
料理は、きれいに仕上げるための義務ではなく、自分と大切な人を元気にする営み——。英国の料理研究家・作家ナイジェラ・ローソン(Nigella Lawson)の言葉には、食べる喜びだけでなく、喪失を抱えながら日常を生きる強さがあります。
今回は、本人の寄稿やインタビューで確認できる英語の名言を7つ選びました。短い例文も添えたので、人生を味わいながら英語も一緒に学んでみましょう。
Contents
ナイジェラ・ローソンとは?
ナイジェラ・ローソンは、英国を代表するフードライター、料理番組司会者です。新聞記者・書評家を経て、1998年に料理本『How to Eat』を出版。専門家のような完璧さよりも、家庭で作り、食べ、分かち合う喜びを伝えてきました。華やかな料理の人という印象の奥には、「日常を続けること」への深いまなざしがあります。
ナイジェラ・ローソンの英語の名言7選
1.人生とは、人に手を伸ばし、つながること
That’s the point of life, isn’t it? Reaching out, making connections.
日本語訳:それが人生の意味でしょう? 人に手を伸ばし、つながりを作ること。
英語ポイント:reach out は「手を差し伸べる・連絡する」、make connections は「人とのつながりを築く」です。isn’t it? は相手にやさしく同意を求める付加疑問です。
やさしい例文:Reach out to an old friend today.(今日は昔の友人に連絡してみましょう。)
2.お菓子作りは服従ではなく、解放だった
For me, it wasn’t an act of submission, but a liberation.
日本語訳:私にとって、それは服従する行為ではなく、解放でした。
ローソンが「ベーキングを学ぶこと」について書いた言葉です。昔ながらの役割に従うためではなく、「自分にはできない」という思い込みから自由になる経験だったと語ります。
英語ポイント:not A, but B は「AではなくB」。対比をはっきり伝えられる便利な形です。
やさしい例文:It was not work, but joy.(それは仕事ではなく、喜びでした。)
3.人生にテーマなんてない
It doesn’t have a theme, but then life doesn’t have a theme.
日本語訳:それにはテーマがありません。でも考えてみれば、人生にだってテーマはありません。
料理を一つの型にまとめなくてよいように、人生もきれいな一貫性を無理につくらなくてよい——そんな肩の力が抜ける言葉です。
英語ポイント:but then は、ここでは「とはいえ、考えてみれば」という話の転換です。
やさしい例文:My week doesn’t have a theme.(私の一週間にテーマはありません。)

4.制限された食生活は、窮屈な人生を語る
A restricted diet speaks of a constrained life, a turning away from the world.
日本語訳:制限された食生活は、窮屈な人生、世界から顔を背ける生き方を物語ります。
健康を大切にしつつも、喜びを失うほど自分を縛らない。年齢を重ねた女性に「もっと小さくなれ」と迫る価値観への、静かな異議でもあります。
英語ポイント:speak of は「〜を物語る・示す」。言葉を発しない物を主語にして使えます。
やさしい例文:Her smile speaks of hope.(彼女の笑顔は希望を物語っています。)
5.料理は、自分を強くする方法
I feel that cooking is a way of strengthening oneself.
日本語訳:料理は、自分自身を強くする方法だと感じます。
自分を養う力は、生活を立て直す力でもある——ローソンはそれを「生き延びる人の技術」と表現しました。大げさな成功ではなく、今日の自分を支える小さな行動に価値を見いだす言葉です。
英語ポイント:a way of -ing は「〜する一つの方法」。strengthen は「強くする」です。
やさしい例文:Walking is a way of clearing my mind.(歩くことは頭をすっきりさせる方法です。)
6.料理も子育ても、専門家だけに任せるものではない
Cooking is one of those areas – the other is child rearing – which really shouldn’t be left to the experts.
日本語訳:料理は——もう一つは子育てですが——本来、専門家だけに任せるべきではない分野の一つです。
上手な人を見て萎縮する必要はありません。ゆっくり野菜を切り、時には床に落としてもいい。学びも同じで、完璧になる前から自分でやってよいのです。
英語ポイント:leave A to B は「AをBに任せる」。受け身の be left to もよく使われます。
やさしい例文:Don’t leave everything to me.(何もかも私に任せないでください。)
7.自分は被害者ではなく、生き延びる人
I am no victim, but very much a survivor!
日本語訳:私は被害者ではありません。まさに、生き延びてきた人です。
survivor は単に「生存者」ではなく、困難をくぐり抜けて生きる人。つらい経験だけに自分の物語を決めさせない、力強い自己定義です。
英語ポイント:no + 名詞 は「決して〜ではない」という強い否定。very much はここでは「まさに、間違いなく」と強調します。
やさしい例文:She is a survivor.(彼女は困難を乗り越えてきた人です。)
覚えておきたい英語表現
- reach out:手を差し伸べる、連絡する
- not A, but B:AではなくB
- speak of:〜を物語る
- a way of -ing:〜する方法
- leave A to B:AをBに任せる
- survivor:困難を生き抜いた人
まとめ|喜びは、人生に参加すること
ナイジェラ・ローソンの名言が教えてくれるのは、完璧な食卓の作り方ではありません。人とつながること、自分を養うこと、そして喜びを遠慮なく受け取ることです。
英語学習も、専門家のように上手になるまで待たなくて大丈夫。今日覚えた Reach out. の一言から、世界とのつながりを一つ増やしてみませんか。
料理と人生を結ぶ言葉に惹かれた方は、ジュリア・チャイルドの英語の名言もどうぞ。
出典
- The Guardian: Nigella Lawson: my life in food
- The Guardian: I didn’t think I’d be a mended person, but I am
- The Guardian: I’m very much a survivor
- The Guardian: Cooking shouldn’t be left to the experts










