
You do the math. は、文字どおりには「あなたが計算して」、会話では「材料はそろっているから、自分で考えれば結論は分かるでしょう」という意味で使われる定型表現です。
日本語では、場面に応じて「あとは自分で考えて」「計算すれば分かるよ」「言わなくても分かるでしょ」「察して」と訳すと自然です。数字がまったく出てこない会話でも使われます。
しゅみすけ(大山俊輔)
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You do the math.の基本的な意味
この表現には、大きく分けて2つの使い方があります。
1.実際に「計算してみて」
費用、時間、人数、利益など、数字を本当に計算してほしいときに使います。
The room is $120 a night, and we’re staying for four nights. You do the math.
部屋は1泊120ドルで、4泊します。計算してみてください。
If each ticket costs 3,000 yen, how much will we need for six people? You do the math.
チケットが1枚3,000円なら、6人分でいくら必要でしょう?計算してみて。
2.比喩的に「材料から結論を出して」
こちらが会話でよく聞く使い方です。話し手はいくつかの事実を示し、結論そのものは言わずに相手へ委ねます。
He checks her messages every morning and smiles whenever her name comes up. You do the math.
彼は毎朝彼女のメッセージを確認して、名前が出るたび笑顔になる。あとは察して。
Sales are down, costs are up, and the store is empty. You do the math.
売上は下がり、費用は上がり、店には客がいない。結論は分かるでしょう。
なぜmathで「自分で結論を出して」になる?
do the math は本来、「必要な数字を使って計算する」という意味です。計算では、与えられた数字を組み合わせれば答えが出ます。
そこから比喩的に、次のような流れを表すようになりました。
- 事実や手がかりがある
- それらを頭の中で組み合わせる
- 明らかな結論へたどり着く
つまり、数字の代わりに状況や証拠を足し合わせる感覚です。
You do the math.の語順と文法
語順はシンプルです。
You + do + the math.
- You:あなたが
- do:行う
- the math:その計算・必要な計算
文の形は命令文のような働きをしますが、あえて You を置くことで、「私が結論を言うのではなく、あなた自身で考えて」という対比を強くします。
単純な指示なら Do the math. とも言えます。
Do the math before you sign the contract.
契約書に署名する前に、きちんと計算してください。
一方、会話の締めとして「ここまで言えば分かるよね」と伝えるときは、You do the math. がよく合います。
自然に使われる場面と例文
仕事:数字から判断する
We spend ten hours a week fixing the same issue. You do the math—we need a better system.
同じ問題の修正に毎週10時間使っています。考えれば分かるでしょう。もっと良い仕組みが必要です。
恋愛:好意を察してもらう
She remembers everything you say and always finds a reason to sit next to you. You do the math.
彼女は君の話を全部覚えていて、いつも君の隣に座る理由を見つける。あとは察して。
家庭:時間が足りないと示す
Dinner takes an hour, the drive takes forty minutes, and the movie starts at seven. You do the math.
夕食に1時間、車で40分、映画は7時開始。計算すれば分かるよ。
買い物:安さを強調する
This pass costs $30, but three separate tickets cost $15 each. You do the math.
このパスは30ドルですが、別々に買うと1枚15ドルが3枚です。どちらが得か計算してみてください。
人間関係:理由を遠回しに示す
He only calls when he needs something. You do the math.
彼が電話してくるのは何か必要なときだけ。どういうことか分かるでしょう。
文字どおりの計算と比喩的な用法

見分けるポイントは、直前に何が提示されているかです。
- 金額・人数・時間・割合がある:実際に計算する可能性が高い
- 行動・証拠・状況が並ぶ:そこから結論を察する比喩用法
ただし、数字が出ていても目的は単なる計算ではなく、「その結果が何を意味するか考えて」という場合があります。
We lost 20 customers this month and gained only two. You do the math.
今月は顧客を20人失い、新規は2人だけでした。これが何を意味するか考えてください。
どんなニュアンス?失礼になることはある?
You do the math. には、「結論はかなり明らかだ」という前提があります。そのため、言い方や関係性によっては次のように聞こえます。
- 軽くヒントを出す、遊び心のある言い方
- 結論をあえて口にしない、含みのある言い方
- 「それくらい自分で分かるでしょう」という突き放した言い方
- 相手の判断力を試す、皮肉な言い方
特に仕事で、目上の人や顧客へそのまま言うとぶっきらぼうになることがあります。柔らかくするなら、次のように言えます。
- If you look at the numbers, the answer is pretty clear.
数字を見れば、答えはかなり明確です。 - I think the figures speak for themselves.
数字が結果を物語っていると思います。 - From these facts, we can see that…
これらの事実から、〜だと分かります。
しゅみすけ(大山俊輔)
You do the math.と似た表現の違い
Figure it out.との違い
Figure it out. は「自分で考えて答えや解決策を見つけて」です。手がかりが十分に提示されているとは限りません。
You do the math. は、すでに材料がそろい、結論がほぼ見えているという感覚が強い表現です。
Read between the lines.との違い
Read between the lines. は「行間を読む」、つまり言葉に直接書かれていない本音や含みを読み取る表現です。
You do the math. は、言葉の裏だけでなく、数字・行動・状況など複数の材料から論理的に結論を出します。詳しくはread between the linesの意味と使い方も参考にしてください。
Connect the dots.との違い
Connect the dots. は「点と点をつないで全体像を理解する」です。個々の事実がどう関連しているかを見抜く過程に焦点があります。
You do the math. は、材料を組み合わせた結果として出る結論に焦点があります。
It all adds up.との違い
It all adds up. は「すべてのつじつまが合う」です。反対に It doesn’t add up. なら「話のつじつまが合わない・何かおかしい」となります。
You do the math. は、相手にその判断を促す言い方です。
日本人が間違えやすいポイント
mathをmathematicsへ変えなくてよい
この定型表現では、アメリカ英語の math が一般的です。イギリス英語では Do the maths. と複数形のように見える maths も使われます。
「数学を勉強する」ではない
do math は計算や数学の問題に取り組むことを表せますが、定型表現の do the math は「必要な計算をする」「材料から結論を出す」です。
答えを知らないときの丸投げには使わない
話し手自身にも結論が分からない状態で使う表現ではありません。話し手は「材料から考えれば答えは明らかだ」と思っています。
この表現が出てこないときの簡単な言い換え
You do the math. を思い出せなくても、次の基本英語で十分伝えられます。
- Think about it.(考えてみて)
- You can see the answer.(答えは分かるでしょう)
- Look at the numbers.(数字を見てください)
- The answer is clear.(答えは明らかです)
- What do you think this means?(これは何を意味すると思いますか?)
たとえば、比喩的な使い方を簡単に説明するなら、次のように言えます。
He is always late and never answers his phone. You can see the problem.
彼はいつも遅刻し、電話にも出ません。何が問題か分かりますよね。
関連表現
- read between the lines:行間を読む
- come to / reach a conclusion:結論に達する
- jump to conclusions:早合点する
- hold water:話・理屈に説得力がある
- 英熟語・定型表現の一覧
まとめ
You do the math. は、実際に「計算して」と言うほか、「事実や手がかりを組み合わせれば、結論は自分で分かるでしょう」という意味で使います。
- 数字がある場面では「計算してみて」
- 状況や証拠がある場面では「あとは察して」
- 結論が明らかだという含みがある
- 言い方によっては皮肉・突き放した響きになる
- 柔らかく言うなら Think about it. や The answer is clear.
数字だけでなく、恋愛や仕事の状況から相手に結論を察してもらいたいときにも使える、短く印象的な表現です。









