
by and large は、「概して」「全体として見れば」「だいたいのところ」という意味のイディオムです。細かく見れば例外や不満はあるものの、全部をまとめて判断するとどうなのかを伝えるときに使います。
この記事では、by and large がなぜこの意味になるのか、自然な文中位置と例文、on the whole や generally speaking との違い、すぐに使える簡単な言い換えまで解説します。
Contents
by and largeの意味
by and large の基本的な意味は、次のとおりです。
- 概して
- 全体としては
- だいたいのところ
- 総じて
一つひとつの細部ではなく、良い点も悪い点も含めて全体を評価する表現です。
By and large, the event was a success.
全体として、そのイベントは成功でした。
この文は「何も問題がなかった」という意味ではありません。多少のトラブルはあったかもしれないけれど、総合的には成功だった、という含みがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「概して」という意味になるの?
by and large は、もともと帆船で使われた航海表現だとされています。by は風に近い方向へ進むこと、large は追い風を受けて進むことを表し、異なる風向きでも進める船を表現しました。
そこから「さまざまな方向や条件を考え合わせると」「すべてをひっくるめて」という感覚が生まれ、現在の「概して・全体として」という意味で使われるようになりました。
ただし、日常会話で語源を意識して使う必要はありません。現代英語では overall(総合的に)に近い一まとまりのイディオムとして覚えれば十分です。
ネイティブが感じるニュアンス
by and large には、断定を少し和らげる働きがあります。
Customers are satisfied.
顧客は満足しています。
By and large, customers are satisfied.
概して、顧客は満足しています。
後者なら、「全員ではないが、大多数や全体的な傾向としては満足している」という現実的な言い方になります。そのため、仕事の報告、レビュー、旅行の感想、人や組織についての評価などに向いています。
文中の位置と句読点
文頭に置く
もっとも分かりやすく、よく使われる形です。後ろにコンマを置きます。
By and large, people were happy with the new schedule.
概して、人々は新しい予定に満足していました。
文中に挟む
主語の後ろなどに挟み、前後をコンマで区切ることもできます。
The team, by and large, supports the proposal.
チームは、全体としては、その提案を支持しています。
文末に置く
文末でも使えますが、学習者はまず自然で明確な文頭の形を使うとよいでしょう。
The trip went smoothly, by and large.
その旅行は、全体としては順調でした。
なお、語順は固定です。large and by や by large にはしません。
場面別の自然な例文
仕事
By and large, the new system has made our work easier.
全体として、新しいシステムのおかげで仕事が楽になりました。
The feedback was, by and large, positive.
フィードバックは、概して好意的でした。
By and large, we met this month’s targets.
だいたいのところ、今月の目標は達成できました。
日常生活
By and large, I’m happy with my new apartment.
全体としては、新しいアパートに満足しています。
My neighbors are, by and large, quiet and friendly.
近所の人たちは、概して静かで親切です。
旅行
By and large, public transportation was easy to use.
全体として、公共交通機関は使いやすかったです。
The weather was good by and large, although it rained twice.
2回雨が降りましたが、天気はだいたい良かったです。
人間関係・学校
By and large, we agree on the important things.
大事なことについては、私たちは概して意見が一致しています。
By and large, the students understood the lesson.
全体として、生徒たちは授業内容を理解していました。
on the whole・generally speakingとの違い

| 表現 | 中心となる感覚 | 自然な場面 |
|---|---|---|
| by and large | 例外はあるが、全部まとめると | 経験・状況・結果の総合評価 |
| on the whole | 個々の部分ではなく全体を見ると | by and largeとかなり近い総合評価 |
| generally speaking | 一般論として言えば | 人や物事について広い傾向を述べる |
By and large, the conference went well.
細かな問題はあったものの、会議は全体としてうまくいきました。
On the whole, the conference went well.
全体を評価すると、会議はうまくいきました。
Generally speaking, online conferences are efficient.
一般論として、オンライン会議は効率的です。
by and large と on the whole は多くの文脈で置き換えられます。ただし generally speaking は、特定の一回を評価するより、広い傾向や一般化を導入する表現です。
詳しい使い分けは、on the wholeの意味と使い方と、「概して」を表す英語の比較でも確認できます。
日本人が間違えやすいポイント
「大きい」という意味ではない
large が含まれますが、「大きく」「大量に」という意味で訳す表現ではありません。by and large 全体で「概して」という副詞句です。
100%を表すわけではない
by and large は completely や without exception とは異なります。むしろ、例外が存在する余地を残す表現です。
名詞を直接修飾しない
a by-and-large opinion のように名詞の前へ機械的に置くのではなく、通常は文全体や評価を修飾します。
By and large, I agree with her opinion.
全体としては、彼女の意見に賛成です。
しゅみすけ(大山俊輔)
出てこないときの簡単な言い換え
by and large を思い出せないときは、次の基本的な表現で十分伝わります。
- Overall, it was good.
全体として、良かったです。 - Most of it was good.
その大部分は良かったです。 - In general, people liked it.
概して、人々はそれを気に入りました。 - There were a few problems, but it went well.
少し問題はありましたが、うまくいきました。
最後のように「小さな問題はあった+でも全体は良かった」と二つの短い文に分ければ、イディオムを使わなくても by and large の感覚を正確に伝えられます。
まとめ
by and large は、「細部には例外もあるが、全体として判断すると」という感覚を持つイディオムです。「概して」「全体としては」「だいたいのところ」と訳せます。
まずは By and large, +主語+動詞 の形で、旅行や仕事、商品などの総合評価を伝えてみましょう。
ほかの定型表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧もご覧ください。









