ニコラ・テスラの英語の名言7選|未来・発明・想像力を語る言葉

19世紀末の研究室でテスラコイルの実験を行うニコラ・テスラのイメージ

交流電流システム、誘導モーター、テスラコイル。ニコラ・テスラ(Nikola Tesla)は、まだ形になっていない未来を頭の中で動かし、それを現実の装置へ変えた発明家です。

インターネットでは神秘的な言葉も数多くテスラ名義で流通していますが、本人の著作や当時の掲載資料まで遡れる言葉は、それ以上に面白く、具体的です。

この記事では、出典を確認できるニコラ・テスラの英語の名言を7つ厳選し、日本語訳、背景、単語・文法、発音と英会話への応用を初心者向けに解説します。

ニコラ・テスラとは?

ニコラ・テスラ(1856–1943)は、現在のクロアチアにあたる地域で生まれたセルビア系の発明家・電気技術者です。1884年に渡米し、交流電流(AC)の多相システムや誘導モーターの開発で、現代の電力供給に大きな影響を与えました。

高周波・高電圧の研究、無線通信、遠隔操作にも取り組み、1898年には無線で操縦する船を公開しました。ニューヨーク州ロングアイランドのウォーデンクリフでは、世界規模の無線通信と電力伝送を構想しましたが、資金難などにより完成には至っていません。

彼には時代を先取りした構想がある一方、実現しなかった計画や、後年の大胆な主張もあります。実像を知るには「孤高の天才」という伝説だけでなく、本人が何を書き、何を実際に成し遂げたかを分けて見ることが大切です。

ニコラ・テスラの英語の名言7選

1.発明は人類の発展を支える

The progressive development of man is vitally dependent on invention.

人類の進歩的な発展は、発明に決定的に依存している。

My Inventions(1919)

テスラは自伝の冒頭で、発明を人間の創造的な頭脳が生み出す最も重要な成果と位置づけました。発明の目的は自然の力を人間の必要に役立てることだと続けています。

be dependent on … は「〜に依存している」「〜次第である」。vitally は単なる「とても」ではなく、「極めて重要な形で」という強さを加えます。

Our success is dependent on teamwork.

私たちの成功はチームワークにかかっています。

2.アイデアを頭の中で組み立てる

When I get an idea, I start at once building it up in my imagination.

アイデアが浮かぶと、私はすぐに想像の中でそれを組み立て始める。

My Inventions(1919)

テスラは、粗いアイデアをすぐ実物にするのではなく、頭の中で構造を変え、改善し、装置を動かしたと書いています。想像力は彼にとって空想ではなく、設計と検証の作業場でした。

get an idea は「アイデアを得る」「アイデアが浮かぶ」。at once は「すぐに」、build up はここでは「少しずつ組み立てる・発展させる」です。

頭の中で発明装置を組み立てるニコラ・テスラの思考法を表したイメージ

3.装置を心の中で動かす

I change the construction, make improvements, and operate the device in my mind.

私は構造を変え、改良を加え、心の中でその装置を動かす。

My Inventions(1919)

changemakeoperate という3つの動詞が並ぶ文です。同じ主語 I を繰り返さず、動作をテンポよく列挙しています。

make improvements は「改善する」、operate a device は「装置を操作する・動かす」。in my mind は「私の考えでは」ではなく、この文脈では「頭の中で」です。

4.直感は知識を超えることがある

Instinct is something which transcends knowledge.

直感とは、知識を超越するものだ。

My Inventions(1919)

学生時代、整流子なしでモーターを動かす案を教授に「不可能」と否定された場面で語られる言葉です。テスラは論理を捨てたのではなく、まだ論証できない段階でも、可能性を感じ取る力があると述べています。

something which … は「〜する何か・もの」。which 以下が something を説明しています。transcend は「〜を超越する」で、日常語の go beyond より硬い表現です。

5.今ではなく未来のために働く

The present is theirs; the future, for which I really worked, is mine.

現在は彼らのものだ。だが、私が本当にそのために働いた未来は、私のものだ。

— “The Transmission of Electrical Energy Without Wires As a Means for Furthering Peace”(1905)

自分の仕事が正当に評価されていないと感じていたテスラが、未来に判断を委ねた一節です。短い成功宣言というより、長期的な仕事を続けた人の矜持が表れています。

for which I really worked は関係代名詞のまとまりで、先行詞は the future。元の形は I really worked for the future. です。前置詞 for が関係代名詞 which の前に移動した、書き言葉らしい形です。

6.長所と欠点は切り離せない

Our virtues and our failings are inseparable, like force and matter.

私たちの美点と欠点は、力と物質のように切り離せない。

— “The Problem of Increasing Human Energy”(1900)

人を長所だけ、欠点だけに分解することはできないという言葉です。テスラは科学者らしく、人間の性質を force and matter にたとえました。

virtue は「美徳・長所」、failing はここでは「欠点・弱点」。inseparablein-(〜でない)+separable(分離できる)で「切り離せない」です。

7.自然の力を人類のために役立てる

The desire that guides me in all I do is the desire to harness the forces of nature to the service of mankind.

私のあらゆる行動を導く願いは、自然の力を人類のために役立てることだ。

— “Radio Power Will Revolutionize the World”(1934)

harness は本来、馬に「馬具をつける」という動詞です。そこから、エネルギーや自然の力を「制御して利用する」という意味で使われます。

the desire that guides methat guides methe desire を説明する関係代名詞節。「私を導く願い」です。

特に覚えたい英語表現

  • be dependent on …:〜に依存する、〜次第である
  • get an idea:アイデアが浮かぶ
  • at once:すぐに
  • build up …:〜を組み立てる、発展させる
  • make improvements:改善を加える
  • in one’s mind:頭の中で
  • go beyond …:〜を超える
  • harness …:力・資源などを利用する

発音のポイント

Nikola Tesla は英語では /ˈnɪkələ ˈtɛslə/ に近く、「ニコラ・テスラ」のそれぞれ最初の音節に強勢があります。

invention /ɪnˈvenʃən/ は第2音節の ven を強く読みます。動詞は invent /ɪnˈvent/、人を表す名詞は inventor /ɪnˈventər/ です。

imagination /ɪˌmædʒəˈneɪʃən/ は nay にあたる部分が最も強くなります。長い単語は一音ずつ均等に読まず、強勢の位置を意識すると英語らしく聞こえます。

英会話で使えるテスラ的フレーズ

I have an idea. Let me think it through first.

アイデアがあります。まず最後までよく考えさせてください。

Let’s build on that idea.

そのアイデアをさらに発展させましょう。

It may sound impossible now, but it is worth exploring.

今は不可能に聞こえるかもしれませんが、探究する価値があります。

Our strengths and weaknesses are often connected.

私たちの強みと弱みは、しばしばつながっています。

「3・6・9」の名言はテスラの言葉?

テスラの名言として、If you only knew the magnificence of the 3, 6 and 9, then you would have a key to the universe.(3・6・9の素晴らしさを知れば、宇宙の鍵を手にするだろう)という文が広く流通しています。

しかし、本人の著作・講演・同時代の新聞など、信頼できる一次資料からこの文を確認することは困難です。「アイデアを盗まれたことは気にしない」という有名な一文も、正確な出典が確認できません。

テスラには神秘的な逸話が多いため、本人が実際に書いた言葉と、後世に作られた言葉を区別する必要があります。本記事の7つは、本人の自伝、雑誌記事、インタビューなど出典をたどれるものを選びました。

まとめ

テスラの言葉から見えてくるのは、突然のひらめきだけに頼る天才ではありません。頭の中で構想を組み立て、改善し、長い時間をかけて未来へ形を与えようとした発明家です。

When I get an idea, I start at once building it up in my imagination.

アイデアが浮かぶと、私はすぐに想像の中でそれを組み立て始める。

英語学習でも、覚えた一文を頭の中で場面に置き、相手の反応を想像し、実際に声に出すことで使える表現へ変わります。想像と実践の往復は、テスラの発明だけでなく、言葉を身につける過程にも通じます。

関連する英語の名言

主な出典:Nikola Tesla, My InventionsElectrical Experimenter, 1919)/“The Problem of Increasing Human Energy”(Century Magazine, June 1900)/“The Transmission of Electrical Energy Without Wires As a Means for Furthering Peace”(1905)/“Radio Power Will Revolutionize the World”(1934)。本文と掲載情報はWikisource、Project Gutenberg、Tesla Universe、Smithsonian Magazine等で照合しました。

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