wear the pantsの意味は?「主導権を握る」の使い方・由来と例文

wear the pantsの意味・使い方・由来を解説するアイキャッチ画像

wear the pants は、文字どおりには「ズボンをはいている」ですが、イディオムでは「関係や家庭の中で主導権を握る」「最終的な決定権を持つ」という意味になります。

ただし、この表現の背景には昔の性別役割の考え方があります。意味を知っておくと映画や会話の理解に役立ちますが、自分で使うときは相手や場面への配慮も必要です。この記事では、由来・文法・自然な例文・似た表現との違いまで詳しく解説します。

先に結論
  • wear the pants=家庭・恋愛関係などで主導権を握る、決定権を持つ
  • よく使う形は Who wears the pants?A wears the pants.
  • イギリス英語では wear the trousers も使われる
  • 古い男女観を連想させるため、現代では冗談・批判として聞こえることがある

wear the pantsの意味

wear the pants は、夫婦・恋人・家族など二人以上の関係の中で、誰が重要な判断をするのかを表すイディオムです。「しっかりしている」「声が大きい」というだけでなく、最終的な決定に影響を持つという含みがあります。

  • She wears the pants in their relationship.
    二人の関係では彼女が主導権を握っています。
  • Everyone knows who wears the pants in that family.
    あの家庭で誰が実権を握っているかは、みんな知っています。

通常は the pants と定冠詞theを付けた複数形です。wear pants だけなら、単に「ズボンをはく」という文字どおりの意味になることがあります。

なぜ「ズボンをはく」が「主導権を握る」になる?

この表現は、かつて欧米社会でズボンが主に男性の服とされ、男性が家長として権限を持つと考えられていた時代の比喩から生まれました。「その家でズボンをはいているのは誰か」が、「誰が家長の役割を担い、決定するのか」という意味へ広がったのです。

現代では女性も男性も当然ズボンをはくため、文字どおりの服装とは関係ありません。ただ、表現の土台に古い男女の役割分担があることは覚えておきましょう。

しゅみすけ(大山俊輔)

この表現は、男女のどちらが偉いかを決める言葉ではありません。映画や冗談で耳にすることはありますが、相手の夫婦関係について直接たずねると失礼になる場合があります。

wear the pantsのよく使われる形

wear the pantsは決定権を持つという意味であることを例文で示す解説図

Who wears the pants?

「誰が主導権を握っているの?」という質問です。文脈上、どの家庭・関係について話しているか明らかな場合に使われます。

  • So, who wears the pants in your relationship?
    それで、二人の関係ではどちらが主導権を握っているの?

かなり個人的な質問なので、親しい間柄で冗談として使う場面が中心です。仕事上の相手や知り合ったばかりの人には避けるほうが安全です。

A wears the pants in the family / relationship

誰が決定権を持つかを述べる形です。主語が三人称単数なら wears になります。

  • My grandmother wears the pants in our family.
    私の家では祖母が実権を握っています。
  • Neither of them wears the pants. They make decisions together.
    どちらか一方が主導権を握っているわけではありません。二人で決めています。

be the one who wears the pants

the one who を使って「主導権を握っている人」と説明する形もあります。

  • He acts confident, but she is the one who wears the pants.
    彼は自信があるように振る舞いますが、実際に主導権を握っているのは彼女です。

wear the pantsは失礼?現代でのニュアンス

意味は広く知られていますが、wear the pants には「関係ではどちらか一人が支配するものだ」「男性が主導するのが普通だ」という古い前提を感じる人もいます。そのため、次の場面では慎重に使いましょう。

  • 本人がいない場所で夫婦関係を評価するとき
  • 職場で同僚や取引先の家庭について話すとき
  • 性別を理由に、どちらかを弱い・強いとからかうとき

親しい友人同士の軽い冗談や、映画・ドラマの人物関係を説明する場面では使われます。ただし、中立的に言いたいなら have the final saymake most of the decisions のほうが無難です。

wear the pantsと似た表現の違い

表現 意味・ニュアンス よく使う場面
wear the pants 関係・家庭内で主導権を握る。口語的で、古い男女観を含むことがある 夫婦・恋人・家族
have the final say 最終決定権を持つ 家庭・仕事の両方
call the shots 指図する、物事を決める。力や権限を強く感じさせる 仕事・組織・人間関係
take charge 責任を引き受けて指揮する 仕事・緊急時・イベント
take over 仕事・役割・会社などを引き継ぐ、支配を奪う 引き継ぎ・事業・役割

have the final sayとの違い

have the final say は「最後に決める権限がある」という直接的で中立的な表現です。家庭だけでなく、会社の承認やプロジェクトの判断にも使えます。

  • My manager has the final say on the budget.
    予算について最終決定権を持つのは上司です。

call the shotsとの違い

call the shots は、組織や状況を動かして「指図する」「采配を振る」という意味です。wear the pants より家庭に限定されず、権力のニュアンスが強めです。

  • She calls the shots on this project.
    このプロジェクトでは彼女が采配を振っています。

take chargeとの違い

take charge は、必要な場面で責任を持って指揮を始めることです。普段から支配権を持つというより、行動に移してまとめる感じがあります。

  • When the event became chaotic, Maya took charge.
    イベントが混乱すると、マヤが指揮を執りました。

イギリス英語のwear the trousers

アメリカ英語の pants は「ズボン」ですが、イギリス英語ではズボンを trousers と呼びます。そのため、イギリスでは同じ意味で wear the trousers が使われます。

  • It’s obvious who wears the trousers in their house.
    その家で誰が主導権を握っているかは明らかです。

なお、イギリス英語で pants は下着を指すことが多いため、地域による単語の違いも押さえておくと安心です。

場面別の自然な例文

恋愛・夫婦関係

  • People assume he wears the pants, but they decide everything together.
    彼が主導権を握っていると思われていますが、二人は何でも一緒に決めています。
  • I don’t think either person should always wear the pants.
    どちらか一方がいつも主導権を握るべきだとは思いません。

家庭

  • When it comes to travel plans, Mom wears the pants.
    旅行の計画となると、母が主導権を握ります。
  • Dad cooks, but Mom wears the pants when it comes to the family budget.
    料理は父がしますが、家計について決定権を持つのは母です。

映画・ドラマの人物説明

  • At first, he seems to wear the pants, but she is actually making all the decisions.
    最初は彼が主導権を握っているように見えますが、実際にすべて決めているのは彼女です。

日本人が間違えやすいポイント

theを忘れない

  • × She wears pants in the family.
  • She wears the pants in the family.

前者は文脈によって「彼女は家庭でズボンをはく」という服装の話に聞こえます。イディオムではtheを含む形で覚えましょう。

主語に合わせてwearを変化させる

  • I / You / We / They wear the pants.
  • He / She wears the pants.
  • Who wears the pants?

仕事で何でもwear the pantsとは言わない

会社で単に責任者を言うなら、She is in charge.He has the final say. が自然です。wear the pants は特に家庭や恋愛関係を連想させます。

しゅみすけ(大山俊輔)

会話で安全に言い換えたいなら、Who makes the final decision? が便利です。性別や力関係を決めつけず、「最終的に誰が決めるのですか?」と聞けます。

簡単な英語での言い換え

wear the pants がすぐに出てこない、または表現の含みに迷うときは、意味を直接伝えましょう。

  • She wears the pants.
    She makes most of the decisions.
    彼女がほとんどのことを決めます。
  • Who wears the pants?
    Who makes the final decision?
    誰が最終的に決めますか。
  • He wears the pants in the family.
    He is in charge at home.
    家では彼が取り仕切っています。

まとめ

wear the pants は、夫婦・恋人・家族などの関係で「主導権を握る」「決定権を持つ」という意味のイディオムです。アメリカ英語ではpants、イギリス英語では wear the trousers という形も使われます。

一方、表現の背景には古い性別役割の考え方があります。映画や会話で意味を理解できるようにしつつ、自分で中立的に伝えたいときは have the final saymake the decisionsbe in charge に言い換えると自然です。

ほかの表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめをご覧ください。「引き継ぐ」という意味との違いは、take overの意味と使い方でも確認できます。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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