
古生代を代表する化石として知られる「三葉虫」は、英語でtrilobiteといいます。発音は「トリロバイト」ではなく、英語では「トライラバイト」に近い音です。
trilobiteという名前は、tri-(3つ)+lobe(葉・丸く張り出した部分)からできています。ただし、「頭・胸・尾の3部分」という意味ではありません。背中側から見た体が、縦方向に中央の1列と左右の2列へ分かれていることが名前の由来です。この記事では、trilobiteの発音、語源、体の構造、どんな生物だったか、化石になりやすい理由、関連語、自然な英語例文まで解説します。
Contents
三葉虫は英語でtrilobite
- 三葉虫:trilobite
- 複数形:trilobites
- 三葉虫類:Trilobita(分類群名)
- 三葉虫の化石:a trilobite fossil
trilobiteは一般名なので、文の途中では小文字で書きます。一方、分類群の学名として使うTrilobitaは大文字で始めます。
I found a trilobite fossil.なら「三葉虫の化石を見つけました」、Trilobites are extinct arthropods.なら「三葉虫は絶滅した節足動物です」という意味です。
しゅみすけ(大山俊輔)
trilobiteの発音
trilobiteの発音は/ˈtraɪləbaɪt/です。カタカナでは「トライラバイト」に近く、最初のtri-にアクセントがあります。
- tri-:/traɪ/「トライ」
- -lo-:/lə/ 弱く「ラ」
- -bite:/baɪt/「バイト」
日本語名から「トリロバイト」と読みたくなりますが、英語の最初はtryと同じ/traɪ/です。最後の-biteも「かむ」という動詞のbiteと同じ音になります。
ただし、trilobiteの-biteは「かむ」という意味から付いたものではありません。単語を音だけで区切ると覚えやすい一方、語源としてはtri + lobe + -iteと考えます。
trilobiteの語源|「3つの葉」はどこ?
trilobiteは、「3」を表すtri-と、「葉・耳たぶ・丸く張り出した部分」を表すlobeに由来します。日本語の「三葉虫」も、このthree-lobedという特徴を訳した名前です。
- tri-:3つの
- lobe:葉状の部分、丸く張り出した部分
- trilobite:体が3つの縦方向の葉状部に分かれた生物
三葉虫を背中側から見ると、頭から尾へ伸びるaxial lobe(軸葉)が中央にあり、その左右にpleural lobes(肋葉)があります。この中央1つ+左右2つが「three lobes」です。
ここで注意したいのは、頭・胸・尾という前後方向の3区分が名前の由来ではないことです。三葉虫には確かにcephalon・thorax・pygidiumという前後の区分もありますが、trilobiteの「tri」は縦方向の3列を指します。

三葉虫の体を表す英語
三葉虫の体は、前後方向にも大きく3つの部分へ分けて説明できます。
| 英語 | 日本語 | 説明 |
|---|---|---|
| cephalon | 頭部 | 目や口がある前方部分 |
| thorax | 胸部 | 動かせる複数の体節からなる中央部分 |
| pygidium | 尾部 | 後方の体節が融合した部分 |
| axial lobe | 軸葉 | 体の中央を前後に走る部分 |
| pleural lobe | 肋葉 | 軸葉の左右にある部分 |
| exoskeleton | 外骨格 | 体の外側を覆う硬い殻 |
cephalon・thorax・pygidiumは前から後ろへの区分、axial lobe・pleural lobesは左・中央・右という縦方向の区分です。2種類の「3分割」を混同しないことがポイントです。
三葉虫はどんな生物だった?
三葉虫は、現在の昆虫・クモ・エビ・カニなどと同じarthropod(節足動物)の仲間です。ただし、三葉虫を単純に「昔のダンゴムシ」や「エビの祖先」と呼ぶのは正確ではありません。三葉虫はTrilobitaという独自の絶滅グループです。
三葉虫はカンブリア紀に現れ、古生代の海で非常に多様化しました。海底を歩く種類だけでなく、泥の中に潜るもの、泳ぐもの、海中の小さな有機物を食べるものなど、さまざまな生活様式があったと考えられています。
大きさも多様で、数ミリ程度の小型種から数十センチに達する大型種まで存在しました。硬いexoskeleton(外骨格)、多数のsegments(体節)、関節のある脚を持つことが節足動物らしい特徴です。
三葉虫はなぜ化石が多い?
三葉虫の化石が世界中で多数見つかる大きな理由は、体の背面が石灰質を含む硬い外骨格で覆われていたことです。軟らかい体だけの生物より、硬い部分が堆積物の中に残りやすかったのです。
また、三葉虫は成長するときに古い外骨格を脱ぐmolting / moulting(脱皮)をしました。そのため、発見される殻のすべてが死骸とは限らず、脱ぎ捨てられたmolted exoskeleton(脱皮殻)の場合もあります。
三葉虫は種類ごとに生息した時代が異なり、広い範囲に分布した種も多いため、地層の年代を推定するindex fossil(示準化石)としても重要です。
しゅみすけ(大山俊輔)
三葉虫の目はどんな目だった?
多くの三葉虫はcompound eyes(複眼)を持っていました。複数の小さなレンズが集まった構造で、昆虫の複眼を連想させます。一方で、目を持たない種類もいました。
三葉虫の目のレンズにはcalcite(方解石)が使われていました。鉱物からできたレンズを持つことは、三葉虫の特に興味深い特徴の一つです。
- compound eye:複眼
- lens:レンズ
- calcite:方解石
- blind trilobite:目を持たない三葉虫
三葉虫はいつ絶滅した?
三葉虫は約5億年以上前のカンブリア紀初期に現れ、約2億5,200万年前のend-Permian mass extinction(ペルム紀末の大量絶滅)まで生き続けました。非常に長い期間、海の生態系を構成していた動物です。
ペルム紀になるころには三葉虫の多様性はすでに低下していましたが、最後の系統は地球史上最大級の大量絶滅の中で姿を消しました。恐竜が栄えた中生代が始まる前には、三葉虫はすでに絶滅していました。
したがって、三葉虫とティラノサウルス(Tyrannosaurus rex)が同じ時代に生きることはありませんでした。また、マンモス(mammoth)やサーベルタイガー(saber-toothed cat)は、三葉虫よりはるか後の時代の哺乳類です。
trilobiteに関連する英語
| 英語 | 日本語 | 例文 |
|---|---|---|
| trilobite | 三葉虫 | Trilobites lived in ancient seas. |
| fossil | 化石 | This rock contains a trilobite fossil. |
| arthropod | 節足動物 | A trilobite was an arthropod. |
| exoskeleton | 外骨格 | It had a hard exoskeleton. |
| segment | 体節、区切られた部分 | Its thorax had many segments. |
| compound eye | 複眼 | Many trilobites had compound eyes. |
| molting | 脱皮 | Trilobites grew by molting. |
| seafloor | 海底 | Some trilobites crawled on the seafloor. |
| go extinct | 絶滅する | Trilobites went extinct at the end of the Permian. |
実際に使えるtrilobiteの英語例文
「三葉虫は古代の海に生息していました」
Trilobites lived in ancient seas.
三葉虫は古代の海に生息していました。
「三葉虫は絶滅した節足動物です」
A trilobite was an extinct marine arthropod.
三葉虫は絶滅した海生節足動物でした。
「名前は体の3つの縦方向の葉に由来します」
Its name comes from the three longitudinal lobes of its body.
その名前は、体にある3つの縦方向の葉状部に由来します。
「硬い外骨格を持っていました」
Trilobites had hard exoskeletons and segmented bodies.
三葉虫は硬い外骨格と、体節に分かれた体を持っていました。
会話例
A: Does “trilobite” mean it had three body parts?
B: It refers to three longitudinal lobes: one in the center and one on each side.
A:trilobiteは、体が3部分あったという意味なの?
B:縦方向の3つの葉状部を指します。中央に1つ、その両側に1つずつあります。
三葉虫とカブトガニは同じ?
三葉虫とhorseshoe crab(カブトガニ)は、どちらも硬い外骨格を持つ海生の節足動物で、見た目が似ていると感じる人もいます。しかし、カブトガニは生き残った三葉虫ではありません。
三葉虫はペルム紀末に完全に絶滅しており、現在の海に生きた三葉虫はいません。英語では、Horseshoe crabs are not living trilobites.(カブトガニは生きた三葉虫ではありません)と表現できます。
まとめ
- 三葉虫は英語でtrilobite
- 発音は/ˈtraɪləbaɪt/で「トライラバイト」に近い
- 名前はtri-(3つ)+lobe(葉状部)に由来する
- three lobesは頭・胸・尾ではなく、体を縦に分ける中央と左右の3列
- 三葉虫は古生代の海に生きた絶滅節足動物
- 硬い外骨格と脱皮により、多数の化石が残った
- ペルム紀末、約2億5,200万年前の大量絶滅で姿を消した
ほかの古生物の英語名は、恐竜・古生物の英語カテゴリーでも紹介しています。
参考資料
- Smithsonian National Museum of Natural History: Trilobite Model
- University of California Museum of Paleontology: Trilobita Morphology
- Natural History Museum: How trilobites conquered prehistoric oceans
関連する名前は、絶滅動物・古生物8種類の英語名一覧で確認できます。全体像は、恐竜・古生物28種類の英語名・発音一覧にまとめています。









