
You know the drill. は、仕事や日常の決まった流れについて「いつもの手順は分かってるよね」「何をすればいいか分かるよね」と伝える定型表現です。
drill と聞くと、工具の「ドリル」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、ここでの drill は反復練習や、繰り返して身についた決まった手順を指します。この記事では、なぜこの意味になるのか、自然に使える場面、少し偉そうに聞こえるケース、似た表現との違いを例文で解説します。
Contents
You know the drill. の意味
You know the drill. の基本的な意味は、次のとおりです。
- いつもの手順は分かっているよね
- 何をすればいいか、もう分かるよね
- 毎度の流れだから説明は要らないよね
相手が同じ作業や状況を以前にも経験していて、詳しく説明し直す必要がないときに使います。
We open in ten minutes. You know the drill.
あと10分で開店です。いつもの手順は分かっていますね。
この一言には「前にもやったから、今回は説明しなくても進められるよね」という前提があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ drill が「いつもの手順」になる?
drill には、工具の「ドリル」のほかに「反復練習」「訓練」という意味があります。
たとえば a fire drill は「避難訓練」、a military drill は「軍事教練・訓練」です。何度も同じ動作を繰り返すことで、指示を一つずつ聞かなくても体が動くようになります。
そこから the drill は「繰り返して慣れている決まった手順・お決まりの流れ」を表すようになります。つまり You know the drill. は、直感的には「その訓練済みの流れを知っているよね」ということです。

ネイティブが感じるニュアンス
1.気心の知れた相手に「いつもどおりね」
家族や同僚など、普段から同じ流れを共有している人には、説明を短くする親しみのある一言になります。
I’ll get the snacks. You know the drill—pick a movie while I’m gone.
お菓子を取ってくるね。いつもの流れで、私がいない間に映画を選んでおいて。
2.仕事で手短に「もう手順は分かっていますね」
繰り返し行う業務、イベント準備、閉店作業などでよく合います。簡潔でくだけた表現なので、正式なマニュアルや厳格な指示の代わりにはしません。
Same setup as Friday. You know the drill.
金曜日と同じ設営です。いつもの手順でお願いします。
3.言い方によっては「いちいち説明しないよ」
上司から部下へ強い調子で言ったり、経験の浅い相手に言ったりすると、突き放した印象になることがあります。親しみを出すなら、笑顔で軽く言うか、必要な情報を一言添えると安心です。
You know the drill, but let me know if anything has changed.
いつもの手順で大丈夫ですが、何か変わっていたら教えてください。
よく使われる形
- You know the drill. — いつもの手順は分かってるよね
- By now, you know the drill. — もう今ごろは流れが分かってるよね
- Okay, everyone—you know the drill. — では皆さん、いつもの手順で
- Same drill as last time. — 前回と同じ流れです
- You know the drill: sign in and wait here. — いつもの手順です。受付をして、ここで待ってください
コロンやダッシュの後ろに具体的な行動を添えると、知っているはずの手順を短く確認できます。
場面別の自然な例文
仕事
The client arrives at two. You know the drill: check the room and test the screen.
クライアントは2時に到着します。いつもの手順で、部屋を確認して画面をテストしてください。
家庭・暮らし
It’s recycling day tomorrow. You know the drill.
明日は資源ごみの日だよ。いつもの流れは分かってるよね。
学校
When the bell rings, line up by the door. You know the drill.
ベルが鳴ったらドアのそばに並んでください。いつもの手順ですね。
旅行
We’ve changed trains here before. You know the drill—stay close and follow the signs.
ここで前にも乗り換えたよね。いつものように、離れず標識に従ってね。
友人との会話
A: Are we ordering too much pizza again?
またピザを頼みすぎるつもり?
B: You know the drill. Leftovers for breakfast.
いつもの流れでしょ。残りは朝ごはんだよ。
似た表現との違い
You know what to do.:「何をすべきか分かっているね」
You know what to do. は、相手が取るべき行動を理解していることに焦点を当てます。必ずしも「いつもの繰り返し」である必要はありません。
You know the drill. は、過去にも経験したお決まりの手順というニュアンスがより強くなります。
Same as usual.:「いつもどおり」
Same as usual. は注文、予定、状態などが「普段と同じ」だと伝える幅広い表現です。相手が行う手順を指示するとは限りません。
You’ve done this before.:「前にもやったことがあるよね」
You’ve done this before. は過去の経験を確認する文です。You know the drill. は、その経験があるから今も説明なしで進められる、というところまで含みます。
You don’t have to tell me twice.:「一度言われれば十分/喜んで」
You don’t have to tell me twice. は、誘いや指示に対して「一度言われればすぐ動くよ」「喜んで」と応じる表現です。決まった手順を知っているという意味ではありません。
日本人が間違えやすいポイント
- 工具のドリルではない:ここでは「反復練習から身についた手順」です。
- 初回の説明を省かない:相手が未経験なら、Let me walk you through it.(順を追って説明します)のほうが自然です。
- 目上の人には慎重に:部下から上司へ言うと「当然知っていますよね」と聞こえる場合があります。
- know how to do と混同しない:know the drill は一まとまりの定型表現で、後ろに直接動詞を続けません。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
- You know what to do. — 何をすればいいか分かっていますね
- Same as usual. — いつもどおりです
- Do it the same way as last time. — 前回と同じやり方でしてください
- Follow the usual steps. — いつもの手順に従ってください
丁寧さや正確さを優先する仕事の場面では、Please follow the usual steps. のように、してほしい行動を直接伝えるほうが安全です。
You know the drill. と言われたときの返し方
- Got it. — 分かりました
- Will do. — そうします
- Same as last time, right? — 前回と同じですよね
- Yep, I’m on it. — うん、取りかかってるよ
- Actually, could you remind me? — 実は、もう一度確認させてもらえますか
まとめ
You know the drill. は「いつもの手順は分かってるよね」「何をすればいいか分かるよね」という意味です。drill の「反復練習」から、繰り返して身についた「決まった手順」という意味が生まれています。
同僚、家族、友人など、すでに流れを共有している相手には便利な一言です。ただし、初めて取り組む人や目上の人には説明を省いた印象を与えることがあります。そんなときは Same as last time. や Please follow the usual steps. と具体的に言い換えましょう。
英熟語・定型表現を意味だけでなく、会話で使える形で学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。









