
「これをお願いできますか?」「少し手伝ってもらえますか?」と英語で頼みたいとき、最初に思い浮かぶのは Please や Can you …? かもしれません。どちらも使えますが、相手や場面によっては、少し直接的に聞こえることがあります。
英語のお願いは、難しい敬語を暗記するよりも、誰に・何を・いつまでに頼むのかに合わせて表現を選ぶことが大切です。たとえば、友達なら Can you help me?、仕事相手なら Could you send me the file?、負担の大きい依頼なら I was wondering if you could help me with this. のように丁寧度を調整できます。
この記事では、「お願い」「依頼」に使える英語を、日常会話・旅行・仕事・メールの場面別に紹介します。長い表現が出てこないときのために、初心者でも言える簡単な英語もまとめました。
まず覚えたい3つ
Can you …? — 親しい相手への自然なお願い
Could you …? — 幅広い場面で使える丁寧なお願い
I was wondering if you could … — 負担の大きい依頼を控えめに切り出す表現
Contents
「お願い」「依頼」は英語で何と言う?
日本語の「お願い」は、英語では一語に直訳するのではなく、何をしたいかによって表現を変えます。
- ask someone to … — 人に〜するよう頼む
- request — 依頼する/依頼(やや改まった語)
- favor — 個人的なお願い、親切として頼むこと
- Could you …? — 〜していただけますか?
- Would you …? — 〜していただけますか?
会話では、名詞の request を無理に使わず、Could you …? のような疑問文で頼むのが自然です。
- I asked Tom to call me.
トムに電話してくれるよう頼みました。 - We received your request.
ご依頼を受け取りました。 - Could you do me a favor?
お願いがあるのですが。
「お願いします」だけを英語にすると?
日本語では「よろしくお願いします」「これをお願いします」のように「お願いします」だけで多くの意味を表せます。英語では、その場面で相手に何をしてほしいかを具体的にします。
- 注文する:I’ll have this, please. — これをお願いします
- 作業を頼む:Could you take care of this? — こちらをお願いできますか?
- 確認を頼む:Could you check this? — これを確認していただけますか?
- 助けを頼む:Could you help me? — 手伝っていただけますか?
- 引き受けてもらう:I’m counting on you. — 頼りにしています/よろしくお願いします
英語でお願いするときの丁寧度と使い分け
Can you …?|友達・家族・同僚に自然
Can you …? は親しい相手への日常的なお願いに向いています。「能力があるか」だけでなく、「してくれる?」という依頼にも使われます。
- Can you help me? — 手伝ってくれる?
- Can you open the window? — 窓を開けてくれる?
- Can you call me later? — 後で電話してくれる?
- Can you wait a minute? — ちょっと待ってくれる?
声の調子が柔らかければ失礼な表現ではありません。ただし、初対面の人や取引先には Could you …? のほうが無難です。
Could you …?|迷ったときに使いやすい丁寧表現
Could you …? は、日常会話から仕事まで幅広く使えます。過去の意味ではなく、相手との距離を少し置くことで丁寧にしています。
- Could you speak more slowly? — もう少しゆっくり話していただけますか?
- Could you send me the details? — 詳細を送っていただけますか?
- Could you show me how to use this? — これの使い方を教えていただけますか?
- Could you check the schedule? — スケジュールを確認していただけますか?
Would you …?|相手の意思を尋ねるお願い
Would you …? は「〜していただけますか?」と、相手が応じる意思があるかを尋ねる形です。Could you …? と多くの場面で置き換えられます。
- Would you close the door? — ドアを閉めていただけますか?
- Would you sign here, please? — こちらに署名していただけますか?
- Would you let me know when you arrive? — 到着したら知らせていただけますか?
Would you mind …ing?|相手への負担に配慮する
Would you mind …ing? は「〜することを気にされますか?」という形から、「〜していただけませんか?」を丁寧に表します。後ろは動詞のing形です。
- Would you mind opening the window? — 窓を開けていただけませんか?
- Would you mind waiting here? — こちらで待っていただけませんか?
- Would you mind checking this again? — もう一度確認していただけませんか?
承諾するときは No, not at all. や Of course not. と答えます。「気にしません」という意味なので、YesとNoが日本語の感覚と逆になりやすい点に注意しましょう。詳しくはWould you mind…?の意味と答え方でも解説しています。
I was wondering if you could …|難しいお願いを控えめに伝える
急ぎの対応や予定変更など、相手に負担をかけるお願いでは、I was wondering if you could … が役立ちます。「もし可能ならお願いできないでしょうか」と控えめに切り出す表現です。
- I was wondering if you could help me with this report.
このレポートを手伝っていただけないかと思いまして。 - I was wondering if you could extend the deadline.
締め切りを延長していただけないかと思いまして。 - I was wondering if we could reschedule our meeting.
会議の日程を変更できないかと思いまして。
Pleaseを付ければ必ず丁寧になる?
Please + 動詞 は正しい依頼表現ですが、文の形は命令文です。状況や声の調子によっては、丁寧というより「指示」に聞こえることがあります。
- Please send the file by noon.
正午までにファイルを送ってください。 - Could you send the file by noon, please?
正午までにファイルを送っていただけますか?
前者は業務上の明確な指示として自然です。相手に選択の余地を残したお願いなら、後者のように Could you …? を使うと柔らかくなります。
また、You need to … は「あなたは〜する必要があります」という説明や強い指示です。「〜してください」の直訳として使うと、意図より強く聞こえる場合があります。
日常会話で使えるお願いの英語
少し手伝ってほしい
- Can you give me a hand? — ちょっと手を貸してくれる?
- Could you help me carry this? — これを運ぶのを手伝っていただけますか?
- Could you hold this for a second? — これを少し持っていてもらえますか?
- Can I ask you a favor? — お願いしてもいい?
待ってもらう・繰り返してもらう
- Could you wait a moment, please? — 少々お待ちいただけますか?
- Could you say that again? — もう一度言っていただけますか?
- Could you speak a little more slowly? — もう少しゆっくり話していただけますか?
- Could you write it down? — 書いていただけますか?
物を借りる
自分が何かをしたい場合は、Could I …? や May I …? を使います。
- Could I borrow your pen? — ペンを借りてもいいですか?
- May I use this chair? — この椅子を使ってもよろしいですか?
- Could I charge my phone here? — ここでスマホを充電してもいいですか?
旅行先で使えるお願いの英語
ホテル
- Could you keep my luggage until check-in?
チェックインまで荷物を預かっていただけますか? - Could I have an extra towel?
タオルをもう1枚いただけますか? - Could you call a taxi for me?
タクシーを呼んでいただけますか? - Would it be possible to get a late check-out?
レイトチェックアウトは可能でしょうか?
受付側・宿泊客側の表現は、ホテルで使える接客・旅行英語にもまとめています。
レストラン・カフェ
- Could we have a table by the window? — 窓側の席をお願いできますか?
- Could I have this without onions? — これを玉ねぎ抜きでお願いできますか?
- Could we have some water, please? — お水をいただけますか?
- Could we have the check, please? — お会計をお願いします。
道を聞く・写真を頼む
- Could you tell me how to get to the station?
駅への行き方を教えていただけますか? - Could you take a picture of us?
私たちの写真を撮っていただけますか? - Could you take one more?
もう1枚撮っていただけますか?
写真撮影の細かな頼み方は、「写真を撮ってください」の英語をご覧ください。
仕事で丁寧に依頼する英語
確認・共有をお願いする
- Could you review the attached document?
添付資料をご確認いただけますか? - Could you share the latest version with me?
最新版を共有していただけますか? - Please let me know if you have any questions.
ご質問があればお知らせください。 - I’d appreciate it if you could confirm by Friday.
金曜日までにご確認いただけますと幸いです。
締め切りを伝える
期限は曖昧にせず、依頼文の中に具体的に入れます。
- Could you send it to me by 3 p.m.?
午後3時までに送っていただけますか? - Would it be possible to complete this by Friday?
金曜日までに完了することは可能でしょうか? - If possible, could you reply by tomorrow morning?
可能でしたら、明日の午前中までに返信いただけますか?
会議・予定変更をお願いする
- Could we move the meeting to Thursday?
会議を木曜日に変更できますか? - Would 2 p.m. work for you?
午後2時はいかがでしょうか? - I’m sorry for the short notice, but could we reschedule?
急なご連絡で申し訳ありませんが、日程を変更できますか?
英語メールで依頼するときの基本構成
依頼メールは、次の順番にすると要点が伝わりやすくなります。
- 用件や背景を短く伝える
- 具体的な依頼を書く
- 期限や必要条件を示す
- 感謝で締める
Subject: Request for Review
Hi Emma,
I’m preparing the final version of our presentation.
Could you review the attached slides and send me your comments by Thursday?
I’d especially appreciate your feedback on slides 5 and 6.
Thank you for your help.
Best,
Yuki
日本語の意味
エマさん
プレゼンテーションの最終版を準備しています。添付したスライドを確認して、木曜日までにコメントを送っていただけますか?特に5枚目と6枚目についてご意見をいただけると助かります。ご協力ありがとうございます。
メールで使える依頼の定番表現
- Could you please …? — 〜していただけますか?
- Would it be possible to …? — 〜することは可能でしょうか?
- I’d appreciate it if you could … — 〜していただけると幸いです
- When you have a chance, could you …? — お時間のあるときに〜していただけますか?
- Please let me know by … — 〜までにお知らせください
- Thank you in advance for your help. — ご対応にあらかじめ感謝いたします
Thank you in advance. は便利ですが、相手が引き受ける前から決定事項のように感じさせる場合もあります。負担の大きい依頼では、Thank you for considering my request.(ご検討ありがとうございます)のほうが控えめです。
無理なお願い・厚かましいお願いを英語で伝える
難しい依頼では、長く謝り続けるより、相手の負担を理解していることを一言示し、断れる余地を残します。
- I know this is a lot to ask, but …
無理なお願いだとは分かっていますが、〜。 - I realize this is short notice, but …
急なお願いだとは承知していますが、〜。 - I hate to ask, but could you …?
お願いしづらいのですが、〜していただけますか? - If it’s not too much trouble, could you …?
ご面倒でなければ、〜していただけますか? - No worries if you can’t.
難しければ気にしないでください。 - I completely understand if that’s not possible.
難しい場合はもちろん理解いたします。
I know this is a lot to ask, but could you cover my shift on Friday? I completely understand if you can’t.
無理なお願いだとは分かっていますが、金曜日のシフトを代わってもらえませんか?難しければもちろん大丈夫です。
お願いを引き受ける・断るときの返答
引き受ける
- Sure. — もちろん
- Of course. — もちろんです
- No problem. — 問題ありません
- I’d be happy to. — 喜んで
- Leave it to me. — 任せてください
- I’ll take care of it. — 私が対応します
すぐには返事できない
- Let me check. — 確認させてください
- Let me see what I can do. — 何ができるか確認します
- Can I get back to you this afternoon? — 今日の午後に返事してもいいですか?
丁寧に断る
- I’m afraid I can’t. — 残念ですができません
- I’d love to, but I’m not available that day. — そうしたいのですが、その日は都合がつきません
- I’m sorry, but I won’t be able to finish it by Friday. — 申し訳ありませんが、金曜日までには終えられません
誘いや依頼を断る表現は、英語でのやんわり・丁寧な断り方でも詳しく紹介しています。
初心者でも言える簡単な英語
長い丁寧表現が出てこないときは、短い英文に please を添え、表情や声の調子を柔らかくするだけでも十分伝わります。
- Help me, please. — 手伝ってください
- One more time, please. — もう一度お願いします
- Slowly, please. — ゆっくりお願いします
- Please wait. — 待ってください
- Please check. — 確認してください
- This one, please. — これをお願いします
- Water, please. — お水をお願いします
- Can you help? — 手伝ってもらえますか?
- Can I use this? — これを使ってもいいですか?
- Is this okay? — これで大丈夫ですか?
単語だけになっても、頼みたい物を指さしたり画面を見せたりすれば補えます。まず Excuse me. と声をかけ、短いお願いを伝え、最後に Thank you. を加えれば会話としてまとまります。
お願いの英語でよくある間違い
I want you to …は強く聞こえることがある
I want you to … は「あなたに〜してほしい」と希望を明確にする表現です。家族や部下への指示では使えますが、一般的な依頼では強く聞こえることがあります。
- 直接的:I want you to send this today.
- 柔らかい:Could you send this today?
Could you please …?を重くしすぎない
Could you please …? 自体は丁寧ですが、声を強めると「お願いしたはずですが」という不満にも聞こえます。丁寧さは単語だけでなく、状況・表情・イントネーションでも決まります。
依頼内容を曖昧にしすぎる
Could you help me? だけでは、何をすればよいか相手が分かりません。続けて具体的に伝えます。
Could you help me? I need to move this table.
手伝っていただけますか?このテーブルを動かしたいのです。
よくある質問
Could youとWould youはどちらが丁寧ですか?
どちらも丁寧です。Could you は相手が対応可能か、Would you は対応する意思があるかを尋ねる形ですが、日常の依頼では大きく意味が重なります。迷ったら幅広く使える Could you …? で問題ありません。
Can youは失礼ですか?
失礼とは限りません。友達、家族、同僚との会話ではごく自然です。初対面、接客、取引先など、少し距離のある相手には Could you …? を使うと安心です。
「お願いがある」は英語で何と言いますか?
親しい相手なら Can I ask you a favor? が定番です。仕事では前置きだけにせず、Could you review this document? のように依頼内容を具体的に伝えるほうが自然です。
「よろしくお願いします」は英語で何と言いますか?
万能な直訳はありません。依頼の後なら Thank you for your help.、検討を頼むなら Thank you for considering my request.、仕事を任せるなら I’m counting on you. のように意図に合わせます。
クレーム対応をお願いするときは?
Could you check this, please? や Could I speak to the manager? が使えます。問題の説明、交換、返金などの表現は英語でクレームを丁寧に伝える方法をご覧ください。
まとめ
英語でお願いするときは、親しい相手なら Can you …?、幅広い場面では Could you …?、負担の大きい依頼なら I was wondering if you could … を使うと丁寧度を調整できます。
初心者なら、まず Could you help me?、Please check.、One more time, please. の3つからで十分です。依頼内容を具体的にし、必要なら期限を添え、最後に感謝を伝える。この形を覚えておけば、日常・旅行・仕事の多くの場面で応用できます。









