
英語のおとぎ話で聞くOnce upon a time, …。日本語では「昔々、あるところに」と訳されますが、なぜonceとuponでこの意味になるのでしょうか。
once upon a timeは、具体的な年月を示さず、遠い昔の物語を始める定型句です。there was …やthere lived …を続けると、登場人物や場所を自然に紹介できます。
Once upon a time, there was a kind king.
昔々、あるところに親切な王様がいました。
物語だけでなく、大人の会話で「ずっと昔はね」と冗談めかして使うこともあります。この記事では、基本の意味、語順、a long time ago・used toとの違いまで解説します。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
once upon a timeの意味は「昔々」
once upon a timeは、おとぎ話・昔話・児童向けの物語を始める定番表現です。日本語の「昔々」「昔々、あるところに」に近く、いつの出来事かを正確に示すものではありません。
- Once upon a time, there was a small village.
昔々、あるところに小さな村がありました。 - Once upon a time, a young girl lived near the forest.
昔々、森の近くに若い少女が住んでいました。 - Once upon a time, animals could speak.
昔々、動物たちは話すことができました。
聞き手に「現実の正確な記録ではなく、これから一つの物語を語ります」と知らせる働きがあります。
once・upon・a timeから意味を考える
onceは「あるとき・かつて」、timeは「時」です。uponは現代の日常会話ではonに近い意味を持ちますが、この表現を一語ずつ現代的に直訳する必要はありません。
once upon a time全体で、古くから使われてきた物語の決まり文句です。少し古風で文学的な響きを持つuponが、おとぎ話らしい雰囲気を作っています。
「once=1回」とだけ覚えると意味が取りにくくなります。ここではonce=かつて、あるときと捉えましょう。
基本の語順:there was・there livedを続ける

Once upon a time, there was …
there was / there wereを続けると、登場人物や物を「あるところに〜がいました・ありました」と紹介できます。
- Once upon a time, there was an old farmer.
昔々、あるところに年老いた農夫がいました。 - Once upon a time, there were three sisters.
昔々、あるところに三人の姉妹がいました。
単数ならthere was、複数ならthere wereです。
Once upon a time, there lived …
there lived …は「〜が住んでいました」。普通の会話より物語的で、登場人物の紹介によく合います。
Once upon a time, there lived a princess in a distant land.
昔々、遠い国にあるお姫様が住んでいました。
A princess lived …でも文法的に正しいですが、there lived …は物語の幕が開くような語り口になります。
主語+動詞をそのまま続ける
there構文を使わず、登場人物の行動や世界の設定を直接続けることもできます。
Once upon a time, a fox found a golden key.
昔々、あるキツネが金色の鍵を見つけました。
コンマは必要?大文字は?
文頭では通常、Once upon a time,の後ろにコンマを置きます。文の最初なのでOnceのOは大文字です。
- ○ Once upon a time, there was a castle.
- △ Once upon a time there was a castle.
コンマなしでも意味は通じますが、導入句の区切りを示すコンマを入れると読みやすく、一般的な書き方になります。
物語以外では冗談めいた「ずっと昔」
大人の日常会話では、過去を大げさに物語のように語るユーモアとして使えます。
- Once upon a time, I had free weekends.
昔は、週末に自由な時間があったんだけどね。 - Once upon a time, this neighborhood was quiet.
その昔、この辺りは静かだったんですよ。 - Once upon a time, we wrote letters by hand.
ずっと昔は、手紙を手書きしていたものです。
本当におとぎ話だと言っているのではなく、「今とはずいぶん違った昔」を少し芝居がかった言い方で表します。仕事の正式な報告や、正確な時系列を説明する文章には通常使いません。
once upon a timeとa long time agoの違い
| 表現 | 意味・役割 | 自然な場面 |
|---|---|---|
| once upon a time | 昔々・物語の始まり | おとぎ話、創作、冗談 |
| a long time ago | ずっと前に | 実際の過去の出来事 |
| back then | 当時は | すでに話題に出た過去 |
| used to | 以前は〜していた | 過去の習慣・状態と現在の対比 |
I visited Rome a long time ago.
私はずっと前にローマを訪れました。
Back then, the town had only one hotel.
当時、その町にはホテルが一軒しかありませんでした。
I used to live near the station.
私は以前、駅の近くに住んでいました。
自分の実体験を普通に話すならa long time ago、back then、used toのほうが自然です。
once upon a timeとonce in a whileを混同しない
どちらもonceで始まりますが、意味はまったく異なります。
- once upon a time:昔々、かつて
- once in a while:たまに、時折
Once upon a time, she lived in Paris.
昔々、彼女はパリに住んでいました。
She visits Paris once in a while.
彼女はたまにパリを訪れます。
頻度を表す後者は、once in a whileの意味とsometimesとの違いで詳しく解説しています。
物語で使える関連表現
Long, long ago, …
Long, long ago, …も「ずっとずっと昔」という物語的な書き出しです。日本の昔話を英語で語るときにも使いやすい表現です。
Long, long ago, an old couple lived in a village.
ずっと昔、ある村に老夫婦が住んでいました。
happily ever after
They lived happily ever after.は、物語の結びに使う「二人はいつまでも幸せに暮らしました」です。
They returned home and lived happily ever after.
二人は家へ帰り、いつまでも幸せに暮らしました。
物語の始まりと終わりをセットで覚えると、英語のおとぎ話の型が見えやすくなります。関連する映画表現は、『魔法にかけられて』で学ぶおとぎ話の英語でも確認できます。
短い物語を英語で作ってみよう
難しい単語を使わなくても、基本動詞だけで短い物語を始められます。
Once upon a time, there was a girl named Mia. She lived near a forest. One day, she found a small blue door.
昔々、ミアという少女がいました。彼女は森の近くに住んでいました。ある日、小さな青い扉を見つけました。
最初の一文で人物を紹介し、次に場所、そしてOne day, …で出来事を始めると、シンプルな物語になります。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
uponをa penと聞き間違えない
スペルはuponです。まとまりでonce upon a timeと覚えましょう。
最近の出来事に普通の時間表現として使わない
「先週、一度カフェへ行った」をonce upon a timeで表すことはできません。
- × Once upon a time, I went to the café last week.
- ○ I went to the café once last week.
先週、そのカフェへ一度行きました。
現在形をそのまま続けない
過去の物語を始めるため、通常は過去形を続けます。
- × Once upon a time, there is a king.
- ○ Once upon a time, there was a king.
簡単な英語で言い換える
物語らしさが不要なら、次の基本表現で言い換えられます。
- a long time ago:ずっと前に
- years ago:何年も前に
- back then:当時は
- used to:以前は〜していた
「昔はここに映画館があった」なら、There used to be a movie theater here.が短く自然です。
まとめ
- once upon a timeは「昔々」を表す物語の定型句
- 具体的な時代ではなく、遠い昔の物語が始まる合図
- there was / there wereで登場人物や物を紹介できる
- there lived …は物語的な「〜が住んでいました」
- 日常会話では冗談めいた「ずっと昔」としても使える
- 実際の過去を普通に話すならa long time ago・back then・used toが自然
英熟語や定型表現を続けて確認したい方は、英熟語・定型表現の一覧も活用してください。









