up for grabsの意味は?「早い者勝ち」との違い・使い方と例文

up for grabsの意味・使い方・違いを解説するアイキャッチ画像

up for grabs は、賞・役職・チャンス・残っている物などが「まだ誰のものとも決まっておらず、獲得できる状態」にあることを表す英語イディオムです。

文脈によって「誰にでもチャンスがある」「まだ勝負は決まっていない」「欲しい人がもらえる」などと訳せます。「早い者勝ち」と訳される場合もありますが、必ずしも到着順で決まるとは限りません。

この記事では、up と grabs から意味をつかむ考え方、よく使われる語順、仕事や日常会話の例文、available・first come, first served・up for sale との違いまで解説します。

up for grabsの意味

up for grabs の中心的な意味は「まだ特定の人に割り当てられておらず、取ろうとする人が獲得できる」です。

  • 賞や優勝:誰が獲得するかまだ決まっていない
  • 役職や契約:候補者にチャンスがある
  • 残り物や無料の品:欲しい人がもらえる
  • 市場や顧客:どの会社が獲得するか決まっていない

The championship is still up for grabs.

優勝の行方はまだ決まっていません。

There are two free tickets up for grabs.

無料チケットが2枚あり、獲得できるチャンスがあります。

「何でも自由につかんでよい」という無秩序な表現ではなく、所有者・勝者・担当者などが未確定だという点が大切です。

しゅみすけ(大山俊輔)

「まだ誰のものでもないので、あなたにもチャンスがある」と考えると分かりやすい表現です。物だけでなく、賞や役職にも自然に使えます。

なぜ「up for grabs」でこの意味になる?

grab は「さっとつかむ・手に入れる」という動詞です。名詞の grabs を含む up for grabs は、直感的には「つかみ取れる候補として出ている」というイメージになります。

ここでの up for は「~の対象になっている・~に提供されている」という状態を作ります。誰かに確定していない賞や役職が、獲得の対象として表に出ている。そのため「誰にでも獲得の可能性がある」という意味につながります。

賞・役職・残り1つがまだ誰のものでもないup for grabsのイメージ図解

なお、この表現はひとかたまりのイディオムです。通常は grab を単数形にしたり、grabs の後ろに目的語を置いたりしません。

基本の語順とよく使う形

A is up for grabs:Aは獲得可能である

基本形は A + be動詞 + up for grabs です。Aには prize、position、contract、seat、title などが入ります。

The manager’s position is up for grabs.

マネージャーの役職はまだ誰が就くか決まっていません。

The last slice of pizza is up for grabs.

最後のピザ一切れは、欲しい人が食べていいですよ。

A is still up for grabs:Aはまだ決まっていない

still を入れると「現時点でもまだ決着していない」というニュアンスが強まります。スポーツ、選挙、競争、社内選考などで非常によく使われます。

With three games left, the league title is still up for grabs.

残り3試合なので、リーグ優勝はまだどのチームにも可能性があります。

The contract is still up for grabs.

その契約をどの会社が取るかは、まだ決まっていません。

There is / are A up for grabs:獲得できるAがある

賞品、チケット、無料の商品などの存在を知らせるときは、There is / are + A + up for grabs が便利です。

There’s a $100 gift card up for grabs.

100ドル分のギフトカードが賞品として用意されています。

There are five scholarships up for grabs this year.

今年は獲得可能な奨学金枠が5つあります。

put A up for grabs:Aを獲得可能な状態にする

put A up for grabs は、物や賞などを「希望者が獲得できるように出す」という意味です。

We’re putting two concert tickets up for grabs.

コンサートチケット2枚をプレゼントとして提供します。

ただし、日常会話では give away や offer を使ったほうが直接的な場面もあります。

場面別の自然な例文

仕事・社内の役職

The team leader position will be up for grabs next month.

来月、チームリーダーの役職が空き、候補者にチャンスがあります。

Now that Lisa is leaving, her corner office may be up for grabs.

リサが退職するので、彼女の角部屋のオフィスは誰かが使えるようになるかもしれません。

No one has been selected yet, so the promotion is still up for grabs.

まだ誰も選ばれていないので、昇進のチャンスは残っています。

スポーツ・コンテスト

First place is up for grabs in the final round.

最終ラウンドでは、誰にでも優勝の可能性があります。

All three teams can still win, so the trophy is up for grabs.

3チームすべてにまだ勝つ可能性があるので、トロフィーの行方は決まっていません。

A trip to Hawaii is up for grabs in this contest.

このコンテストではハワイ旅行が賞品として用意されています。

家庭・友人同士

These books are up for grabs if anyone wants them.

欲しい人がいれば、この本は自由に持っていっていいですよ。

The spare room is up for grabs, but you two need to decide who gets it.

空いている部屋はどちらかが使えますが、2人で誰が使うか決めてください。

There’s one cookie left, and it’s up for grabs.

クッキーが1枚残っていて、欲しい人が食べていいですよ。

キャンペーン・SNS

We have three signed posters up for grabs.

サイン入りポスターを3枚プレゼントします。

Enter by Friday for a chance to win—ten prizes are up for grabs.

金曜日までに応募してください。10個の賞品が用意されています。

キャンペーンでは「無料でもらえる」ではなく、応募や抽選で獲得する賞品にも使われます。

up for grabsは「早い者勝ち」なの?

日本語訳として「早い者勝ち」が使われることはあります。しかし、up for grabs 自体は獲得者がまだ決まっていないことを表し、決定方法までは指定しません。

次のように、応募者の中から抽選で選ぶ場合でも使えます。

A new laptop is up for grabs. Enter online for a chance to win.

新しいノートパソコンが賞品です。オンラインで応募すると当選のチャンスがあります。

一方、本当に到着順なら first come, first served を使います。

The free samples are available on a first-come, first-served basis.

無料サンプルは先着順です。

  • up for grabs:誰が獲得するか未定
  • first come, first served:先に来た人から獲得

残り物を友人に見せて “It’s up for grabs.” と言う場面では、結果的に早く手を挙げた人がもらうこともあります。その文脈から「早い者勝ち」と訳せるだけで、表現そのものが厳密な先着順を意味するわけではありません。

似た表現との違い

availableとの違い

available は「利用できる・入手できる・空いている」という中立的で幅広い語です。

  • The room is available.:その部屋は空いています。
  • The room is up for grabs.:その部屋はまだ誰に割り当てるか決まっておらず、希望者が取れます。

available は競争や獲得の要素を含みません。up for grabs には「複数の人にチャンスがある」「誰のものになるか未確定」という感覚があります。

on offerとの違い

on offer は「提供されている・売り出されている」という意味です。特にイギリス英語では、割引販売中という意味にもなります。

  • Several courses are on offer.:複数の講座が提供されています。
  • Several prizes are up for grabs.:複数の賞品を獲得できるチャンスがあります。

提供内容を事務的に伝えるなら on offer、競争・応募・希望によって獲得できることを強調するなら up for grabs が自然です。

up for saleとの違い

up for sale は「売りに出されている」です。代金を払って購入する対象を表します。

  • The house is up for sale.:その家は売りに出されています。
  • The prize is up for grabs.:その賞は誰にでも獲得の可能性があります。

up for grabs を「販売中」という意味では使いません。

anyone’s gameとの違い

It’s anyone’s game. は、試合や競争について「まだ誰が勝つか分からない・どちらにも勝機がある」と言う表現です。

  • The title is still up for grabs.:タイトルの獲得者はまだ決まっていません。
  • It’s still anyone’s game.:勝負はまだどちらに転ぶか分かりません。

up for grabs は獲得対象を主語にでき、anyone’s game は競争全体の状況を表します。

日本人が間違えやすいポイント

人を主語にして「つかみに行く」と考えない

up for grabs は、基本的に獲得される側を主語にします。

  • ○ The prize is up for grabs.
  • × I am up for grabs to get the prize.

「賞を狙っている」と言いたいなら、I’m going for the prize. や I’m trying to win the prize. と言えます。

grabsは複数形のまま使う

定型表現なので、通常は up for grabs と複数形です。up for grab や up to grabs にはしません。

深刻な争奪を表すとは限らない

grab には強くつかむイメージがありますが、up for grabs はカジュアルな日常会話やキャンペーンでも使われます。必ずしも人々が激しく奪い合う場面ではありません。

しゅみすけ(大山俊輔)

「賞品がある」と言うだけなら prize is available でも通じます。up for grabs を使うと、「誰が手にするか楽しみ」という競争やチャンスの空気を加えられます。

すぐ出てこないときの簡単な言い換え

up for grabs が思い出せなくても、意味を直接説明すれば十分通じます。

  • Anyone can have it.(誰でももらえます)
  • Anyone can apply.(誰でも応募できます)
  • No one has won it yet.(まだ誰も獲得していません)
  • It hasn’t been decided yet.(まだ決まっていません)
  • You still have a chance.(あなたにもまだチャンスがあります)
  • It’s free if you want it.(欲しければ無料でどうぞ)

役職なら “No one has been chosen yet.”、スポーツなら “Anyone can still win.” と場面に合わせると自然です。

よく使う関連フレーズ

  • still up for grabs:まだ獲得者が決まっていない
  • prizes up for grabs:獲得可能な賞品
  • a position up for grabs:候補者が狙える役職
  • a contract up for grabs:受注先が未決定の契約
  • put A up for grabs:Aを獲得可能なものとして出す

Several major clients are up for grabs in this new market.

この新市場では、複数の大口顧客をどの会社が獲得するか決まっていません。

Whoever solves the puzzle first gets the prize that’s up for grabs.

最初にパズルを解いた人が、用意されている賞品を獲得します。

まとめ

up for grabs は「まだ誰のものとも決まっておらず、獲得できる状態」を表します。

  • A is up for grabs:Aは獲得可能である
  • A is still up for grabs:Aの獲得者はまだ決まっていない
  • There are prizes up for grabs:獲得できる賞品がある
  • 必ずしも「先着順」ではない

賞、優勝、役職、契約、残り物など、まだ所有者や勝者が確定していないものに使いましょう。ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめも参考にしてください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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