
work up は、「食欲をわかせる」「勇気を奮い起こす」「汗をかく」「計画を練り上げる」など、一見ばらばらの意味を持つ句動詞です。しかし共通するのは、小さな働きかけを積み重ねて、何かを徐々に生み出す・高めること。この記事では、意味の仕組み、語順、自然なコロケーション、build up や worked up との違いまで整理します。
Contents
work upの意味は「徐々に生み出す・作り上げる」
work up + 名詞 は、行動や努力によって、最初は十分になかった状態・感覚・成果を次第に生み出すことを表します。
- work up an appetite:運動などをして食欲をわかせる
- work up the courage:勇気を奮い起こす
- work up a sweat:汗をかくほど体を動かす
- work up enthusiasm:熱意を高める
- work up a plan:計画を練り上げる
That walk worked up an appetite.
歩いたらお腹がすきました。
I finally worked up the courage to call her.
私はようやく勇気を振り絞って彼女に電話しました。
This workout will really work up a sweat.
この運動をすれば、かなり汗をかきます。
しゅみすけ(大山俊輔)
work+upから意味を理解する
work には「力を使って働きかける」、up には「上へ・増加・完成」という感覚があります。そこから、働きかけを重ね、何かをゼロに近い状態から十分なレベルまで高めるイメージになります。

語順:work upは分離できる
work up は他動詞として使われ、原則として分離可能です。
- work up + 名詞:work up some enthusiasm
- work + 名詞 + up:work some enthusiasm up
- work + 代名詞 + up:work it up / work them up
代名詞なら work it up と間に置き、work up it とは言いません。
ただし、work up an appetite や work up the courage は定着したまとまりであり、目的語を後ろに置く形が圧倒的に自然です。文法上分離できることと、実際によく使われる語順は別だと考えましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
よく使われる形とコロケーション
work up an appetite
運動や活動によって空腹になることを表す、最も代表的な組み合わせです。
We worked up an appetite hiking in the hills.
丘をハイキングして、お腹がすきました。
The kids will work up an appetite before lunch.
子どもたちは昼食前にたくさん動いてお腹をすかせるでしょう。
work up the courage to do
怖さやためらいがある中で、何かをする勇気を少しずつ集める表現です。
She worked up the courage to ask for a raise.
彼女は勇気を振り絞って昇給をお願いしました。
I couldn’t work up the courage to tell him the truth.
彼に真実を話す勇気を出せませんでした。
work up a sweat
運動・力仕事・暑さによって汗が出るほど体を動かすことです。
Ten minutes of dancing is enough to work up a sweat.
10分踊れば、汗をかくには十分です。
work up enthusiasm / interest / excitement
人の熱意・興味・興奮を次第に高めます。目的語が人なら、「興奮させる・感情を高ぶらせる」意味にもなります。
The speaker worked up the crowd before the announcement.
話し手は発表前に観客の興奮を高めました。
work up a plan / proposal
考えや情報に手を加え、計画・提案を形にします。ただしビジネスでは、計画なら develop a plan、正式な文書なら draw up a proposal もよく使われます。
We worked up a rough plan for the event.
私たちはイベントの大まかな計画を練りました。
worked upの意味は「興奮・動揺した」
get worked up や be worked up では、worked upが「感情が高ぶった・動揺した」という形容詞のように働きます。
Don’t get worked up over a small mistake.
小さなミスでそんなに興奮しないで。
句動詞の動作として見ると、「感情を徐々に高める」結果として、worked upという高ぶった状態になったと理解できます。詳しくは、「むしゃくしゃする」のirritable・frustrated・worked upの違いも参照してください。
場面別の自然な例文
日常・運動
I went for a run and worked up a huge appetite.
走りに行ったら、ものすごくお腹がすきました。
Let’s do a quick workout and work up a sweat.
短時間運動して、ひと汗かきましょう。
仕事
He worked up the courage to disagree with his boss.
彼は勇気を出して上司に異議を唱えました。
I’ll work up a draft and send it this afternoon.
たたき台を作って、今日の午後に送ります。
恋愛
It took me weeks to work up the courage to ask her out.
彼女をデートに誘う勇気を出すまで、何週間もかかりました。
He worked himself up before their first date.
彼は初デートの前に自分で緊張を高めてしまいました。
発表・イベント
The music helped work up excitement in the room.
その音楽が会場の興奮を高める助けになりました。
work upとbuild upの違い
| 表現 | 中心 | 典型例 |
|---|---|---|
| work up | 行動・努力によって生み出す | work up the courage |
| build up | 量・強さ・信頼などが蓄積する/させる | build up confidence |
work up the courage は、ある行動をする直前に必要な勇気をなんとか奮い起こす感じです。build up confidence は、経験などを通して自信を長期的に育てる感じです。
work upとdevelopの違い
develop は「発達させる・開発する・詳しく作る」という広く中立的な語です。work up は、手を動かしながら徐々に形や状態を生み出す過程が感じられ、やや口語的です。
- develop a detailed plan:詳細な計画を策定する
- work up a rough plan:大まかな計画を練り上げる
日本人が間違えやすいポイント
- 勇気の後ろはto不定詞:work up the courage to ask
- 代名詞は間に置く:
work up it→ work it up - 固定表現は無理に分離しない:基本は work up an appetite
- work outと混同しない:work outは運動する・解決する・うまくいく
- worked upは文脈により否定的:感情的になった、取り乱したという響きがある
この句動詞が出てこなかったら?しゅみすけ式の簡単な言い換え
work upを忘れたら、「運動した結果」「怖かったが実行した」「考えて作った」のように、原因と結果を基本語で言えば十分です。
- I exercised, so now I’m hungry.
運動したので、今お腹がすいています。 - I was scared, but I finally asked her.
怖かったけれど、ついに彼女に聞きました。 - We thought about it and made a plan.
私たちはそれについて考え、計画を作りました。 - I exercised until I started sweating.
汗をかき始めるまで運動しました。
関連表現
- work throughの意味・使い方―一つずつ処理して最後まで進む
- work atの意味・使い方―上達のために努力する
- work aroundの意味・使い方―問題を避けながら進める
- 英熟語・定型表現の一覧
まとめ
work up は、行動や努力を重ねて、食欲・勇気・汗・熱意・計画などを徐々に生み出す句動詞です。原則として分離可能で、代名詞なら work it up。ただし work up an appetite と work up the courage to do は、まとまりのまま覚えるのが自然です。upの「増加・完成」を意識すれば、多様な意味を一つのイメージで理解できます。
ほかのwork句動詞もまとめて学びたい方は、workを使った句動詞一覧|意味・使い方・語順を例文解説をご覧ください。









