Fake it till you make it.の意味は?「できるまで、できるふりをする」の使い方

Fake it till you make it. は、「本当にできるようになるまで、できるふりをして行動する」「自信や実力がつくまで、先にそれらしく振る舞う」という励ましの完成フレーズです。

ここでの fake は、経歴や資格を偽って人をだますという意味ではありません。不安があっても自信のある人のように話す、初心者でも経験者の行動をまねて練習するなど、望む状態に近づくために行動を先に変えるという考え方です。

A: I’m nervous about leading the meeting.
会議の進行をするのが不安です。

B: Fake it till you make it. Speak slowly and confidently.
できるようになるまで、できるふりをしてみて。ゆっくり自信を持って話して。

しゅみすけ(大山俊輔)

自信がついてから話すのではなく、自信のある話し方を先に練習する。その行動に気持ちや実力が後から追いつく、という発想です。

Fake it till you make it. の基本的な意味

場面に合わせると、次のように訳せます。

  • できるようになるまで、できるふりをしよう
  • 自信がつくまで、自信があるように振る舞おう
  • 形になるまで、まずそれらしくやってみよう
  • 本物になるまで、先に行動してみよう
  • やっているうちに身についてくるよ

英語圏では、仕事・人前での発表・新しい役割・自信づくりなどについて使われます。真面目な助言にも、少しユーモアを含む励ましにもなります。

フレーズを3つに分けると意味が分かる

fake it

fake はここでは動詞で、「本物ではない状態を本物のように見せる・ふりをする」。it は、自信、能力、余裕、慣れている様子など、その場で必要なものを広く指します。

Fake confidence. と具体的に言わず、fake it とひとかたまりで使うのが定型です。

till

till は「〜まで」。この表現では until に置き換えられます。

  • Fake it till you make it.
  • Fake it until you make it.

どちらも正しく、意味も同じです。短くリズムのよい till の形が定型句として広く使われます。

make it

make it はここでは「うまくやる・成功する・本当にその状態になる」。目的地に間に合うという意味ではなく、目指していた状態に到達することです。

つまり全体では、次の流れになります。

fake it(先にそれらしく行動する)

till(その行動を続ける)

you make it(実力や自信が本当に身につく)

どんな場面で使う?

人前で自信を持って話したいとき

I didn’t feel confident, so I smiled and spoke clearly. Sometimes you have to fake it till you make it.
自信はなかったので、笑顔ではっきり話しました。ときには、自信がつくまで自信があるように振る舞う必要があります。

新しい仕事や役割に慣れるまで

Everyone feels unsure in a new role. Fake it till you make it, and keep learning.
新しい役割では誰でも不安になります。できるようになるまで、まずそれらしく行動して学び続けましょう。

英会話で緊張するとき

Use the phrases you know and keep the conversation going. Fake it till you make it.
知っている表現を使って会話を続けてみて。慣れるまでは、話せるつもりでやってみよう。

気分を行動から変えたいとき

I wasn’t feeling positive, but I acted cheerful. I guess I was faking it till I made it.
前向きな気分ではなかったけれど、明るく振る舞いました。気持ちが追いつくまで、先にそう振る舞っていたのだと思います。

この表現は「嘘をつけ」という意味ではない

Fake it till you make it. は、どんな場面でも使える万能な助言ではありません。次の違いが大切です。

自然な使い方

  • 緊張していても、落ち着いて話す
  • 自信がなくても、姿勢や声を整える
  • 新しい役割に慣れるため、手本をまねる
  • まだ上手でなくても、練習を続ける

避けるべき使い方

  • 持っていない資格や経験があると偽る
  • できない専門業務を、できると言って引き受ける
  • 健康・安全・法律に関わる知識不足を隠す
  • 相手をだましてお金や信用を得る

このフレーズが勧めるのは、行動や態度を練習することです。事実を偽ったり、助けを求めるべき場面で知識不足を隠したりすることではありません。

似た表現との違い

fake it、till、make itの意味を先に行動する・練習を続ける・本当に身につくの流れで示す図

Act as if.

「まるで〜であるかのように行動する」。Act as if you’re confident. のように、どんな状態をまねるのかを後ろに続けます。Fake it till you make it. より説明的です。

Practice makes perfect.

「練習すれば上達する」。繰り返し練習することに焦点があります。Fake it till you make it. は、まだ内面や実力が追いついていなくても、望ましい行動を先に取る点が中心です。

Pretend you’re confident.

「自信があるふりをして」。意味は分かりやすいですが、pretend は単にふりをすることにも使います。成長するまで続けるという到達点は含まれません。

Believe in yourself.

「自分を信じて」。気持ちを励ます表現です。具体的にどう行動するかより、自己信頼に焦点があります。

Learn as you go.

「やりながら覚える」。実践の中で学ぶ点は近いですが、できるように振る舞うというニュアンスはありません。

自然な会話例

A: I’ve never given a presentation in English.
英語でプレゼンをしたことがありません。

B: Prepare your first few lines and fake it till you make it.
最初の数行を準備して、慣れるまでは自信があるようにやってみて。


A: You looked so calm during the interview.
面接中、とても落ち着いて見えたよ。

B: I was terrified. I just faked it till I made it.
本当はすごく怖かったよ。落ち着けるようになるまで、落ち着いているふりをしただけ。


A: Do you really feel ready to manage the team?
本当にチームを管理する準備ができていると思う?

B: Not completely, but I’m learning. Sometimes it’s fake it till you make it.
完全には。でも学んでいます。ときには、できるようになるまでまずやってみるしかありません。

よくある間違い

Fake until you make. としない

定型表現では、fakemake の両方に目的語の it が必要です。

× Fake until you make.
○ Fake it till you make it.

till を「耕す」と解釈しない

till には「耕す」という別の動詞もありますが、ここでは until と同じ「〜まで」です。

いつでも相手への命令にしない

命令形なので、悩んでいる相手に強く言うと、「弱さを隠せ」と突き放して聞こえる場合があります。やわらかく言うなら、次のように前置きできます。

  • Sometimes it helps to fake it till you make it.
    ときには、先にそれらしく振る舞うのも役立ちます。
  • Maybe you can fake it till you make it.
    慣れるまでは、できるつもりでやってみてもいいかも。

Fake it till you make it. と言われたときの返し方

  • I’ll try. — やってみます
  • That’s good advice. — いいアドバイスですね
  • I guess you’re right. — そうかもしれませんね
  • Easier said than done! — 言うは易し、ですね
  • I’ll do my best. — ベストを尽くします

しゅみすけ(大山俊輔)

英会話なら「流暢なふり」をする必要はありません。知っている短い英語を口に出し、分からないときは聞き返す。その実践を続けることが make it につながります。

この表現を知らなかったら?

Fake it till you make it. が出てこなくても、基本的な動詞を使って考え方を伝えられます。

  • Act confident.
    自信があるように振る舞って。
  • Keep practicing.
    練習を続けて。
  • Try it and learn.
    やってみて、学ぼう。
  • You will get better.
    上手になりますよ。
  • Do it even if you feel nervous.
    緊張していてもやってみて。
  • Learn as you go.
    やりながら覚えて。

初心者なら、まず Keep practicing. You will get better. と言えば、「続ければ上達する」という前向きな意味を簡単に伝えられます。

まとめ

Fake it till you make it. は、「本当にできるようになるまで、できるふりをして行動する」という励ましの完成フレーズです。

  • fake it — 先にそれらしく振る舞う
  • till — 〜まで。untilでもよい
  • make it — うまくやる・目指す状態に到達する

事実を偽ることではなく、実力や自信が追いつくまで望ましい行動を練習する、という範囲で使いましょう。表現が出てこないときは、Keep practicing. You will get better. でも十分に伝わります。

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この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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