
人生は、ときに説明のつかない速さで変わります。アメリカの作家ジョーン・ディディオン(Joan Didion)は、その混乱から目をそらさず、観察し、調べ、書くことで自分の足場を取り戻しました。
今回は、作品と本人のインタビューで確認できる英語の名言を7つ選びました。日本語訳、背景、英語ポイント、初心者にも使いやすい例文とともに紹介します。
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ジョーン・ディディオンとは?
ジョーン・ディディオンは1934年、米国カリフォルニア州生まれの小説家・エッセイスト・ジャーナリストです。1960年代から米国社会の不安や変化を、冷静で鋭い文章によって描きました。夫との死別を記した『悲しみにある者』では、悲嘆の中にある心の動きを克明に言葉にしています。
ジョーン・ディディオンの英語の名言7選
1.私たちは、生きるために自分へ物語を語る
We tell ourselves stories in order to live.
日本語訳:私たちは、生きるために自分自身へ物語を語ります。
人は、ばらばらに起きる出来事へ意味や因果関係を与え、物語として理解しようとします。物語は真実そのものとは限らなくても、世界の中で生きるための足場になります。
英語ポイント:in order to は「〜するために」。会話では単に to としても大丈夫です。
やさしい例文:I study English to travel.(旅行するために英語を勉強しています。)
2.自分の人生への責任を受け入れることが、自尊心の源
Character – the willingness to accept responsibility for one’s own life – is the source from which self-respect springs.
日本語訳:人格——自分の人生への責任を受け入れる意志——は、自尊心が生まれる源です。
自尊心は、人から褒められることで得るものではありません。思い通りにならない現実も含め、自分の人生を自分のものとして引き受けるところから生まれると語ります。
英語ポイント:accept responsibility for … は「〜への責任を引き受ける」。
やさしい例文:I accept responsibility for my choice.(私は自分の選択に責任を持ちます。)
3.書くことで、自分が何を考えているかを知る
I write entirely to find out what I’m thinking.
日本語訳:私は、自分が何を考えているのかを知るために書きます。
考えが整理できてから書くのではなく、書く行為の中で初めて考えが見えてくる。日記やメモ、英作文にも通じる言葉です。
英語ポイント:find out は、調べたり経験したりして「知る・分かる」。
やさしい例文:I want to find out why.(なぜなのか知りたいです。)

4.人生は、一瞬で変わる
Life changes in the instant.
日本語訳:人生は、一瞬で変わります。
夫が夕食の席で突然亡くなった夜について書かれた言葉です。変化は準備が整うまで待ってくれません。短い一文だからこそ、その現実が鋭く伝わります。
英語ポイント:in an instant が一般的な「一瞬で」。原文の the instant には、特定の決定的瞬間という響きがあります。
やさしい例文:Everything changed in an instant.(すべてが一瞬で変わりました。)
5.手持ちのもので進む時が来る
There’s a point when you go with what you’ve got. Or you don’t go.
日本語訳:自分が今持っているもので進む時が来ます。そうでなければ、進めません。
作品をどこかで完成と判断し、世に出すことについての言葉です。準備や能力が完全になる日は来ない。今あるものを使って進む決断が必要です。
英語ポイント:what you’ve got は「あなたが持っているもの」。go with は「〜を選ぶ・〜で進む」です。
やさしい例文:Let’s go with this plan.(この計画で進みましょう。)
6.言葉を使いこなす力は、自分で考える力につながる
The ability to think for one’s self depends upon one’s mastery of the language.
日本語訳:自分自身で考える能力は、言葉を使いこなす力にかかっています。
言葉が増えると、誰かが用意した説明を受け入れるだけでなく、自分の経験を区別し、自分の考えを形にできます。英語を学ぶことも、世界を見る窓を増やすことです。
英語ポイント:depend on/upon … は「〜にかかっている・〜次第である」。
やさしい例文:Success depends on practice.(成功は練習にかかっています。)
7.私は、書くことでそこから抜け出さなければならなかった
I had to write my way out of it.
日本語訳:私は、書くことでそこから抜け出さなければなりませんでした。
夫を亡くしたあと、どうして書き続けられたのかと問われた際の答えです。悲しみを消すのではなく、言葉にしながらその中を通り抜けるという姿勢が表れています。
英語ポイント:verb + one’s way out of … は「〜することで…から抜け出す」。難しければ Writing helped me through it. と言えます。
やさしい例文:Music helped me through it.(音楽が、そのつらい時期を乗り越える助けになりました。)
覚えておきたい英語表現
- in order to …:〜するために
- accept responsibility for …:〜への責任を引き受ける
- find out:調べて知る、分かる
- in an instant:一瞬で
- go with …:〜を選ぶ、〜で進む
- depend on …:〜にかかっている
- help someone through …:人が困難を乗り越えるのを助ける
まとめ|変化を、言葉にしながら生きる
ジョーン・ディディオンの言葉は、人生をきれいな物語に仕上げてはくれません。その代わり、何が起きているかを見つめ、今ある言葉で考え、次の一歩を選ぶ力をくれます。
英語も、考えが完成してから話すものではありません。短い一文を書いたり声に出したりすることで、自分の考えが見えてきます。まずは I think … の続きを一行、書いてみませんか。
喪失や人生の変化を言葉にした作家の名言を続けて読みたい方は、ノーラ・エフロンの英語の名言もどうぞ。
出典
- The Guardian: Joan Didion in her own words
- The Paris Review: The Art of Fiction No. 71
- The Guardian: Interview with Joan Didion
- PBS NewsHour: Conversation: Joan Didion










