by virtue of は、「〜によって」「〜のおかげで」「〜という資格・地位・性質を根拠として」という意味の、ややフォーマルな表現です。
単に原因を示す because of と違い、「その人や物が持つ地位・資格・能力・性質が根拠となり、ある権利・結果・状態が生まれる」というニュアンスがあります。
By virtue of her position, she has access to the information. なら、「彼女はその地位にあるため、その情報へアクセスできる」という意味です。
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by virtue ofの意味
基本の形は by virtue of + 名詞 です。文頭にも文中にも置けます。
- By virtue of his experience, he was chosen to lead the team.
彼は経験を買われて、チームを率いる人に選ばれました。 - She has voting rights by virtue of her membership.
彼女は会員であることにより、投票権を持っています。 - The document is protected by virtue of the law.
その文書は法律によって保護されています。
日本語訳は文脈に応じて、「〜によって」「〜であるため」「〜という資格で」「〜を根拠として」などに変わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
virtueは「美徳」ではないの?
virtue は単独では「美徳」「長所」という意味で知られています。しかし by virtue of では、何かに備わっている「力・効力・性質」を根拠にする感覚があります。
たとえば、資格証明書があるから入場できる、役職があるから情報にアクセスできる、経験があるから仕事を任される、といった関係です。
そのため、by virtue of experience を「経験の美徳によって」と直訳するのではなく、「経験があるため」「経験を根拠として」と理解するのが自然です。
よく一緒に使う名詞
by virtue ofの後ろには、結果の根拠となる地位・資格・性質などがよく続きます。
| 種類 | よく使う語 | 意味 |
|---|---|---|
| 地位・役割 | position, status, office | 地位・身分・役職によって |
| 資格・所属 | membership, citizenship, qualification | 会員資格・市民権・資格によって |
| 能力・経験 | experience, expertise, skill | 経験・専門知識・技能があるため |
| 性質・特徴 | nature, size, design | 性質・大きさ・設計上の特徴によって |
| 法律・契約 | law, agreement, contract | 法律・合意・契約を根拠として |
仕事・法律で使う例文
地位や役職を根拠にする
- By virtue of her position, she can approve the budget.
彼女はその役職にあるため、予算を承認できます。 - He became a board member by virtue of his office.
彼はその役職により、取締役会のメンバーになりました。
経験や能力を根拠にする
- She earned the team’s trust by virtue of her expertise.
彼女は専門知識によって、チームの信頼を得ました。 - By virtue of his long experience, he noticed the risk immediately.
長年の経験があったため、彼はすぐにリスクに気づきました。
法律・契約を根拠にする
- The tenant may renew the lease by virtue of this agreement.
借主はこの合意に基づき、賃貸借契約を更新できます。 - These rights are granted by virtue of the law.
これらの権利は法律に基づいて付与されます。
日常会話でも使える?
文法的には日常的な内容にも使えますが、by virtue of はやや硬く、会話では大げさに聞こえることがあります。
- She got in for free because she works there.
彼女はそこで働いているので、無料で入れました。 - She was admitted free of charge by virtue of her employment.
彼女は雇用上の資格により、無料で入場を認められました。
友人との会話ならbecauseやbecause ofが自然です。規則、資格、権利、正式な根拠を説明する場面ではby virtue ofがよく合います。
by virtue ofとbecause ofの違い
| 表現 | 中心となる意味 | 文体 |
|---|---|---|
| by virtue of | 資格・地位・性質などが根拠となる | ややフォーマル |
| because of | 幅広い原因・理由を示す | 会話でも文章でも一般的 |
- The game was canceled because of the rain.
雨のため、試合は中止されました。 - She was eligible by virtue of her citizenship.
彼女は市民権を持つことにより、資格がありました。
雨は出来事の原因ですが、資格や地位ではありません。そのため、通常は by virtue of the rain とは言いません。because ofの詳しい語順は、because ofの意味・becauseとの違いで確認できます。
due to・thanks toとの違い
| 表現 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| by virtue of | 備わった資格・地位・性質を根拠にする | by virtue of her position |
| due to | 原因を客観的に示す。説明文でよく使う | due to a technical problem |
| thanks to | 好ましい結果への感謝。「〜のせいで」という皮肉もある | thanks to your help |
| because of | 最も幅広く使える一般的な原因表現 | because of the weather |
関連する使い分けは、due toとbecause ofの違いや、thanks toの意味と使い方でも解説しています。
語順とカンマ
文頭に置くときは、まとまりの後ろにカンマを置くと読みやすくなります。
- By virtue of her role, she attended the meeting.
彼女はその役割上、会議に出席しました。
文末に置く場合、通常はカンマを置きません。
- She attended the meeting by virtue of her role.
彼女はその役割により、会議に出席しました。
よくある間違い
by the virtue ofとしない
定型表現は通常 by virtue of です。一般的な用法ではvirtueの前にtheを入れません。
後ろには名詞を置く
ofは前置詞なので、動作を続ける場合は動名詞にします。ただし、実際には地位・資格・性質を表す名詞を置く形が特に自然です。
- by virtue of her experience:彼女の経験により
- by virtue of being a member:会員であることにより
「良い結果」だけとは限らない
thanks toと異なり、by virtue ofは必ずしも感謝や好意を含みません。根拠となる事実を比較的中立に示します。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
- because of her position
彼女の地位のため - because she is a member
彼女は会員なので - based on the law
法律に基づいて - thanks to his experience
彼の経験のおかげで
難しい表現が出てこなければ、becauseまたはbecause ofを使えば意味は十分伝わります。
短い会話で使ってみよう
A: Why is Maya joining the confidential meeting?
なぜマヤが機密会議に参加するのですか?
B: By virtue of her new position, she now has access to the project details.
新しい役職に就いたため、今はプロジェクトの詳細へアクセスする権限があるのです。
まとめ:資格・地位・性質が結果の根拠になる
by virtue of は、「〜によって」「〜という資格・地位・性質を根拠として」を表すフォーマルな定型表現です。
- 形は by virtue of + 名詞
- 地位・資格・所属・経験・性質・法律などと相性がよい
- because ofよりも、結果を生む正式な根拠を意識させる
- 会話ではbecauseやbecause ofで簡単に言い換えられる
ほかの英熟語・定型表現は、英熟語・定型表現の一覧から確認できます。
関連:理由・根拠を示す英語表現の使い分け(according to・because of・due to・based on)









