)などのほうが会話的です。場面別の表現は「断る」は英語で?やんわり・丁寧な断り方でも紹介しています。
丁寧に断る実践フレーズ
declineを使うだけで、相手への配慮がすべて伝わるわけではありません。感謝・残念な気持ち・簡潔な理由を添えると、自然で角の立たない断り方になります。
感謝を先に伝える
Thank you for thinking of me, but I’ll have to decline.
お声がけいただきありがとうございます。ただ、今回は辞退させてください。
残念な気持ちを添える
I regret that I must decline your invitation.
残念ながら、ご招待を辞退しなければなりません。
短い理由を添える
Due to a prior commitment, I must decline to attend.
先約があるため、出席を辞退いたします。
今後の可能性を残す
We must decline this time, but we hope to work with you in the future.
今回はお断りいたしますが、今後ご一緒できれば幸いです。
「できない」と「断る」は違う
be unable to doは事情や能力のため「できない」、decline to doは選択として「しない」です。
She was unable to attend the meeting.
彼女は会議に出席できませんでした。
She declined to attend the meeting.
彼女は会議への出席を辞退しました。
前者は都合がつかなかった可能性があります。後者は招待や要請があったものの、本人が参加しないと判断したことを示します。理由を知らないのにdeclineを使うと、本人が意図的に拒んだと決めつけることがあるため注意が必要です。
declineには「減少する・衰える」の意味もある
declineは「断る」以外に、数量・品質・健康などが「減少する、低下する、衰える」という意味も持ちます。
- Sales declined last month.
先月、売上が減少しました。 - His health began to decline.
彼の健康状態は悪化し始めました。 - There has been a decline in demand.
需要が減少しています。
見分けるポイントは文型です。decline to doなら通常「〜することを断る」、declineだけで数値や状態を主語にしていれば「減少する・衰える」です。
The company declined to comment on the decline in sales.
会社は売上の減少についてコメントを控えました。
この一文では、最初のdeclinedは「断った」、後ろのdeclineは名詞で「減少」です。
日本人が間違えやすいポイント
decline doingとする
「〜することを断る」は通常、to不定詞を続けます。
× She declined answering the question.
○ She declined to answer the question.
彼女はその質問への回答を控えました。
toの後ろを過去形にする
toの後ろは動詞の原形です。
× He declined to attended.
○ He declined to attend.
declineを人に直接使う
declineの目的語には、通常、招待・申し出・依頼などを置きます。「人を断る」と直訳してdecline himとは言いません。
× I declined him.
○ I declined his invitation.
○ I told him I couldn’t go.
何でも丁寧になると思う
I decline to answer.は文法的ですが、面と向かって言えば硬く、冷たく、場合によっては対立的に聞こえます。柔らかくするなら理由や謝意を添えます。
I’m sorry, but I’d rather not answer that question.
申し訳ありませんが、その質問には答えたくありません。
カードがdeclinedされた意味と混同する
My card was declined.は「カード決済が拒否された・承認されなかった」という意味です。カード自身が何かを丁寧に断ったわけではありません。
海外でのカードトラブル表現は、クレジットカードが使えないときのdeclined・not workingの違いで確認できます。
中学英語で簡単に言い換えるなら
declineが出てこなくても、短い文で十分に断れます。
- I’m sorry, but I can’t.
すみませんが、できません。 - I can’t join you.
ご一緒できません。 - I don’t want to answer that.
それには答えたくありません。 - No, thank you.
いいえ、結構です。 - Maybe another time.
また今度お願いします。 - I’ll pass this time.
今回はやめておきます。
日常会話では、難しい単語を使うよりも、Thank you, but …で感謝を伝えてから短く理由を言うほうが自然なこともあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
ミニクイズ
空欄に適切な語を入れてください。
- She declined ___ comment.
彼女はコメントを控えました。 - We regretfully declined the ___.
私たちは残念ながら招待を辞退しました。 - He declined ___ answer the question.
彼はその質問への回答を拒みました。 - Sales ___ by ten percent last year.
昨年、売上は10%減少しました。 - Thank you, but I’ll have to ___.
ありがとうございます。ただ、お断りしなければなりません。
答え:1. to 2. invitation 3. to 4. declined 5. decline
まとめ
- decline to doは「〜することを断る・控える」
- 仕事・公式発表・報道・書面など、改まった場面でよく使う
- decline + 名詞なら招待・申し出・依頼そのものを断る
- declineは丁寧・事務的、refuseは強い拒否、turn downは会話的
- decline to commentは「コメントを控える」の定番表現
- be unable toは事情でできない、decline toは本人の選択としてしない
- declineには「減少する・衰える」という別の意味もある
- 簡単に言うならThank you, but I can’t.でも丁寧に伝えられる
D表現を順番に学ぶなら、前の記事decide to doの意味と使い方もあわせてご覧ください。
英熟語・定型表現をまとめて探したい方は、英熟語・イディオム・定型表現の総合ガイドをご活用ください。









