
「忙しいと、とかく大切なことを忘れがちだ」「人はとかく他人と比べてしまう」。「とかく」は、あることが起こりやすい、または人がある行動をしがちだという一般的な傾向を表します。多くの場合、少し困った傾向や好ましくないことについて使われます。
英語では tend to が最も使いやすく、悪い状態になりやすいなら be prone to、単に頻度を述べるなら often、残念ながら頻繁に起こるなら all too often が自然です。
Contents
「とかく」は英語で?早見表
| ニュアンス | 英語 | 例 |
|---|---|---|
| 一般的な傾向 | tend to | People tend to compare themselves with others. |
| 悪い状態になりやすい | be prone to | Beginners are prone to this mistake. |
| 頻繁に起こる | often | We often forget what matters. |
| 残念なほど頻繁 | all too often | We all too often judge too quickly. |

tend to:「とかく〜しがち」の基本表現
tend to + 動詞 は、「〜する傾向がある」「〜しがちだ」という意味です。人の行動、物事の性質、状況の傾向まで幅広く使えます。
- People tend to fear change.
人はとかく変化を恐れがちです。 - We tend to compare ourselves with others.
私たちは、とかく自分を他人と比べてしまいます。 - When we’re busy, we tend to forget what really matters.
忙しいと、私たちはとかく本当に大切なことを忘れがちです。 - Children tend to copy what adults do.
子どもはとかく大人のすることをまねする傾向があります。
語順は 主語 + tend to + 動詞の原形 です。tend to forgetting ではなく、tend to forget とします。
be prone to:好ましくないことが起こりやすい
be prone to は、「〜になりやすい」「〜を起こしがちだ」という意味で、ミス、病気、故障、心配など、主に好ましくない傾向に使われます。
- Beginners are prone to making this mistake.
初心者は、とかくこの間違いをしがちです。 - He is prone to worry when things don’t go as planned.
彼は物事が計画どおりに進まないと、とかく心配しがちです。 - This area is prone to flooding.
この地域は洪水が起こりやすいです。 - Old devices are more prone to failure.
古い機器は故障しやすい傾向があります。
be prone to の to は前置詞なので、後ろに動作を置くときは -ing形 にします。prone to make ではなく prone to making です。
often:単に「よく〜する」と頻度を伝える
often は、評価を加えず「よく」「しばしば」と頻度を述べる基本語です。日本語の「とかく」に含まれる「〜しがちなものだ」という一般論を強く出さなくてもよい場合に使えます。
- We often forget to appreciate what we have.
私たちは、とかく今あるものへの感謝を忘れます。 - People often misunderstand silence.
人はとかく沈黙を誤解します。 - I often overthink small decisions.
私はとかく小さな決断を考えすぎます。
often は一般動詞の前、be動詞の後ろが基本です。I often worry.、She is often late. の語順になります。
all too often:困ったことに、あまりにも頻繁に
all too often は、「残念ながら頻繁に」「困ったことによく」という意味です。話し手が、その傾向を問題だと感じていることまで伝わります。
- We all too often judge people by first impressions.
私たちは、とかく第一印象で人を判断してしまいます。 - All too often, small problems are ignored until they become serious.
とかく小さな問題は、深刻になるまで放置されがちです。 - Good advice is all too often forgotten.
良い助言は、とかく忘れられてしまうものです。
文章やスピーチで問題提起をするときに使いやすく、単なる often よりも話し手の残念な気持ちが表れます。
「とかく」と「つい」の違い
| 日本語 | 中心となる意味 | 英語の入口 |
|---|---|---|
| とかく〜しがち | 人や物事の一般的な傾向 | tend to / often |
| つい〜してしまう | 意図せず、その場でしてしまう | can’t help -ing / accidentally |
| やたら〜する | 程度や回数が異常に多い | constantly / excessively |
People tend to compare themselves with others. は「人はとかく他人と比べがちだ」という一般論です。一方、I couldn’t help comparing myself with her. は「私はつい彼女と比べてしまった」という個別の場面です。「つい」の訳し分けは「つい」は英語で?、「やたら」は「やたら」は英語で?で解説しています。
否定文の don’t tend to は「たいてい〜しない」
don’t tend to は「〜する傾向がない」、自然な日本語では「たいてい〜しない」「あまり〜しない」です。
- I don’t tend to work late.
私はあまり遅くまで働きません。 - She doesn’t tend to complain.
彼女はあまり不平を言わないほうです。 - These plants don’t tend to grow well indoors.
これらの植物は室内ではあまりよく育ちません。
tend not to も使えます。People tend not to ask for help. なら「人はとかく助けを求めない傾向がある」です。
初心者向け:簡単な英語ならこう言おう
まずは often と usually を使えば、「とかく」の内容を簡単に伝えられます。
- People often worry about change.
人はとかく変化を心配します。 - We often forget the simple things.
私たちはとかく簡単なことを忘れます。 - This often happens.
これはよく起こります。 - It is easy to make this mistake.
とかくこの間違いをしがちです。 - We usually think too much.
私たちはとかく考えすぎます。
難しい be prone to を無理に使わなくても、It is easy to … や often で自然な会話になります。
よくある間違い
- tend toの後ろを-ing形にする:tend to worry のように動詞の原形を使います。
- be prone toの後ろを動詞の原形にする:こちらの to は前置詞なので、prone to worrying とします。
- いつでもall too oftenを使う:これは残念・批判の気持ちを含みます。中立的な頻度なら often が自然です。
- 「とかく」をanywayと訳す:anyway は「とにかく」「ともかく」で、「〜しがち」という傾向にはなりません。
まとめ:傾向・弱さ・頻度のどれかで選ぼう
- 一般的な傾向 → tend to
- 悪い状態になりやすい → be prone to
- 単に頻度が高い → often
- 残念なほど頻繁 → all too often
「とかく」は、一回の出来事ではなく、繰り返し見られる人や物事の傾向を表します。まずは会話で使いやすい tend to と often を覚え、好ましくない傾向を強調するときに be prone to や all too often を使い分けましょう。
判断・推量・印象にまつわる日本語の訳し分けは、判断・推量・印象を表す日本語は英語で?にまとめています。シリーズ全体は日本語のニュアンス表現を英語でからご覧ください。










