
私たちにとって、学校へ通うことや本を読むことは、あまりにも日常的に見えるかもしれません。しかし世界には今も、「女の子だから」という理由で学ぶ機会を奪われる人たちがいます。
マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)は、女子教育を求めて声を上げ続けてきたパキスタン出身の教育活動家です。彼女の言葉が40代、50代、60代の女性にも響くのは、勇敢な少女の物語だからだけではありません。自分が得た学びや自由を、次の世代へどう手渡すかを問いかけるからです。
この記事では、国連演説とノーベル平和賞受賞講演で確認できる英語の名言を7つ選び、日本語訳と初心者にも分かる英語表現を紹介します。
出典について
SNSでは語順や単語が変わった形も広まっています。ここでは、マララ基金、国連、ノーベル賞公式サイトに掲載された演説原稿を中心に、本人が実際に語った形を確認しています。
Contents
マララ・ユスフザイとは?教育の権利を訴え続ける女性
マララは1997年、パキスタン北西部のスワート渓谷に生まれました。女子の通学が制限される状況を発信していた2012年、15歳のときに通学途中のバスで銃撃を受けます。一命を取り留めた後も活動を続け、2014年、17歳でノーベル平和賞を受賞しました。
彼女が求めているのは、特別な一部の少女の成功ではありません。すべての子どもが安全に学校へ通い、学び、自分の未来を選べることです。
マララ・ユスフザイの英語の名言7選
1.一人の子ども、一人の教師、一冊の本、一本のペンが世界を変えられる
One child, one teacher, one pen and one book can change the world.
日本語訳:一人の子ども、一人の教師、一本のペン、そして一冊の本が、世界を変えることができる。
出典:2013年、国連演説
can change は「変えられる」。大きな変化を語りながら、child、teacher、pen、book という初心者にもなじみのある単語だけでできています。
変化は、いつも巨大な力から始まるわけではありません。一人が学び、一人が教え、一冊を読み、一本のペンで考えを書く。小さな単位を繰り返すことで、世界は動き始めます。
2.声のない人の声が届くように、私は声を上げる
I raise up my voice—not so that I can shout, but so that those without a voice can be heard.
日本語訳:叫ぶためではなく、声を持たない人の声が届くように、私は声を上げます。
出典:2013年、国連演説
not so that A, but so that B は「Aのためではなく、Bのために」。be heard は「聞いてもらう・声が届く」という受け身です。
声を上げることは、自分だけを目立たせることではありません。話す機会を持てない人、まだ言葉にできない人の存在を見えるようにすることでもあります。
3.言葉には世界を変える力があると信じなければならない
We must believe in the power and the strength of our words. Our words can change the world.
日本語訳:私たちは、自分たちの言葉の力を信じなければなりません。私たちの言葉は世界を変えられます。
出典:2013年、国連演説
believe in … は「〜の存在や力を信じる」。人や可能性、考え方への信頼を表すときに使います。
流暢でなくても、短い言葉でも、沈黙より一歩先へ進めることがあります。英語を学ぶことも、自分の声を届かせられる範囲を広げることです。
4.教育は人生の恵みであり、必要不可欠なもの
Education is one of the blessings of life—and one of its necessities.
日本語訳:教育は人生の恵みの一つであり、必要不可欠なものの一つです。
出典:2014年、ノーベル平和賞受賞講演
one of + 複数名詞 は「〜の一つ」。necessity は「必要なもの」です。
教育は、余裕のある人だけのぜいたくではありません。文字を読み、情報を比較し、自分で決めるための土台です。学び直しに「もう遅い」はありません。

5.私は一人の声ではない。私は多くの人の声
I am not a lone voice, I am many.
日本語訳:私は孤立した一つの声ではありません。私は、多くの人の声です。
出典:2014年、ノーベル平和賞受賞講演
lone は「ただ一人の・孤立した」。alone と似ていますが、名詞の前に置いて a lone voice のように使えます。
自分の経験を言葉にしたとき、「私も同じだった」と誰かが気づくことがあります。一人の個人的な声が、まだ言葉を持たない多くの人につながります。
6.私たちは待つのではなく、動かなければならない
We must work—not wait.
日本語訳:私たちは待つのではなく、動かなければならない。
出典:2014年、ノーベル平和賞受賞講演
not A, but B の but が省略されたような、短く力強い対比です。ここでの work は「仕事をする」だけでなく、「実現に向けて行動する」という意味です。
完璧な準備や誰かの許可を待ち続けるより、今日できることを一つ行う。小さな寄付、投票、学習、誰かへの情報共有も行動です。
7.「なぜ女の子が学校へ行くのか」ではなく、「なぜ行ってはいけないのか」
The more important question is why shouldn’t they, why shouldn’t they have this right to go to school.
日本語訳:より重要な問いは、なぜ女の子たちが学校へ行ってはいけないのか、なぜその権利を持ってはいけないのか、ということです。
出典:2014年、ノーベル平和賞受賞講演
Why shouldn’t they? は「なぜ彼女たちがしてはいけないの?」。当然視されてきた前提を反転させる問いです。
「なぜ女性が働き続けるの?」「なぜ今から学ぶの?」と問われたとき、本当に説明すべきなのはこちら側でしょうか。問いの向きを変えるだけで、見えていなかった前提が現れます。
大人の女性が、マララの言葉から受け取れること
マララの言葉は「若い人は勇敢だ」という感想だけで終わらせるには、もったいないものです。
大人の世代には、図書館や学校の扉を開ける側、学びたい人の時間を守る側、若い声を会議の席へ届ける側になれる力があります。それは必ずしも、大きな活動を始めることではありません。
娘や後輩の選択を狭めない。自分自身も学び直す。分からないことを質問できる空気を作る。誰かが声を上げたとき、すぐに否定せず聞く。そんな日常の行動が、次の世代へ選択肢を手渡します。
初心者でも言える英語
Everyone has the right to learn.
誰にでも学ぶ権利があります。
Her voice matters.
彼女の声には意味があります。
Let’s take action.
行動しましょう。
マララの名言から覚えたい英語表現
| 英語表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| change the world | 世界を変える | change+目的語 |
| raise one’s voice | 声を上げる | 意見を表明する意味でも使う |
| so that … | 〜するために | 目的を表す接続表現 |
| believe in … | 〜の力・存在を信じる | 人や可能性にも使える |
| one of + 複数名詞 | 〜の一つ | 後ろは複数形 |
| a lone voice | 孤立した一つの声 | lone は名詞の前に置く |
| take action | 行動を起こす | do action とは通常言わない |
学ぶことは、自分の未来を選べるようになること
英語学習も、点数や資格だけのためではありません。読める情報が増え、話せる相手が増え、自分の考えを別の言葉でも表せるようになる。学ぶことは、未来の選択肢を増やします。
女性の勇気や生き方を語る言葉をもっと読みたい方は、女性の生き方の英語の名言集へ。年齢を理由にせず英語やキャリアを学び直したい方は、40代・50代からの学び直しを支えるbe:RIZEにもつながっています。
まずは一人、一冊、一本から。
One child, one teacher, one pen and one book can change the world.
参考にした主な資料
- Malala Fund:Malala Yousafzai’s 2013 United Nations speech
- Nobel Prize:Malala Yousafzai – Nobel Lecture
- Nobel Prize:Malala Yousafzai – Facts
- Malala Fund公式サイト








