
大きく描かれた花、赤い大地、白い骨、どこまでも続く空。アメリカを代表する画家ジョージア・オキーフ(Georgia O’Keeffe)は、人から教わった見方ではなく、自分の目で感じた世界を描き続けました。
彼女の言葉が教えてくれるのは、目立つことより、よく見ること。正解をまねることより、自分の内側にある形を信じることです。77歳で巨大な作品に挑んだ姿も含め、年齢を重ねてなお自分の世界を広げたい人に響く言葉が残っています。
今回はジョージア・オキーフ美術館、シカゴ美術館、米国議会図書館などの資料から確認できる、英語の名言7つを紹介します。
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ジョージア・オキーフとは?自分の目で世界を描いた画家
ジョージア・オキーフは1887年、アメリカ・ウィスコンシン州生まれ。花を大きく捉えた作品や、ニューヨークの高層建築、ニューメキシコの風景で知られ、「アメリカ・モダニズムの母」とも呼ばれます。
1915年ごろ、それまで教えられた描き方をいったん手放し、木炭だけで自分独自の形を探し始めました。後年はニューメキシコを拠点とし、98歳で亡くなるまで、見ることと作ることを生涯の中心に置きました。
ジョージア・オキーフの英語の名言7選
1.見るには、時間がかかる
To see takes time, like to have a friend takes time.
日本語訳:見ることには時間がかかります。友人を持つことに時間がかかるのと同じように。
オキーフは、小さな花を誰も本当には見ていないと考え、忙しいニューヨーカーにも立ち止まってもらえるよう、花を大きく描きました。人も自然も、一目で分かったつもりになるのではなく、時間をかけることで初めて見えてくるものがあります。
英語のポイント:take time は「時間がかかる」「時間をかける」。It takes time. だけでもよく使います。
初心者向け例文:Learning English takes time.(英語を学ぶには時間がかかります)

2.言葉にできないことを、色と形で語る
I found I could say things with color and shapes that I couldn’t say any other way—things I had no words for.
日本語訳:色と形なら、ほかの方法では言えないこと、言葉を持たないことを語れると気づきました。
気持ちは、いつも言葉にできるとは限りません。絵、音楽、料理、装い、庭づくりなど、自分に合った表現方法が言葉の代わりになることもあります。「話せないから何も伝えられない」のではありません。
英語のポイント:have no words for … は「…を表す言葉がない」。感動や驚きにも使えます。
初心者向け例文:I have no words for this beauty.(この美しさを表す言葉がありません)
3.教えられたものを剥がし、最初から始める
I decided to start anew to strip away what I had been taught.
日本語訳:教えられてきたものを剥ぎ取り、新しく始めることにしました。
基礎を学ぶことは大切です。しかし、学んだ型が自分の見方を閉じ込めることもあります。オキーフは一度立ち止まり、何を描くべきかではなく、自分は何を感じているのかから再出発しました。
英語のポイント:start anew は「新たに始める」、strip away は「余分なものを剥ぎ取る」です。
初心者向け例文:I want to start anew.(新しくやり直したいです)
4.自分の頭の中にあるものを信じる
I have things in my head that are not like what anyone has taught me.
日本語訳:私の頭の中には、誰かに教えられたものとは違うものがあります。
人と違う考えが浮かぶと、間違っているように感じることがあります。しかし、その違いこそが自分だけの視点かもしれません。オキーフは、まだ形になっていない内側の感覚を無視しませんでした。
英語のポイント:in my head は「頭の中に」。考えや音、イメージが頭にあるときに使えます。
初心者向け例文:I have an idea in my head.(頭の中にアイデアがあります)
5.街は「見たまま」ではなく「感じたまま」に描く
One can’t paint New York as it is, but rather as it is felt.
日本語訳:ニューヨークを、あるがままに描くことはできません。むしろ、感じたままに描くのです。
事実を正確に写すことと、自分が受け取ったものを表現することは違います。これは絵だけでなく、文章や会話にも通じます。自分がどう感じたのかを加えることで、単なる説明が自分の言葉になります。
英語のポイント:as it is は「あるがままに」、rather はここでは「むしろ」です。
初心者向け例文:Tell me how it felt.(どんなふうに感じたか教えてください)
6.まず自分自身の土地を手入れする
My plot of earth must be tended with absurd care—by myself first.
日本語訳:自分の小さな土地は、笑ってしまうほど丁寧に手入れしなければなりません。まずは自分自身の手で。
これは1934年の手紙に残された言葉です。ここでの「土地」は、自分の心や生活、創作の場とも読めます。誰かの期待に応える前に、自分の内側を守り、整えること。その土台があってこそ、人との関係も作品も育ちます。
英語のポイント:tend は「世話をする、手入れする」。庭だけでなく、人や必要なことに心を配る意味があります。
初心者向け例文:I need to take care of myself first.(まず自分自身を大切にする必要があります)
7.77歳でも、頭にある大きなものを作る
Such a size is of course ridiculous, but I had it in my head as something I wanted to do for a couple of years.
日本語訳:もちろん、こんな大きさは途方もないものです。でも、数年前から作りたいものとして頭の中にあったのです。
オキーフは77歳のとき、高さ約2.4メートル、幅約7.3メートルの大作《Sky above Clouds IV》に取り組みました。年齢を理由に小さくまとめず、「頭にあったから作る」。晩年の挑戦を示す、かっこいい言葉です。
英語のポイント:for a couple of years は「数年間」。have something in my head は、構想を温めているときにも使えます。
初心者向け例文:I’ve had this plan in my head for years.(この計画を何年も頭の中で温めてきました)
名言から覚えたい英語表現
- take time:時間がかかる/時間をかける
- have no words for:…を表す言葉がない
- start anew:新たに始める
- strip away:剥ぎ取る、余分なものを取り除く
- in my head:頭の中に
- as it is:あるがままに
- take care of myself first:まず自分を大切にする
初心者の方は、まず It takes time.(時間がかかります)や I have an idea in my head.(頭の中にアイデアがあります)から使ってみましょう。
自分の目で見ると、世界はもう一度新しくなる
ジョージア・オキーフは、誰かに教わった正解を上手に再現するのではなく、自分にどう見え、どう感じられたかを何十年も問い続けました。
忙しさの中で小さな花を見る時間を取り戻すこと。人の評価より、自分の内側にある形を信じること。そして77歳でも、長く頭にあった大きな仕事に挑むこと。彼女の言葉は、人生の後半にもまだ広い空が残っていると教えてくれます。
自分の感覚を信じる女性たちの言葉は、ダイアン・キートンの英語の名言や、アイリス・アプフェルの英語の名言でも紹介しています。
参考資料
- Georgia O’Keeffe Museum:In Her Words
- Georgia O’Keeffe Museum:Art Activities for All Ages
- Georgia O’Keeffe Museum:The Shared Journeys of Jean Toomer and Georgia O’Keeffe
- Art Institute of Chicago:12 Things to Know about Georgia O’Keeffe
- Art Institute of Chicago:Sky above Clouds IV
- Library of Congress:O’Keeffe and Stieglitz letters










