
speaking ofは、今の話題をきっかけに関連する人・物・出来事を思い出し、「〜と言えば」「〜の話で思い出したけれど」と会話をつなぐ表現です。
Speaking of coffee, there’s a new café near the station.
コーヒーと言えば、駅の近くに新しいカフェがあります。
単に「〜について話す」と説明する表現ではありません。直前の話題と関係のある新しい話へ、自然に橋を架ける会話の合図です。
この記事では、speaking of + 名詞の語順、動名詞を続ける形、Speaking of which、talking of、by the wayとの違いまで整理します。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
speaking ofの意味とネイティブが感じるニュアンス
Speaking of X, …の基本的な意味は「Xと言えば、〜」「Xの話で思い出したのですが、〜」です。
A: Emma is moving to Canada next month.
エマは来月カナダへ引っ越します。
B: Speaking of Emma, have you seen her new apartment?
エマと言えば、彼女の新しい部屋を見ましたか。
Bは、話題に出たEmmaを手がかりに、彼女の部屋という関連情報へ移っています。この「今出た話を受けて思い出した」という感覚がspeaking ofの中心です。
日本語では「そういえば」と訳せることもありますが、speaking ofの後ろには通常、直前の話とつながる具体的な話題を置きます。
なぜspeaking ofで「〜と言えば」になる?
speak ofには「〜について話す・〜に言及する」という意味があります。speakingは現在分詞で、もとの感覚は「〜について話しているところで言うと」です。
- speak:言葉を発する・話す
- of:話の対象・関連するものを示す
- speaking of X:Xの話が出たところで/Xと言えば
文全体の主語が実際に「話している」ことを表す進行形ではなく、会話を整理する定型的な前置きとして働きます。
speaking ofの基本語順
Speaking of + 名詞, 主語 + 動詞
もっとも基本的な形です。文頭に置き、後ろにカンマを付けます。
Speaking of travel, when are you going to Seoul?
旅行と言えば、いつソウルへ行くのですか。
Speaking of lunch, do you know a good place nearby?
ランチと言えば、この近くに良い店を知っていますか。
Speaking of your sister, how is she doing?
あなたのお姉さんと言えば、元気にしていますか。
Speaking of + 人・代名詞
人の名前や代名詞も置けます。ただし、相手の目の前でSpeaking of you, …と言うと、相手に関する話へ移る合図になります。
Speaking of Ken, he called me yesterday.
ケンと言えば、昨日彼から電話がありました。
Speaking of you, how did your interview go?
あなたのことで思い出しましたが、面接はどうでしたか。
Speaking of + 動名詞
行動・出来事を話題にするときは、動詞の-ing形を置けます。
Speaking of cooking, I tried your pasta recipe.
料理と言えば、あなたのパスタのレシピを試しました。
Speaking of moving, have you found a new place yet?
引っ越しと言えば、もう新しい住まいは見つかりましたか。
× Speaking of moveではなく、行動を名詞のように扱うmovingを使います。

Speaking of whichの意味と使い方
Speaking of which, …は「そう言えば」「その話で思い出しましたが」という意味です。whichは、直前に出た一つの名詞だけでなく、直前の話や状況全体を受けることができます。
I need a break. Speaking of which, shall we get coffee?
休憩が必要です。そう言えば、コーヒーにしませんか。
Our train leaves at six. Speaking of which, we should book a taxi.
電車は6時に出ます。その話で思い出しましたが、タクシーを予約したほうがよいですね。
Mia started a new job. Speaking of which, I need to reply to her message.
ミアは新しい仕事を始めました。そう言えば、彼女のメッセージに返信しなければなりません。
すでに話題が明確なので、同じ名詞を繰り返さずwhichで受けられるのが便利です。
speaking ofとtalking ofの違い
talking ofも「〜と言えば」という意味で、speaking ofとほぼ同じように使えます。
Talking of holidays, have you made any plans for August?
休暇と言えば、8月の予定は立てましたか。
- speaking of:地域を問わず広く使われる
- talking of:特にイギリス英語でよく聞かれる傾向がある
意味の違いを細かく作る必要はありません。自分で使うときは、より広く通じやすいspeaking ofを基本にすると安心です。
speaking ofとby the wayの違い
どちらも日本語で「そういえば」「ところで」と訳されますが、話題とのつながりが異なります。
- Speaking of X, …:今の話題Xと関連する話へ移る
- By the way, …:今の話題との関係が薄くても、別の話を付け加える
A: I met Lisa at the gym.
ジムでリサに会いました。
B: Speaking of Lisa, is she still working in Osaka?
リサと言えば、まだ大阪で働いていますか。
Lisaがすでに話題に出ているため、speaking ofが自然です。
By the way, what time does the meeting start?
ところで、会議は何時に始まりますか。
前の話との関連がなく、新しい用件を差し込むならby the wayが合います。詳しくはBy the wayの意味は?BTW・anyway・speaking ofとの違いも参考になります。
speaking ofとcome to think of itの違い
come to think of itは「そういえば・考えてみれば」と、考え直して何かに気づく表現です。
- speaking of:会話中の話題を受け、関連する話へつなぐ
- come to think of it:考えてみた結果、事実や疑問に気づく
Speaking of Tom, did he send the file?
トムと言えば、彼はファイルを送りましたか。
Come to think of it, Tom wasn’t at the meeting.
そういえば、トムは会議にいませんでした。
後者はTomという語を会話の橋にするより、「考えてみると不在だった」と気づいています。詳しい用法はCome to think of itの意味は?「そういえば・考えてみれば」の使い方で解説しています。
speaking ofとspeaking aboutの違い
speaking ofは会話のつなぎとして「〜と言えば」。一方、speaking aboutは文の一部として「〜について話している」という文字どおりの行動を表すことが多いです。
Speaking of movies, have you seen this one?
映画と言えば、これは見ましたか。
They are speaking about the new project.
彼らは新しいプロジェクトについて話しています。
Speaking about movies, …も文脈によって使えますが、話題を受ける定型的な「〜と言えば」にはspeaking ofが自然です。
場面別の自然な会話例
仕事
A: The sales team is hiring again.
営業チームがまた採用しています。
B: Speaking of hiring, did you read the new job description?
採用と言えば、新しい職務内容を読みましたか。
恋愛・人間関係
A: I saw Yuki with her boyfriend yesterday.
昨日、ユキが彼氏といるところを見ました。
B: Speaking of Yuki, her birthday is next week.
ユキと言えば、来週は彼女の誕生日です。
海外旅行
A: The hotel has a shuttle to the airport.
ホテルには空港行きの送迎があります。
B: Speaking of the airport, what time should we leave?
空港と言えば、何時に出発しましょうか。
家庭・暮らし
A: We’re almost out of milk.
牛乳がもうほとんどありません。
B: Speaking of shopping, we need some rice too.
買い物と言えば、お米も必要です。
学校・学習
A: We have an English test on Friday.
金曜日に英語のテストがあります。
B: Speaking of English, have you finished the homework?
英語と言えば、宿題は終わりましたか。
日本人が間違えやすいポイント
直前の話と無関係な内容には使わない
speaking ofの後ろの話題は、直前の会話から自然に連想できる必要があります。無関係な話へ突然移るなら、by the wayのほうが適切です。
後ろに文を直接置かない
基本形はSpeaking of + 名詞/動名詞です。
× Speaking of she moved, …
○ Speaking of her move, …
○ Speaking of moving, …
「speaking」と言っても話者を主語にしない
Speaking of coffee, …は定型的な前置きです。通常、I’m speaking of coffeeへ機械的に置き換えるものではありません。
しゅみすけ(大山俊輔)
すぐ出てこないときの簡単な言い換え
speaking ofが思い出せなくても、短い基本表現で十分に会話をつなげられます。
- That reminds me.
それで思い出しました。 - About Ken, …
ケンのことですが、〜。 - You mentioned coffee. There’s a new café nearby.
コーヒーの話が出ましたね。近くに新しいカフェがあります。 - By the way, …
ところで、〜。 - I just remembered something.
今、思い出したことがあります。
remindの語順やrememberとの違いは、remind A of Bの意味・語順と使い方でも確認できます。
関連表現
- Speaking of which, …:その話で思い出しましたが
- Talking of X, …:Xと言えば
- By the way, …:ところで
- Come to think of it, …:そういえば・考えてみれば
- That reminds me.:それで思い出しました
- As for X, …:Xについて言えば・Xはというと
話題を別の対象へ切り替えるas forとの違いは、as forの意味は?as for meの使い方と類似表現との違いで詳しく解説しています。
ほかの会話表現や定型構文も学びたい方は、英熟語・定型表現の親記事もご覧ください。
まとめ
- Speaking of X, …は「Xと言えば」「Xの話で思い出したけれど」
- 今の話題をきっかけに、関連する話へ自然につなぐ表現
- 後ろには名詞・人名・代名詞・動名詞を置く
- Speaking of whichは直前の話全体を受けて「その話で思い出したけれど」
- talking ofはほぼ同じ意味で、イギリス英語に多い傾向
- 無関係な話へ移るならby the wayが自然
- 迷ったらThat reminds me.やYou mentioned X.で言い換えられる
A: I’m going to Kyoto this weekend.
今週末、京都へ行きます。
B: Speaking of Kyoto, have you tried the café near the river?
京都と言えば、川の近くのカフェへ行ったことはありますか。









