
by the time+主語+動詞は、「〜する頃には」「〜した時までには」という意味です。ある出来事が起こる時点を基準にして、その時点では別の行動や状態がすでに実現していることを伝えます。
- By the time you arrive, I’ll be ready.
あなたが到着する頃には、私は準備できています。 - By the time I arrived, she had left.
私が到着した時には、彼女はすでに帰っていました。
難しく感じる原因は、未来の話でもby the time節では現在形を使うことや、過去の話では過去完了がよく現れることです。ただし、完了形が常に必要なわけではありません。まずは「ある時点をゴールとして、その時どうなっているかを見る」感覚をつかみましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
by the timeの基本的な意味とニュアンス
byには「〜までに」という締め切り・到達点の感覚があります。そこへthe time+文が続き、「〜する時までに」という時間の境界を作るのがby the timeです。
直訳に近いイメージは、次のとおりです。
by(〜までに)+the time(その時)+主語+動詞
たとえば、By the time you get home, dinner will be ready.では、「あなたが帰宅する時」が基準点です。その時点には夕食の準備が終わっている、という見通しを伝えます。
日本語訳は文脈に応じて変わります。
- 〜する頃には
- 〜する時までには
- 〜した時にはすでに
- 〜する頃までに
訳語を一つに固定するより、時間軸上の基準点を意識するほうが自然に理解できます。
by the timeの語順
基本形は次の2つです。
By the time+主語+動詞, 主節.
主節+by the time+主語+動詞.
- By the time the meeting starts, everyone will have the documents.
会議が始まる頃までには、全員が資料を持っているでしょう。 - Everyone will have the documents by the time the meeting starts.
会議が始まる頃までには、全員が資料を持っているでしょう。
by the time節を文頭に置く場合は、節の終わりにカンマを置くのが一般的です。文末に置く場合、通常はカンマを入れません。
注意:by the timeの後ろには、原則として主語+動詞を含む文が続きます。時刻や日付だけを置くなら、by five(5時までに)、by Friday(金曜日までに)のようにbyだけを使います。
未来のby the time:節の中は現在形
未来のことを話すとき、by the time節では通常現在形を使います。未来の基準点を示す時間の節では、原則としてwillを置かないためです。
By the time+現在形, 主節+will / will have+過去分詞
- By the time you arrive, I’ll be ready.
あなたが着く頃には、私は準備できています。 - By the time we get to the airport, the check-in counter will be open.
空港に着く頃には、チェックインカウンターが開いているでしょう。 - By the time she graduates, she will have studied abroad twice.
彼女が卒業する頃までには、2回留学したことになるでしょう。 - I’ll finish this report by the time you come back.
あなたが戻る頃までには、この報告書を仕上げます。
By the time you will arriveとは通常言いません。「到着する」のは未来でも、時間を示す節ではyou arriveと現在形にします。
willと未来完了はどう使い分ける?
主節は、伝えたい内容に応じて変わります。
| 主節の形 | 焦点 | 例 |
|---|---|---|
| will+動詞 | その時点で起こること・状態 | I’ll be home. |
| will have+過去分詞 | その時点までに完了すること | I’ll have finished. |
| 命令文・依頼 | その時までにしてほしいこと | Please be ready. |
- By the time you wake up, I’ll be at work.
あなたが起きる頃には、私は職場にいるでしょう。 - By the time you wake up, I’ll have left for work.
あなたが起きる頃までには、私は仕事へ出発しているでしょう。
前者は「その時どこにいるか」、後者は「その時までに出発が完了していること」を強調します。

過去のby the time:過去形と過去完了
過去の二つの出来事を比べる場合、by the time節には通常過去形を使います。それより前に完了していた行動は、主節で過去完了 had+過去分詞を使うと順序が明確になります。
By the time+過去形, 主節+had+過去分詞
- By the time I arrived, the store had closed.
私が着いた時には、店はすでに閉店していました。 - By the time we called, they had already left.
私たちが電話した時には、彼らはすでに出発していました。 - She had fallen asleep by the time I got home.
私が帰宅した時には、彼女は眠っていました。 - By the time the police came, the crowd had disappeared.
警察が来た時には、群衆はすでにいなくなっていました。
「到着した」より「閉店した」「出発した」ほうが前なので、先に起きたことを過去完了で示します。
過去完了を使わない場合もある
by the timeがあっても、過去完了が必須とは限りません。その時点の状態を述べるなら、主節を過去形にできます。
- By the time we arrived, it was dark.
私たちが着いた頃には、暗くなっていました。 - By the time lunch ended, everyone was tired.
昼食が終わる頃には、全員が疲れていました。 - By the time I found the café, I was really hungry.
そのカフェを見つけた頃には、私は本当にお腹が空いていました。
ここでは「暗くなるという行動を完了した」というより、その時点の状態を説明しています。完了形を機械的に入れず、先に完了した出来事なのか、その時の状態なのかを考えましょう。
現在や習慣を表すby the time
by the timeは未来・過去だけでなく、繰り返される習慣にも使えます。
- By the time I get home, my kids are usually asleep.
私が帰宅する頃には、子どもたちはたいてい眠っています。 - By the time Friday comes, everyone is exhausted.
金曜日になる頃には、みんな疲れ切っています。
「いつもその頃にはこうなっている」という一般的なパターンなので、両方を現在形で表しています。
by the timeとwhenの違い
whenは単に「〜するとき」という同時点を示します。by the timeはその時を一つの到達点として、そこまでの変化や完了を意識させます。
| 表現 | 中心の意味 | 例 |
|---|---|---|
| when | 〜するとき | Call me when you arrive. |
| by the time | 〜する頃までには、その時にはすでに | I’ll be ready by the time you arrive. |
- When I arrived, she left.
私が着いたとき、彼女は帰りました。 - By the time I arrived, she had left.
私が着いた時には、彼女はすでに帰っていました。
whenの文では二つの出来事が同じ頃に起きたように読めます。by the timeの文では、到着より前に彼女が帰ったことが明確です。
by the timeとuntilの違い
by the timeは基準点までの完了・到達、untilはその時点まで続く継続に焦点があります。
- I’ll finish the report by the time you return.
あなたが戻る頃までには、報告書を完成させます。 - I’ll work on the report until you return.
あなたが戻るまで、報告書に取り組みます。
最初の文は「戻る時までに完成」、二つ目は「戻る時まで作業が継続」です。日本語ではどちらも「〜まで」と訳せるため、完了か継続かを見分けましょう。
by the timeとby thenの違い
by thenも「その時までには」という意味ですが、thenが指す時点は前の文脈から分かっている必要があります。by the timeは、後ろの文で基準点を具体的に示します。
- The meeting starts at ten. Please be ready by then.
会議は10時に始まります。それまでに準備してください。 - Please be ready by the time the meeting starts.
会議が始まる頃までには準備してください。
現在を基準に「今頃にはもう」と言うby nowとの違いは、by nowの意味・時制とuntil nowとの違いで詳しく解説しています。
as soon asとの違い
as soon asは「〜するとすぐ」、by the timeは「〜する頃までには」です。
- I’ll call you as soon as I arrive.
到着したらすぐ電話します。 - I’ll have the answer by the time I arrive.
到着する頃までには答えを出しておきます。
as soon asは基準点の直後に起きる行動、by the timeは基準点までに成立する結果を表します。詳しくはas soon asの意味と未来の時制をご覧ください。
しゅみすけ(大山俊輔)
日常・仕事・旅行で使える会話例
夕食の準備
A: What time will dinner be ready?
夕食は何時にできそう?
B: It’ll be ready by the time you get home.
あなたが帰宅する頃にはできています。
仕事の締め切り
A: Can you update the slides before the client arrives?
クライアントが来る前にスライドを更新できますか?
B: Yes. I’ll have them ready by the time the meeting starts.
はい。会議が始まる頃までには準備しておきます。
旅行中のすれ違い
A: Did you see Emma at the station?
駅でエマに会いましたか?
B: No. By the time I got there, her train had already left.
いいえ。私が着いた時には、彼女の電車はすでに出発していました。
日本人が間違えやすいポイント
- 未来の節にwillを入れない
通常は By the time you arrive。By the time you will arriveとはしません。 - 完了形を必須だと思わない
完了を強調するなら未来完了・過去完了、その時の状態ならwillや過去形も使えます。 - by timeとtheを落とさない
接続表現は基本的に by the time の3語です。 - 後ろには主語+動詞を置く
by the time you arriveのように文を続けます。名詞だけならby Fridayなどを使います。 - untilと混同しない
by the timeは完了・到達、untilは継続が中心です。
簡単な英語で言い換えるなら
by the timeがすぐ出てこなければ、二つの短い文に分けても通じます。
- I’ll finish it before you come back.
あなたが戻る前に終わらせます。 - When I arrived, she was already gone.
私が着いた時、彼女はもういませんでした。 - It will be ready before the meeting.
会議の前には準備できます。
beforeやalreadyを使うと、複雑な時制を避けながら出来事の順序を伝えられます。
まとめ:基準の時点で「どうなっているか」を見る
- by the time+文は「〜する頃には・〜した時までには」
- 未来では、by the time節を現在形にする
- その時点までの完了を強調するなら未来完了を使える
- 過去では、先に完了した行動を過去完了で表すことが多い
- その時点の状態なら、主節は過去形でもよい
- whenは「その時」、untilは「その時まで継続」、as soon asは「その直後」
by the timeの時制で迷ったら、まず二つの出来事を時間順に並べてください。「どの出来事が基準点で、その時までに何が起きるのか」が分かれば、自然な形を選べます。関連する英語表現は、英熟語・定型表現のまとめからも確認できます。









