
speak of the devil は、話題にしていた人がちょうど現れたときに言う「噂をすれば」「噂をすれば影」に近い英語表現です。
たとえば、同僚とEmmaについて話していたところへ本人が入ってきたら、笑顔で Speak of the devil! と言えます。「悪魔」という単語が入っていますが、現代の日常会話では多くの場合、相手を悪人扱いする表現ではありません。
ただし、言うタイミングや相手との関係によっては失礼に聞こえる可能性もあります。この記事では、speak of the devilの意味、なぜこの意味になるのか、自然な使い方と返し方、speaking of や What a coincidence! との違いまで、会話例を使って解説します。
Contents
speak of the devilの意味
speak of the devil = 話題にしていた本人が、ちょうど現れる
We were just talking about you. Speak of the devil!
ちょうどあなたの話をしていたところです。噂をすれば、ですね!
Speak of the devil! We were wondering when you’d get here.
噂をすれば!いつ来るのかなと話していたところだよ。
この表現は通常、誰かが偶然現れた瞬間の驚きや面白さを伝える短いひと言として使います。文法的に長い説明をするというより、場面全体に対するリアクションです。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜdevilが入っているの?
speak of the devil は、もともと「悪魔について口にすると悪魔が現れる」という古い考え方に由来する表現です。現在よく使われる形は、より長いことわざの前半が残ったものです。
ここで大切なのは、現代の会話では文字どおり悪魔を呼ぶ話ではないことです。「名前を出した途端に本人が来た」という偶然を面白がる決まり文句になっています。
日本語の「噂をすれば影」と発想がよく似ているため、日本語話者にも場面をイメージしやすい表現です。
speak of the devilを使うタイミング

自然に使える流れは次の3段階です。
- その場にいない人について話している
- 話題の本人がちょうど現れる、電話をかけてくる、メッセージを送ってくる
- Speak of the devil! と驚きを表す
本人がその場に現れた
A: Have you heard from Ken lately?
A:最近Kenから連絡あった?
B: Not this week. Oh, speak of the devil—there he is!
B:今週はないよ。あ、噂をすれば。そこにいるよ!
話題の人から電話が来た
I was just telling Mia about you, and now you’re calling. Speak of the devil!
ちょうどMiaにあなたの話をしていたら、電話が来た。噂をすれば、だね!
メッセージが届いた
Speak of the devil! Sarah just texted me while we were talking about her.
噂をすれば!Sarahの話をしていたら、ちょうどメッセージが来たよ。
本人が物理的に現れる場合だけでなく、電話やメッセージなどで突然会話に入ってきた場合にも使えます。
よく使われる形と語順
Speak of the devil!
最も一般的なのは、独立した感嘆表現として使う形です。
Speak of the devil! Hi, Lisa—we were just talking about you.
噂をすれば!Lisa、こんにちは。ちょうどあなたの話をしていたところだよ。
Well, speak of the devil.
Well をつけると、「おや、これは驚いた」「なんというタイミング」という会話的な間が生まれます。
Well, speak of the devil. We were just discussing your idea.
おや、噂をすれば。ちょうどあなたのアイデアについて話していました。
And speak of the devil…
人が近づいてくるのに気づいた瞬間、文を途中で切るように言うこともあります。
And speak of the devil… Here comes Daniel now.
そして噂をすれば……Danielが来たよ。
本人の前で言っても失礼ではない?
友人、親しい同僚、家族など、冗談が通じる関係なら、本人の前で言っても通常は問題ありません。表情や声の調子を明るくし、そのあとに We were just talking about you. と説明すると意図が伝わりやすくなります。
一方、次のような場面では避けるほうが無難です。
- 初対面や上下関係が強い相手
- フォーマルな会議や顧客対応
- 直前まで本当に悪口や批判をしていた場合
- devil という語を不快に感じる可能性がある相手
仕事で安全に言うなら、次のような直接的な表現が使えます。
Perfect timing—we were just talking about you.
ちょうどよいタイミングです。今、あなたの話をしていたところです。
We were just discussing this with your team.
ちょうどこの件について、あなたのチームと話していました。
speak of the devilと言われたときの返し方
決まった返答はありません。笑顔で挨拶したり、何を話していたのか軽く尋ねたりすれば自然です。
軽く受け流す
Here I am!
来ましたよ!
That’s me!
私のことですね!
Perfect timing, then!
それなら、ちょうどよいタイミングですね!
何を話していたか尋ねる
Oh really? What were you saying about me?
本当?私の何を話していたの?
Hopefully something good!
よい話だといいけど!
Should I be worried?
心配したほうがいい?
最後の2つは冗談っぽい返しです。深刻な表情ではなく、笑顔や軽い調子で言うと自然に伝わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
speak of the devilとspeaking ofの違い
| 表現 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| speak of the devil | 噂をすれば | 話題の本人が偶然現れたとき |
| speaking of A | Aといえば | Aをきっかけに関連する話題へ移るとき |
Speak of the devil! Tom just walked in.
噂をすれば!Tomが入ってきたよ。
Speaking of Tom, have you seen his new office?
Tomといえば、彼の新しいオフィスを見た?
speaking of は話題転換の表現であり、本人が現れる必要はありません。形が似ていますが、役割はまったく異なります。
speak of the devilとWhat a coincidence!の違い
What a coincidence! は「なんという偶然!」と、幅広い偶然に使えます。一方、speak of the devil は「話題にしていた人が現れる」という特定の偶然に使います。
We booked the same flight. What a coincidence!
同じ便を予約していたんだ。なんという偶然!
We were talking about Nina, and she just arrived. Speak of the devil!
Ninaの話をしていたら、ちょうど来た。噂をすれば!
偶然や一致を表す英語については、「coincide withの意味・使い方とmatchとの違い」も参考になります。
Talk of the devilとの違いは?
イギリス英語では Talk of the devil! も使われます。意味は Speak of the devil! とほぼ同じです。
Talk of the devil—Oliver has just arrived.
噂をすれば。Oliverがちょうど来たよ。
学習者がまず覚えるなら、地域を問わず広く通じる Speak of the devil! で十分です。Speaking of the devil という形も耳にすることがありますが、定型句としては Speak of the devil! が基本です。
日本人が間違えやすいポイント
人以外が届いただけでは通常使わない
注文していた荷物が届いた、待っていた電車が来た、といった場面では通常使いません。基本的には、話題にしていた「人」が現れたり連絡してきたりする場面です。
話題に出していない人には使わない
単に誰かが突然現れただけなら、Speak of the devil! の前提がありません。
自然: We were just talking about Maya. Speak of the devil—there she is!
不自然: Mayaが突然来ただけで、誰もMayaの話をしていなかった。
フォーマルな場で無理に使わない
親しみのある口語表現です。取引先や役員に対して迷う場合は、Perfect timing. や We were just talking about you. のほうが安全です。
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
- We were just talking about you.
ちょうどあなたの話をしていました。 - What perfect timing!
なんてちょうどよいタイミング! - You came at the perfect time.
ちょうどよいときに来ましたね。 - We just mentioned your name.
たった今、あなたの名前を出したところです。
イディオムが思い出せなくても、We were just talking about you. なら中学英語で場面をそのまま説明できます。
自然な会話例
A: Do you think Rina can help us with the event?
B: Probably. She organized the last one.
A: Speak of the devil! Rina, we were just talking about you.
Rina: Hopefully something good! What’s going on?
A:Rinaにイベントを手伝ってもらえるかな?
B:たぶん。前回のイベントも彼女がまとめてくれたよ。
A:噂をすれば!Rina、ちょうどあなたの話をしていたところだよ。
Rina:よい話だといいけど!どうしたの?
まとめ
- speak of the devil は「噂をすれば」「話題の本人がちょうど現れた」
- 人が現れるだけでなく、電話やメッセージが来たときにも使える
- 通常は軽い驚きやユーモアを表し、相手を悪魔扱いする意味ではない
- 親しい相手とのカジュアルな会話に向く
- speaking of A は「Aといえば」という話題転換で、別の表現
- 返し方は Here I am! や Hopefully something good! が自然
- 迷ったら We were just talking about you. と簡単に言い換えられる
ほかの英熟語・定型表現は「英熟語・定型表現の意味と使い方」から確認できます。









