
英語で意見や選択を求められたとき、すぐにどちらかへ決められないことがあります。そんな場面でよく使われるのが sit on the fence です。
直訳は「フェンスの上に座る」ですが、会話で本当に言いたいのは、どちら側にも立たず、決断や態度を保留するということ。買い物のような軽い迷いにも、会議や議論で立場を明らかにしない人にも使えます。ただし、文脈によっては「慎重に考えている」だけでなく、「決断を避けている」という少し批判的な響きも出ます。
Contents
sit on the fenceの基本的な意味
sit on the fence は、二つ以上の選択肢や対立する意見の間で、どちらを支持するか決めない状態を表すイディオムです。
- 決めかねている
- 態度を保留している
- どちらの側にもつかない
- 立場を明らかにするのを避けている
「まだ考え中」という中立的な意味にもなりますが、決断すべき場面で長く態度を示さない人に使うと、「煮え切らない」「逃げている」という含みが生まれます。
I’m still on the fence about moving abroad.
海外へ引っ越すかどうか、まだ決めかねています。
The manager is sitting on the fence instead of choosing a plan.
マネージャーは計画を選ばず、態度を保留しています。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「フェンスに座る」が「態度を決めない」になる?
フェンスは、土地や空間を二つの側に分ける境目です。地面に降りれば右側か左側のどちらかに立つことになりますが、フェンスの上に座っている間は、どちら側にも属していません。
この物理的な光景がそのまま比喩になり、意見Aと意見B、選択肢Aと選択肢Bのどちらにも決めず、境目にとどまっているという意味になりました。

日本語の「態度を保留する」だけを丸暗記するより、フェンスの右にも左にも降りていないという絵を思い浮かべると、買い物・仕事・人間関係など別の場面でも応用しやすくなります。
よく使う形と語順
be on the fence about+名詞・動名詞
日常会話で特に使いやすいのが be on the fence about … です。「〜について決めかねている」という意味になり、aboutの後ろには名詞または動名詞を置きます。
I’m on the fence about this jacket.
このジャケットを買うか、まだ迷っています。
She’s on the fence about accepting the job.
彼女はその仕事を引き受けるか決めかねています。
We’re on the fence about whether to renew the contract.
私たちは契約を更新するかどうか、まだ決めかねています。
sit / be sitting on the fence
sit on the fence は行動・姿勢として「態度を決めない」、be sitting on the fence はその状態が続いている感じを出せます。実際の会話では、状態を短く伝える be on the fence も非常によく使われます。
Don’t sit on the fence forever.
いつまでも態度を決めないままでいないで。
He’s been sitting on the fence since the discussion started.
彼は議論が始まってからずっと態度を決めずにいます。
get off the fence
フェンスから「降りる」と考えた get off the fence は、「態度を決める」「どちらかを選ぶ」という意味です。相手に決断を促すときによく使います。
It’s time to get off the fence and make a decision.
そろそろ態度を決めて、結論を出すときです。
We need you to get off the fence by Friday.
金曜日までには、どちらにするか決めてもらう必要があります。
場面別の自然な例文
買い物
A: Are you going to buy the laptop?
A:そのノートパソコン、買うの?
B: I’m still on the fence. It’s good, but it’s expensive.
B:まだ迷ってる。良いんだけど、高いんだよね。
仕事
Several team members are on the fence about the new schedule.
新しいスケジュールについて、何人かのチームメンバーはまだ態度を決めかねています。
The client can’t sit on the fence much longer because production starts next week.
来週には生産が始まるので、クライアントはこれ以上決断を先延ばしにできません。
恋愛・人間関係
I’m on the fence about going on a second date with him.
彼と2回目のデートに行くか、まだ迷っています。
She refused to take sides and stayed on the fence during their argument.
彼女は二人の口論でどちらの味方もせず、態度を保留しました。
旅行
We’re on the fence between taking the train and renting a car.
電車にするかレンタカーにするか、まだ決めかねています。
学校・学習
I’m on the fence about taking the advanced class next term.
次の学期に上級クラスを取るか迷っています。
ネイティブが感じるニュアンス:慎重さにも、優柔不断にもなる
sit on the fence の評価は、状況と話し手の態度で変わります。
情報が足りないため決断を待つなら、単に「まだ決めていない」という比較的中立な表現です。
I’m on the fence until I see the final price.
最終価格を見るまでは、判断を保留しています。
一方、責任ある立場の人が賛否を求められているのに意見を示さない場合は、「立場を明らかにするのを避けている」という批判になります。
As the project leader, you can’t keep sitting on the fence.
プロジェクトリーダーとして、いつまでも態度を決めずにはいられません。
つまり、この表現は「迷っている」という心の状態だけでなく、どちら側に立つかを表明していない姿勢にも焦点が当たります。
be undecided・be torn・can’t decideとの違い
be undecided:まだ決定していないという事実
be undecided は、決定がまだ下されていないことを比較的客観的に伝えます。sit on the fenceほど「両陣営の間にいる」という比喩や批判的な響きはありません。
I’m undecided about where to stay.
どこに泊まるかまだ決めていません。
be torn between A and B:両方に心を引かれて揺れる
be torn between A and B は、AにもBにも魅力や理由があり、気持ちが引き裂かれるように迷う表現です。sit on the fenceは、感情的な葛藤よりも「どちらにも決めていない立場」に重点があります。
I’m torn between the beach and the mountains.
海と山のどちらも魅力的で、決められません。
can’t decide:簡単で直接的な「決められない」
can’t decide は最も分かりやすく、幅広い場面で使えます。イディオムがすぐ出てこなければ、この形で十分通じます。
I can’t decide which one to buy.
どちらを買うか決められません。
「迷う」の基本表現をまとめて確認したい方は、「迷う」を英語でどう言う?can’t decide・not sure・be tornの使い分けも参考にしてください。
stay neutral:意識して中立を保つ
stay neutral は、対立するどちら側にもつかないという意識的な選択です。決められないとは限りません。sit on the fenceは「決めていない・表明していない」ため、状況によっては優柔不断に聞こえます。
I understand both sides, so I’m staying neutral.
両方の立場が分かるので、私は中立を保ちます。
日本人が間違えやすいポイント
in the fenceではなくon the fence
フェンスの「上」にいるイメージなので、前置詞は on です。in the fence とは言いません。
fenceの前には通常theを置く
イディオムはまとまりとして on the fence と覚えましょう。冠詞を落とした on fence は不自然です。
aboutの後ろは名詞または動名詞
I’m on the fence about buy it. ではなく、I’m on the fence about buying it. とします。aboutは前置詞なので、動詞を続けるなら-ing形です。
「中立」と常に同じではない
公平な立場を意図的に選んでいるなら stay neutral が適切な場合があります。sit on the fenceを使うと、「まだ決められない」「決めるのを避けている」と受け取られることがあります。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐに言える簡単な英語への言い換え
sit on the fence がすぐに出てこなくても、次の基本表現なら同じ状況を十分伝えられます。
- I haven’t decided yet.
まだ決めていません。 - I’m not sure which one to choose.
どちらを選ぶか分かりません。 - I don’t want to choose a side yet.
まだどちらの側にもつきたくありません。 - I need more time.
もう少し時間が必要です。
まず簡単な文で意図を伝えられるようにし、そのあとでsit on the fenceを会話に足していくと、無理なく表現の幅を広げられます。
まとめ
sit on the fence は、「どちら側にも決めず、決断や態度を保留する」という意味です。フェンスが二つの側を分け、その上にいる間はどちらにも属さない、という直訳の絵がそのまま比喩になっています。
- be on the fence about …:〜について決めかねている
- sit on the fence:どちらにも態度を決めない
- get off the fence:態度を決める
- be undecided:未決定という事実を中立的に伝える
- be torn between A and B:両方に引かれて心が揺れる
- stay neutral:意識的に中立を保つ
最初は I’m on the fence about … の形で、買い物や旅行など身近な迷いに使ってみましょう。ほかの英熟語も学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめから関連表現を探せます。











