
「返事が一向に来ない」「工事が一向に進まない」「体調が一向に良くならない」。この「一向に」は、単なる「全然」ではなく、時間が経っているのに期待した変化が起きないという気持ちを含みます。
英語では、場面に応じて not at all、still not、show no sign of、make no progress などを使い分けます。まずは全体像を見てみましょう。
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「一向に」の英語表現を早見表で比較

| 英語表現 | 中心のニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| not at all | 程度がまったくゼロ | It didn’t help at all. |
| still not | 時間が経ってもまだ〜ない | He still hasn’t replied. |
| show no sign of | 変化・改善の兆しがない | It shows no sign of improving. |
| make no progress | 作業や計画が進展しない | We’re making no progress. |
not at all:程度が「まったく〜ない」
not … at all は、程度をゼロまで強める表現です。「一向に理解できない」のように、変化よりも「全然わからない・まったく役に立たない」を伝えるときに合います。
I don’t understand it at all.
私はそれが一向に理解できません。
The medicine didn’t help at all.
その薬は一向に効きませんでした。
ただし、時間の経過をはっきり出したいなら still not のほうが自然です。
still not:時間が経っても「まだ〜ない」
still は、予想より長く同じ状態が続いていることを示します。「待っているのに返事が来ない」「何度説明してもわからない」など、日本語の「一向に」に最も近い場面が多い表現です。
He still hasn’t replied to my email.
彼からメールの返事が一向に来ません。
The bus still hasn’t come.
バスが一向に来ません。
Things are still not getting better.
状況は一向に良くなっていません。
show no sign of:変化する兆しがない
show no sign of + 名詞/動名詞 は、「〜する兆しをまったく見せない」という少し客観的な言い方です。天候、景気、症状、問題など、変化や改善を観察している場面でよく使います。
The rain shows no sign of stopping.
雨は一向にやむ気配がありません。
His condition shows no sign of improving.
彼の容体は一向に良くなる兆しがありません。
The problem shows no sign of going away.
その問題は一向になくなる気配がありません。
make no progress:作業・計画が一向に進まない
make progress は「進歩する・進展する」。否定して make no progress とすると、努力しているのに前へ進めていない状況を端的に表せます。
We’re making no progress on the project.
そのプロジェクトは一向に進んでいません。
The negotiations have made little progress.
交渉はほとんど進展していません。
little progress なら「少しは進んだが、ほとんど進んでいない」という控えめな言い方になります。
「一向に」「全然」「まだ」の違い
| 日本語 | 焦点 | 自然な英語 |
|---|---|---|
| 一向に | 時間や努力のわりに変化なし | still not / show no sign of |
| 全然 | 程度がゼロ | not at all |
| まだ | 現時点では未完了 | not yet |
たとえば He hasn’t replied yet. は「まだ返事がない」という中立的な事実です。一方、He still hasn’t replied. は「もう返事が来てもよいのに」という驚きや焦りがにじみます。
初心者はこの2つから覚えよう
まずは、次の2パターンだけで十分です。
- 人・物 + still hasn’t / isn’t …:時間が経ってもまだ〜ない
- 物事 + is making no progress:作業や計画が進まない
She still hasn’t called me.
彼女から一向に電話がありません。
The work is making no progress.
仕事が一向に進んでいません。
よくある間違い
× He doesn’t reply yet.
「今まで返事が来ていない」なら、現在完了を使って He hasn’t replied yet. が自然です。「待っているのに一向に来ない」なら He still hasn’t replied. がぴったりです。
× The rain doesn’t stop at all.
文法的に解釈できても、「雨が一向にやまない」という継続中の状況には The rain won’t stop. や The rain shows no sign of stopping. が自然です。
まとめ
- not at all:程度がまったくゼロ
- still not:時間が経ってもまだ変化しない
- show no sign of:改善・変化の兆しがない
- make no progress:作業や計画が進展しない
「一向に」の核は、そろそろ変わるはずなのに、同じ状態が続いていること。まずは会話で使いやすい still not から試してみてください。
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