
all the sameは、前に不都合な事情や反対材料が出たあとで、「それでもやはり」「それでもなお」と結論を変えないときに使える表現です。
たとえば、雨が降っていても予定どおり出かけるなら、It’s raining, but I’m going all the same.と言えます。一方、文字どおり「全部同じ」という意味でも使われるため、文脈と語順が大切です。この記事では2つの意味、自然な位置、still・neverthelessとの違いを例文で整理します。
Contents
all the sameの意味は2つ
意味1:「それでもやはり・それにもかかわらず」
前に述べた事情を認めながら、「結論や行動は変わらない」と伝える副詞的な用法です。
The restaurant was crowded, but we enjoyed the evening all the same.
レストランは混んでいましたが、それでも私たちは夜を楽しみました。
I know the trip is expensive. I want to go all the same.
その旅行が高いのは分かっています。それでもやはり行きたいです。
ここでのsameは、事情が変わっても「判断・結果・気持ちは同じまま」という感覚です。
しゅみすけ(大山俊輔)
意味2:「すべて同じ・どれでも同じ」
all+the sameを文字どおり受け取り、「全部同じ」「どれも同じ」という意味になることもあります。
These designs all look the same to me.
これらのデザインは、私にはどれも同じに見えます。
It’s all the same to me.
私にはどちらでも同じです。/私はどちらでも構いません。
It’s all the same to me.は、選択肢への好みがなく「どちらでもいい」と伝える定番表現です。ただし、言い方によっては無関心に聞こえるので、柔らかく言うならEither is fine with me.も使えます。
「それでも」のall the sameはどこに置く?
この用法のall the sameは、文末に置くのが自然で分かりやすい形です。
She didn’t apologize, but I forgave her all the same.
彼女は謝りませんでしたが、それでも私は彼女を許しました。
The job will be difficult. I’m going to accept it all the same.
その仕事は大変でしょう。それでも引き受けるつもりです。
独立した応答として、文頭に置くこともあります。
All the same, I think we should wait.
それでも、私たちは待つべきだと思います。
文頭では少し書き言葉的で、前の発言を受けて反論や留保を示す響きがあります。日常会話ならStill, I think we should wait.のほうが一般的です。
日常・仕事・人間関係で使える例文
日常会話
It was cold, but we had fun all the same.
寒かったけれど、それでも楽しかったです。
I missed the beginning, but I liked the movie all the same.
最初を見逃しましたが、それでもその映画は気に入りました。
仕事
The deadline is tight, but we need to finish the report all the same.
締め切りは厳しいですが、それでも報告書を仕上げる必要があります。
Your concern is understandable. All the same, we cannot change the policy today.
ご懸念は理解できます。それでも、本日この方針を変更することはできません。
恋愛・人間関係
We disagree sometimes, but I care about him all the same.
私たちは時々意見が合いませんが、それでも彼を大切に思っています。
She warned me about him, but I went on the date all the same.
彼女は彼について私に忠告しましたが、それでも私はデートに行きました。
all the same・still・nevertheless・the sameの違い

still:会話で使いやすい「それでも」
stillは短く会話的で、文頭にも文中にも置けます。
It was late, but I still called her.
遅い時間でしたが、それでも彼女に電話しました。
all the sameは、前の事情を受けて「それでも結論は同じ」と少し念を押す響きがあります。迷ったらstillのほうが使いやすいでしょう。
nevertheless:フォーマルな「それにもかかわらず」
neverthelessは文章や改まった説明で使われやすい語です。
The evidence was limited. Nevertheless, the team continued its investigation.
証拠は限られていました。それにもかかわらず、チームは調査を続けました。
詳しいニュアンスは、nonethelessとneverthelessの違いの記事でも確認できます。
the same:「同じ」という比較
the sameは物・人・状態が「同じ」であることを表し、逆接の意味はありません。
We ordered the same dessert.
私たちは同じデザートを注文しました。
all the sameをひとかたまりで「それでも」と使う場合と、all look the sameのようにallが主語側をまとめる場合を区別しましょう。
and yet:予想外の対比を強調
and yetは「そうなのに」と、前後の意外な食い違いを強く見せます。詳しくはand yetの意味と使い方をご覧ください。
日本人が間違えやすいポイント
「どうでもいい」のつもりで強く言わない
It’s all the same to me.は「私はどちらでも構わない」ですが、声の調子によっては「どうでもいい」と突き放して聞こえます。相手に選んでもらうなら、Either one is fine with me.のほうが柔らかい表現です。
sameの前のtheを落とさない
定型表現はall the sameです。逆接の意味でも「全部同じ」の意味でも、通常はtheが必要です。
butと一緒に使ってもよい
but … all the sameは重複ではなく自然な形です。butが対比を作り、all the sameが「それでも結論は変わらない」と念を押します。
出てこないときの簡単な言い換え
all the sameを思い出せなくても、butやstillを使えば十分に伝わります。
- It was raining, but I went.(雨でしたが、行きました)
- I know it’s hard, but I still want to try.(難しいのは分かっていますが、それでも挑戦したいです)
- That doesn’t change my plan.(それで私の予定は変わりません)
- Either one is fine with me.(私はどちらでも大丈夫です)
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ
all the sameには、「それでもやはり」と「すべて同じ」という2つの使い方があります。逆接では、前の事情を認めながらも判断・行動・気持ちは変わらない、というニュアンスです。
会話で手軽に言うならstill、フォーマルな文章ならnevertheless、単純に「同じ」と比較するならthe sameを使います。まずはIt was difficult, but I enjoyed it all the same.のように、butを使う文末の形から覚えると実践しやすいでしょう。
ほかの英熟語も意味・ニュアンス・使い方から学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。









