keep the wolf from the doorの意味は?直訳から分かる「何とか食べていく」の使い方

keep the wolf from the doorの意味・使い方・ニュアンスを解説するアイキャッチ画像

keep the wolf from the door は、「食べて生活できるだけのお金を何とか確保する」「飢えや深刻な困窮を免れる」という意味の英語イディオムです。

直訳すると「狼を戸口から遠ざける」。実際の狼の話ではなく、狼を飢え・貧困・差し迫った生活苦の象徴として捉えると、意味がつながります。余裕のある暮らしではなく、「とりあえず必要最低限は守れている」というニュアンスが大切です。

keep the wolf from the doorの意味

基本的な意味は次のとおりです。

  • 食べていけるだけのお金を確保する
  • 飢えや困窮を免れる
  • 最低限の生活を何とか維持する

Cambridge Dictionaryでは「食べて生活するのにちょうど足りるだけのお金があること」、Collins Dictionaryでは「自分や家族に食料などの必需品を用意できること」と説明されています。つまり、単に「お金を稼ぐ」ではなく、生活が崩れる一歩手前で必要なものを確保する感覚です。

That part-time job helps keep the wolf from the door.
そのアルバイトのおかげで、何とか食べていけます。

The small pension keeps the wolf from the door, but there is little left for anything else.
そのわずかな年金で最低限の生活はできますが、ほかのことに使えるお金はほとんど残りません。

しゅみすけ(大山俊輔)

「生活できている」とはいっても、余裕たっぷりという意味ではありません。「食費や家賃など、まず必要なものを何とか払えている」という切迫感を含む表現です。

直訳「狼を戸口から遠ざける」からニュアンスを理解しよう

家の外に、空腹や貧困を表す狼がいると想像してください。戸口まで入られたら、暮らしが立ち行かなくなります。そこで食料や家賃を確保し、狼を外にとどめておく――このイメージが keep the wolf from the door です。

keep the wolf from the doorの直訳「狼を戸口から遠ざける」と「困窮を避けて何とか生活する」の対比

語の働きを分けると、さらに覚えやすくなります。

  • keep A from B:AをBから遠ざけておく、AがBに至らないようにする
  • the wolf:飢えや貧困など、暮らしを脅かすもの
  • the door:自分や家族の生活を守る境界

したがって、直訳の「狼を戸口から遠ざけておく」が、「飢えや困窮が生活に入り込まないよう、必要最低限のお金を確保する」という実際の意味になります。

よく使われる形と文法

keep the wolf from the door

主語には、人だけでなく、仕事・収入・貯金・年金など「生活を支えるもの」も置けます。

I took a second job to keep the wolf from the door.
食べていくために副業を始めました。

Her freelance work kept the wolf from the door during a difficult year.
大変な一年、彼女はフリーランスの仕事で何とか生活をつなぎました。

keep the wolf from our/their door

the doorの前に所有格を置き、「私たちの生活」「彼らの家庭」を具体的に示すこともあります。ただし、定型的には the door の形がよく使われます。

We sold a few things online to keep the wolf from our door.
私たちは生活をしのぐため、いくつかの物をネットで売りました。

keep the wolves from the door

wolfを複数形のwolvesにする用例もあります。複数の請求や金銭的な圧力が迫るイメージを出せますが、まずは単数形の定型表現を覚えれば十分です。

A short-term loan kept the wolves from the door for another month.
短期の借り入れで、もう1か月は差し迫った支払いをしのげました。

日常・仕事で使える自然な例文

仕事・副業

The café job does not pay much, but it keeps the wolf from the door.
カフェの仕事は高給ではありませんが、何とか食べてはいけます。

He accepted small design projects just to keep the wolf from the door.
彼は生活をつなぐためだけに、小さなデザイン案件を引き受けました。

家庭・暮らし

Our emergency savings kept the wolf from the door after I lost my job.
私が失職したあと、緊急用の貯金のおかげで最低限の生活を維持できました。

She carefully budgets every month to keep the wolf from the door.
彼女は生活に困らないよう、毎月慎重に家計を管理しています。

学生生活

I tutored two evenings a week to keep the wolf from the door.
生活費を何とか賄うため、週2回の夜に家庭教師をしていました。

会話

A: Is the new job going well?
A:新しい仕事はうまくいってる?

B: It is not my dream job, but it keeps the wolf from the door.
B:理想の仕事ではないけれど、食べてはいけるよ。

make ends meet・live from hand to mouth・get byとの違い

表現 中心の意味 ニュアンス
keep the wolf from the door 飢えや困窮を免れる 生活を脅かすものを何とか外にとどめる比喩
make ends meet 収入の範囲で収支を合わせる 入ってくるお金と出ていくお金をやりくりする点に注目
live from hand to mouth その日暮らしをする 貯蓄や先の余裕がなく、得たものをすぐ生活に使う状態
get by 何とかやっていく お金に限らず、能力・知識・物の不足にも広く使える

We can make ends meet if we cut a few expenses.
出費を少し削れば、収支を合わせられます。

They live from hand to mouth and cannot save anything.
彼らはその日暮らしで、まったく貯金ができません。

I can get by with my basic Spanish.
基本的なスペイン語だけでも何とかやっていけます。

「その日暮らし」の状態そのものを詳しく知りたい方は、live from hand to mouthの意味と使い方も参考にしてください。

日本人が間違えやすいポイント

本物の狼を追い払う意味ではない

イディオムとして使う場合、wolfは生活苦の象徴です。本当に動物を家から遠ざけるなら、文脈に応じて keep wolves away from the house のように直接表現します。

「裕福に暮らす」と訳さない

この表現が示すのは、ぜいたくではなく最低限の安定です。live comfortably(快適に暮らす)とは意味が違います。

人を目的語に挟まない

keep someone the wolf from the door とは言いません。「その仕事が彼の生活を支えた」なら、次のように表します。

That job helped him keep the wolf from the door.
その仕事のおかげで、彼は何とか生活できました。

しゅみすけ(大山俊輔)

会話でこのイディオムがすぐ出てこなくても大丈夫です。まずは「基本的な物を買えるだけのお金がある」と直接言えば、同じ状況を十分伝えられます。

簡単な英語での言い換え(しゅみすけ式)

覚えたてのイディオムを無理に使う必要はありません。次のような中学英語中心の文で言い換えられます。

  • earn enough to live:生活できるだけ稼ぐ
  • have enough money for basic needs:生活必需品に足りるお金がある
  • make enough money to buy food and pay the rent:食料を買い、家賃を払えるだけ稼ぐ
  • avoid serious money problems:深刻なお金の問題を避ける

This job gives me enough money for food and rent.
この仕事で、食費と家賃に必要なお金は得られます。

これは This job keeps the wolf from the door. とほぼ同じ状況を、比喩を使わずに説明した文です。

keep the wolf from the doorはどんな場面で自然?

収入、仕事、年金、貯金、援助などについて、「十分ではないが最低限の暮らしは守れる」と話す場面に合います。比喩のある印象的な表現なので、日常会話だけでなく記事や物語でも見かけます。一方、金額や予算を正確に伝えるビジネス文書では、cover basic living expenses(基本的な生活費を賄う)のような直接的な表現のほうが明確です。

まとめ

keep the wolf from the door は、「食べていけるだけのお金を確保する」「飢えや困窮を免れる」という意味です。

  • 直訳は「狼を戸口から遠ざける」
  • wolfは飢えや貧困、doorは守るべき生活の境界
  • 豊かな暮らしではなく、必要最低限を何とか守るニュアンス
  • 仕事・収入・貯金などを主語にできる
  • 簡単には have enough money for basic needs と言い換えられる

「狼を倒す」のではなく、「戸口の外にとどめて今日の暮らしを守る」。この直訳イメージを持つと、実際のニュアンスまで思い出しやすくなります。

ほかの表現もまとめて探したい方は、英熟語・定型表現の親記事と、英熟語・イディオム一覧をご覧ください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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