
「読んだ本を元の棚へ戻して」「会議を来週へずらそう」は、日本語ならどちらも難しくありません。しかし英語では、この2つを同じ put back で表せます。さらに、時計の針を戻したり、問題のせいで作業が遅れたりするときにも使われます。
意味が多いように見えますが、共通する感覚は「何かを、今いる位置から後ろ側・元の位置へ動かす」です。この記事では、put backの意味、ニュアンス、語順、自然な例文、put away・push back・set backとの違いまでまとめます。
Contents
put backの意味を最初に整理
put back の中心的な意味は、次の3つです。
- 物を元の場所へ戻す:Put the book back.
- 予定を後ろへずらす・延期する:We put the meeting back to Friday.
- 時計を遅い時刻へ戻す:Remember to put the clocks back.
文脈によっては「進行を遅らせる」という意味にもなります。たとえば The mistake put us back two days. なら「そのミスで私たちは2日遅れた」です。

しゅみすけ(大山俊輔)
put+backから意味の仕組みを理解する
put は「ある場所・状態に置く」、back は「後ろへ」「元へ」「戻って」という方向を表します。したがって put back は、直訳に近い形で「元の場所・以前の状態へ置く」と理解できます。
本を棚へ戻すなら空間上の移動です。会議を金曜へ遅らせるなら、予定表の上で後ろの日時へ移動させています。時計を1時間戻す場合も、表示時刻を以前の位置へ動かしています。ネイティブには、単なる「戻す」だけでなく、対象を本来ある場所や、今より後の時点へ移す感じがあります。
意味1:物を元の場所へ戻す
日常で最も基本的なのが「物を元の場所へ戻す」です。どこへ戻すのかを示すときは、on the shelf、in the drawer、where it was などを後ろに続けます。
- Please put the key back on the hook.
鍵をフックに戻してください。 - I put the milk back in the fridge.
牛乳を冷蔵庫へ戻しました。 - Could you put everything back where it was?
全部、元あった場所へ戻してもらえますか。 - She put the photo back in her wallet.
彼女は写真を財布へ戻しました。 - Put my phone back, please.
私のスマホを元の場所へ戻して。
買い物や家庭で「これ、元の場所に戻したほうがいいですか?」と言いたい場面は、put back・leave・returnの使い分けを扱った場面別記事でも詳しく紹介しています。
意味2:会議や予定を後ろへずらす
put backは、とくにイギリス英語で「予定を今より遅い日時へ変更する」という意味で使われます。ビジネスでは、何日へ移すかを to、いつまで延期するかを until、どれだけ遅らせるかを by で示せます。
- Can we put the meeting back to Friday?
会議を金曜日へ延期できますか。 - They put the launch back until September.
彼らは発売を9月まで延期しました。 - We had to put the interview back by an hour.
面接を1時間遅らせなければなりませんでした。 - The game has been put back because of the rain.
雨のため試合は延期されました。
ただし、時間を表す back は人や地域によって一瞬解釈が揺れることがあります。国際的な職場では、move the meeting to Friday や postpone the meeting until Friday と具体的に言うと安全です。アメリカ英語のビジネス会話では push back もよく使われます。
意味3:時計を遅い時刻へ戻す
put the clocks back は、時計の表示を1時間前などの遅い時刻へ戻す表現です。夏時間が終わる時期の案内でよく見られます。
- Don’t forget to put your clock back one hour.
時計を1時間戻すのを忘れないでください。 - We put the clocks back last night.
昨夜、時計を遅い時刻へ戻しました。
turn the clock back も文字どおり時計を戻す意味で使えますが、「昔に戻る」「過去の状態へ逆戻りする」という比喩にもよく使われます。季節の時刻変更なら put the clocks back が自然です。
意味4:進行を遅らせる
人や計画を予定より遅れた状態にする意味もあります。この用法では、遅れた期間を目的語の後ろに置けます。
- The delivery problem put us back three days.
配送トラブルで私たちは3日遅れました。 - That extra repair will put the project back another week.
その追加修理でプロジェクトはさらに1週間遅れます。 - Losing the data could put the team back months.
データを失えば、チームは数か月遅れる可能性があります。
この意味は set back と近くなります。ただし set back は「問題が進歩・計画を妨げる」という発想がより強く、費用を表す用法もあります。詳しくはset backの意味・使い方と語順を参照してください。
put backの語順:分離できる句動詞
put backは、目的語を間に入れられる分離可能な他動詞型です。
- Put the book back.(最も自然)
- Put back the book.(文法上可能だが、短い目的語では上より硬い)
目的語が代名詞なら、必ず put と back の間に置きます。
- Put it back.(正しい)
- Put back it.(誤り)
- We put it back on the agenda.
私たちはそれを議題に戻しました。
しゅみすけ(大山俊輔)
活用形
putは不規則動詞ですが、原形・過去形・過去分詞がすべて put です。進行形だけ putting back になります。
- 現在:She puts it back every evening.
- 過去:She put it back yesterday.
- 現在完了:She has put it back.
- 進行形:She is putting it back now.
よく使う文型とコロケーション
- put A back:Aを元へ戻す
- put A back in/on/where …:Aを場所へ戻す
- put an event back to + 日時:予定をその日時へずらす
- put an event back until + 日時:予定をその日時まで延期する
- put an event back by + 期間:予定をその期間だけ遅らせる
- put someone/something back + 期間:人・計画をその期間遅らせる
- put the clocks back:時計を遅い時刻へ戻す
put backと似た表現の違い
put backとput away
put back は「元あった場所へ戻す」、put away は「片づける・収納する」です。元の位置が意識されるかが大きな違いです。
- Put the mug back on the desk.
マグカップを机の元の場所へ戻して。 - Put the clean mugs away.
きれいなマグカップを片づけて。
put backとreturn
return は「返す・戻す」を広く表す、やや改まった一語動詞です。会話では具体的な場所と一緒に put back を使うと、動作が目に浮かびやすくなります。
- Please return the form by Monday.
月曜日までに用紙を返却してください。 - Please put the form back in the folder.
用紙をフォルダーへ戻してください。
put backとpush back・postpone
予定の延期では、push back はビジネス会話、postpone は地域差が少なく明確な表現です。put backは自然ですが、予定を遅らせる用法はイギリス英語で特によく使われます。
- Let’s push the deadline back a week.
締め切りを1週間延ばしましょう。 - They postponed the event until May.
イベントを5月まで延期しました。
「延期する」の代表的な句動詞については、put offとpostpone・delayの違いもあわせて確認してください。
put backとset back
put back は物を元へ戻したり、予定を後ろへ移したりする具体的な動きが中心です。set back は、問題や障害が計画の進行を遅らせる意味で特に自然です。
- We put the meeting back a week.
私たちは会議を1週間延期しました。 - The storm set the project back a week.
嵐のためプロジェクトが1週間遅れました。
日本人が間違えやすいポイント
「元へ戻る」ならput backではない
put backは基本的に、誰かが何かを戻す他動詞です。「私は席へ戻った」のように自分が戻るなら go back や come back を使います。
- I went back to my seat.(私は席へ戻った)
- I put my bag back on the seat.(私はバッグを席へ戻した)
put back toのtoをいつも付けない
物を戻すときは、場所に合わせて in、on、underなどを選びます。toは予定の移動先や到達点を表すときに使えます。
- Put it back in the box.
- Put it back on the table.
- Put the meeting back to Thursday.
時間変更では新しい日時を明示する
We put it back. だけでは、何をどこまで遅らせたか分かりません。to Friday、until next week、by two hours のように新しい日時や変更幅を添えましょう。
しゅみすけ式:put backが出てこなかったら?
句動詞を思い出せなくても、知っている簡単な英語で目的は十分達成できます。
- 物を元へ戻す:Please put it where it was.
それを元あった場所に置いてください。 - 会議を延期する:Let’s have the meeting next week.
会議は来週にしましょう。 - 時計を戻す:Change the clock to one hour earlier.
時計を1時間早い表示に変えてください。 - 作業が遅れた:The problem made us finish two days later.
その問題のせいで、終了が2日遅くなりました。
しゅみすけ(大山俊輔)
まとめ
put backの核は「何かを元の位置、または時間軸の後ろへ置く」です。物なら「元の場所へ戻す」、予定なら「後ろへずらす」、時計なら「遅い時刻へ戻す」となります。
分離可能なので put the book back と言えますが、代名詞は必ず put it back の語順です。put awayは「片づける」、push back・postponeは「予定を延期する」、set backは「進行を妨げて遅らせる」と整理すると、場面に合う表現を選びやすくなります。
句動詞をさらに体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもご覧ください。
putを使うほかの表現もまとめて確認したい方は、putを使った句動詞一覧をご覧ください。









