
会議で自分が提案しようとしていた内容を、同僚が先にそっくりそのまま言った。友人が、自分の感想をまるで代弁するように口にした——。そんな瞬間に使えるのが、You took the words right out of my mouth.です。
自然な日本語では、「まさに私が言おうとしていたことを言ってくれた」「今、同じことを言おうとしてた」となります。長い表現ですが、単語を順にたどると情景がそのまま見えてきます。この記事では語順、rightの役割、自然な場面、似た表現との違い、返し方まで独自例文で解説します。
Contents
You took the words right out of my mouth.の意味
You took the words right out of my mouth.は、相手が自分の言おうとしていた内容を先に言ったときの表現です。
- まさに私が言おうとしていたことを言ってくれた。
- 今、同じことを言おうとしてた。
- 私の言いたいことを代弁してくれた。
A: I think we should make the first slide simpler.
「最初のスライドをもっとシンプルにしたほうがいいと思います。」B: You took the words right out of my mouth.
「まさに私もそう言おうとしていました。」
単なる賛成よりも、相手が言う前から自分の中にも同じ言葉があった、という一致を表します。たいていは好意的で、「気が合うね」「うまく代弁してくれた」という満足感があります。
しゅみすけ(大山俊輔)
直訳から意味を理解する
文を部品に分けると、比喩の仕組みが分かります。
- You=あなたが
- took=取った
- the words=その言葉を
- right out of=まさに〜の中から
- my mouth=私の口
直訳は「あなたは、その言葉をまさに私の口から取り出した」です。自分の口から出る直前だった言葉を相手が先に取り出したような情景から、「私が言おうとしたことを先に言った」になります。
実際に言葉を盗んだという意味ではありません。二人の考えや表現がぴったり一致したことを、少し大げさに描くイディオムです。
語順を確認しよう
基本の語順は次のとおりです。
You + took + the words + right out of + my mouth.
take A out of Bは「AをBの中から取り出す」という形です。
- A=the words(言葉)
- B=my mouth(私の口)
この骨格の中に、強調のrightが入っています。日本語の語順につられてtook out the words of my mouthとしないようにしましょう。
rightは「右」ではなく強調
ここでのrightは方向の「右」ではありません。場所やタイミングを強く限定する「まさに・ちょうど」です。
It was right in front of me.
「それはまさに私の目の前にありました。」She called right after lunch.
「彼女は昼食のすぐ後に電話してきました。」
right out of my mouthは、「私の口からまさに直接」と、言葉が出る寸前だった感覚を強めます。
rightなしでも使える?
You took the words out of my mouth.とrightを省いても意味は通じ、実際に使われます。ただし、定型表現としてはright入りが非常に一般的です。
- rightあり:まさにその言葉だった、という一致を強調
- rightなし:同じ意味だが、強調が少し弱い
まずはまとまりでYou took the words right out of my mouth.と覚えるのがおすすめです。
なぜtookと過去形になる?
相手が今まさに言った発言を受けて、「先に言われた」と振り返るため、takeの過去形tookを使います。
You take the words right out of my mouth.という現在形は、同じことが繰り返される一般的な傾向を表す特殊な文脈を除き、この定番の返答としては不自然です。
場面別の自然な例文
仕事の会議
A: Let’s delay the launch until the app is stable.
「アプリが安定するまで公開を延期しましょう。」B: You took the words right out of my mouth.
「私もまさにそれを提案しようとしていました。」
映画の感想
A: The ending was beautiful, but the middle felt too long.
「結末はきれいだったけど、中盤は長すぎる感じがした。」B: You took the words right out of my mouth.
「まさに同じ感想を言おうとしてた。」
旅行の計画
A: Why don’t we take the early train and avoid the crowds?
「早い電車に乗って混雑を避けない?」B: You took the words right out of my mouth.
「ちょうどそれを言おうとしてたよ。」
恋愛・人間関係
A: I think we both need some time to ourselves.
「私たち二人とも、一人で過ごす時間が必要だと思う。」B: You took the words right out of my mouth.
「私もまさにそう言おうと思ってた。」
家族の会話
A: It’s too hot to cook. Let’s order something.
「暑すぎて料理できないよ。何か頼もう。」B: You took the words right out of my mouth!
「それ、今まさに言おうとしてた!」
You read my mind.との違い
You read my mind.は「私の考え・希望を読み取ったみたい」という表現です。相手が同じ提案をした場合だけでなく、自分の欲しかった物を用意した場合にも使えます。
- You took the words right out of my mouth.:自分が口にしようとしていた言葉・発言が同じ
- You read my mind.:自分の考え・希望・好みを相手が当てた
A: I brought you an iced coffee.
「アイスコーヒーを持ってきたよ。」B: You read my mind!
「ちょうど欲しかった!よく分かったね。」
この場面では相手が何かを「言った」のではないため、You took the words right out of my mouth.よりYou read my mind.が自然です。詳しくは「You read my mind.の意味と使い方」で確認できます。
You said it.との違い
You said it.は「まさにその通り」と強く同意する表現です。相手が話す前から自分も同じ言葉を言おうとしていた必要はありません。
- You took the words right out of my mouth.:自分も先に同じことを言おうとしていた
- You said it.:相手の意見を聞いて、強く同意する
A: This meeting could have been an email.
「この会議、メールで済んだよね。」B: You said it.
「ほんと、その通り。」
詳しくは「You said it.の意味と使い方」も参考になります。

I was just about to say that.との違い
I was just about to say that.は「ちょうどそれを言おうとしていました」と、同じ状況を直接説明する表現です。
- You took the words right out of my mouth.:比喩的で、驚きや親しみがある
- I was just about to say that.:意味を直接伝え、仕事でも使いやすい
イディオムがすぐに出ないときは、後者で十分自然に伝わります。
言われたときの自然な返し方
相手からこの表現を言われたら、考えが一致したことを喜ぶ返答が自然です。
Great minds think alike.
「気が合うね。」I’m glad we agree.
「意見が一致してよかった。」Exactly. We’re on the same page.
「そうだね。認識が同じだね。」Then let’s do it.
「じゃあ、そうしよう。」
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
- I was just about to say that.
「ちょうどそれを言おうとしていました。」 - That’s exactly what I was thinking.
「まさに私が考えていたことです。」 - I was thinking the same thing.
「私も同じことを考えていました。」 - That’s exactly how I feel.
「まさに私もそう感じています。」
日本人学習者にはI was thinking the same thing.が短く、場面を選びにくい言い換えです。
日本人が間違えやすいポイント
rightを「右」と訳さない
ここでは「まさに・直接」という強調です。方向とは関係ありません。
out of my mouseと書かない
mouthは「口」、mouseは「ネズミ」です。語末の音とつづりに注意しましょう。
単なるI agree.の代わりにしない
相手の意見を聞いて初めて賛成しただけなら、I agree.やYou said it.が自然です。自分も言おうとしていたという一致があるときに使います。
まとめ
You took the words right out of my mouth.は、「まさに私が言おうとしていたことを先に言ってくれた」という表現です。
take A out of Bの骨格は「AをBから取り出す」。そこにrightが「まさに」という強調を加え、自分の口から出る寸前だった言葉を相手が取り出したようなイメージになります。
発言そのものが同じならこの表現、考えや希望を当てられたならYou read my mind.、聞いた意見に強く同意するならYou said it.と使い分けましょう。
ほかの会話表現は「英熟語・定型表現の専門記事一覧」から確認できます。









