
There+動詞+主語は、「そこに~がいる/ある」「~が現れる」のように、人物や物を場面へ登場させる語順です。
There lived an old woman.(ある老婦人が住んでいました)、There stands a castle on the hill.(丘の上に城が立っています)のように、be動詞以外の動詞も使えます。
学校でよく学ぶThere is / areの仲間ですが、動詞が表す「住む・立つ・残る・現れる」といった様子まで一緒に伝えられるのが特徴です。
Contents
There+動詞+主語の基本的な意味と語順
基本の形は次のとおりです。
There + 動詞 + 本当の主語 + 場所・時など
thereは形式的に文頭へ置かれ、本当に「いる・ある・現れる」ものは動詞の後ろに来ます。
- There lived an old woman in the village.
その村に一人の老婦人が住んでいました。 - There stands a small church by the river.
川のそばに小さな教会が立っています。 - There remains one serious problem.
重大な問題が一つ残っています。
日本語訳では、必ずしも「そこに」と訳す必要はありません。「~がいる」「~がある」「~が残っている」と自然に訳します。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ主語が動詞の後ろに来るの?
英語では、すでに分かっている場面を先に示し、新しい情報を後ろへ置くことがあります。
A castle stands on the hill.でも文法的には正しいですが、最初からa castleを話題にしています。一方、There stands a castle on the hill.は、聞き手の前に丘の場面を広げ、そこへ「城が立っている」と登場させる響きがあります。
物語、説明文、風景描写、やや改まった文章で特に見かける語順です。
There is / areとの違い

There is / are:存在そのものを伝える
There is a castle on the hill.
丘の上に城があります。
「城がある」という存在を、もっとも中立的に伝えます。日常会話ではこの形が最も使いやすいでしょう。
There+動詞+主語:存在のしかたや変化も伝える
There stands a castle on the hill.
丘の上に城がそびえています。
standを使うことで、ただ存在するだけでなく「立っている・そびえている」という見え方が加わります。
There appeared a strange light in the sky.
空に不思議な光が現れました。
こちらはappearによって、何かが場面に現れた変化を伝えています。
よく使われる動詞
この形には、存在・位置・出現・継続を表す動詞がよく使われます。
live:住んでいる
Once upon a time, there lived a kind queen.
昔々、心優しい女王が住んでいました。
There lived …は物語の導入でよく見られます。日常的に住所を言うなら、A woman lives next door.のような普通の語順が自然です。
stand:立っている・そびえる
At the end of the street, there stands an old hotel.
通りの突き当たりに古いホテルが立っています。
remain:残っている
There remain several questions to answer.
答えるべき疑問がいくつか残っています。
remainは仕事や説明文でも使われる、比較的実用性の高い形です。
appear / arise:現れる・生じる
There appeared a small crack in the wall.
壁に小さなひびが現れました。
There arose a disagreement between the two teams.
2つのチームの間に意見の相違が生じました。
come / follow:やって来る・続く
Then there came a knock at the door.
すると、ドアをノックする音がしました。
There followed a long silence.
その後、長い沈黙が続きました。
動詞は後ろの主語に合わせる
thereは本当の主語ではないため、動詞の単数・複数は後ろの名詞に合わせます。
- There remains one problem.
問題が一つ残っています。 - There remain two problems.
問題が二つ残っています。 - There appears to be a mistake.
間違いがあるようです。 - There appear to be several mistakes.
いくつか間違いがあるようです。
特にremain / remains、appear / appearsは、後ろの名詞の数を確認しましょう。
There is a woman standing …との違い
There stands a woman at the door.は、文学的・描写的な響きがあります。普通の会話なら、次の形がより自然です。
There is a woman standing at the door.
ドアのところに女性が立っています。
英会話で無理にThere+一般動詞の形を作る必要はありません。まずはThere is / areを使えば十分伝わります。
しゅみすけ(大山俊輔)
代名詞を使うときの注意
新しく登場させる主語には、a castleやseveral problemsのような名詞句がよく使われます。すでに誰のことか分かっているhe / she / itなどの代名詞は、通常の存在構文の後ろには置きにくくなります。
There he stands.(ほら、彼がそこに立っている)のような文もありますが、このthereは場所を指す「そこに」で、今回の存在を導入するthereとは性格が異なります。語順もthere+主語+動詞です。
- There stands a man by the door.
ドアのそばに男性が立っています。 - There he stands.
ほら、彼がそこに立っています。
日本人が間違えやすいポイント
thereを必ず「そこ」と訳す
存在を導入するthereは、多くの場合、日本語に訳しません。後ろの主語と動詞を中心に自然な日本語へ直します。
どんな動詞でも自由に入れられると思う
この形は、存在・位置・出現・継続を示すlive, stand, remain, appear, arise, come, followなどと相性がよい構文です。一般的な動作を表す動詞を何でも入れられるわけではありません。
日常会話で文学的な形を使いすぎる
There lived …やThere stood …は、物語や描写で自然です。普段の会話では、There is …や普通の語順のほうが簡単で自然な場合が多くあります。
簡単な英語で言い換えるなら
- There stands a castle on the hill.
→ There is a castle on the hill. - There lived an old woman in the village.
→ An old woman lived in the village. - There remain several problems.
→ We still have several problems. - There appeared a light in the sky.
→ A light appeared in the sky.
難しい語順が出てこなくても、存在を伝える文や普通の主語+動詞に直せば十分です。
まとめ
There+動詞+主語は、人物や物を新しい情報として場面へ登場させる語順です。
- 本当の主語は動詞の後ろに置かれる
- live, stand, remain, appear, arise, come, followなどをよく使う
- 動詞の単数・複数は後ろの主語に合わせる
- There is / areより描写的・物語的になることがある
- 会話ではThere is / areや普通の語順に言い換えてもよい
英熟語や定型表現をさらに学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもあわせてご覧ください。









