
海の上を、ほとんど羽ばたかずに長い翼で滑るように飛ぶアホウドリ。英語ではalbatrossといいます。
日本語の「アホウドリ」は少し気の毒な名前ですが、英語名albatrossにも航海の歴史や文学と結びついた独特の背景があります。この記事では、albatrossの発音・複数形・語源から、short-tailed albatrossという日本のアホウドリの正式な英語名、飛び方、関連語、旅行や野鳥観察で使える例文まで解説します。
Contents
アホウドリは英語でalbatross
アホウドリ=albatrossです。1羽ならan albatross、複数ならalbatrossesといいます。
- an albatross:1羽のアホウドリ類
- two albatrosses:2羽のアホウドリ類
- an albatross chick:アホウドリのひな
- a colony of albatrosses:アホウドリの繁殖集団
We saw an albatross from the ship.
船からアホウドリを見ました。
Several albatrosses were gliding over the waves.
数羽のアホウドリが波の上を滑空していました。
しゅみすけ(大山俊輔)
albatrossの発音と複数形
albatrossの発音記号は、イギリス英語で/ˈæl.bə.trɒs/、アメリカ英語で/ˈæl.bə.trɑːs/が目安です。最初のALにアクセントを置き、「アルバトロス」よりも「アルバトゥロス」に近いリズムで発音します。
- 単数形:albatross
- 複数形:albatrosses
- 複数形の発音:/ˈæl.bə.trɒs.ɪz/ または /ˈæl.bə.trɑː.sɪz/
語末が-sの音で終わるため、複数形は単に-sを付けるのではなく、綴りでは-es、音では/ɪz/が加わります。
albatrossの語源と名前の感覚
albatrossは、ポルトガル語・スペイン語で大型の海鳥を指したalcatrazにさかのぼる言葉です。さらにその背景には、アラビア語で「潜るもの・潜水するもの」に関係する語があると考えられています。
英語へ入った後、ラテン語で「白い」を意味するalbusの影響を受け、語頭がalba-の形へ変化したと説明されます。つまり現在のalbatrossという綴りには、海鳥を指した古い呼び名と、白い鳥を思わせる音の連想が重なっています。
なお、かつて監獄が置かれたことで有名なAlcatraz IslandのAlcatrazも同じ語源を持ちます。albatrossとAlcatrazは、一見まったく違う言葉に見えて、どちらも海鳥の呼び名につながっています。
日本の「アホウドリ」はshort-tailed albatross
英語のalbatrossは仲間全体の総称です。日本語で種としての「アホウドリ」を指す場合は、short-tailed albatrossといいます。学名はPhoebastria albatrusです。
| 日本語名 | 英語名 | 名前のポイント |
|---|---|---|
| アホウドリ | short-tailed albatross | 「短い尾を持つアホウドリ」 |
| クロアシアホウドリ | black-footed albatross | 黒っぽい足が目印 |
| コアホウドリ | Laysan albatross | ハワイのレイサン島に由来 |
| ワタリアホウドリ | wandering albatross | 広大な海を「さまよう」ように移動 |
short-tailedは「尾が短い」という複合形容詞です。名詞の前で使うため、shortとtailedをハイフンでつないでいます。
The short-tailed albatross breeds mainly on islands near Japan.
アホウドリは主に日本近海の島々で繁殖します。
米国魚類野生生物局によると、short-tailed albatrossの翼開長は約213~229センチ。成鳥は白い体と淡い金色の頭、長い翼が特徴です。
なぜ日本語では「アホウドリ」?
日本語名は、繁殖地で人をあまり恐れず、地上では動きがゆっくりしていて捕まえやすかったことから付いたとされます。しかし、もちろん知能が低い鳥という意味ではありません。
海上では非常に優れた飛行能力を発揮し、長く細い翼を使って広大な海を移動します。陸上での不器用そうな姿だけを見た人間側の印象が、そのまま名前になったものです。
英語で日本語名を説明するときは、次のように言えます。
The Japanese name literally sounds like “foolish bird,” but the bird is actually a master of long-distance flight.
日本語名は文字どおりには「愚かな鳥」のように聞こえますが、実際には長距離飛行の達人です。
アホウドリはどうやって長距離を飛ぶ?dynamic soaring

アホウドリの特徴的な飛び方は、英語でdynamic soaringと呼ばれます。海面近くと少し高い場所では風速が異なります。その風の差を利用し、上昇・旋回・下降を繰り返して速度と揚力を得ます。
- rise into stronger wind:より強い風の中へ上昇する
- turn downwind:追い風方向へ向きを変える
- glide toward the waves:波へ向かって滑空する
- turn into the wind:風上へ向きを変える
NOAAは、アホウドリが海面からの高さによって異なる風速を利用するこの飛行方法をdynamic soaringと説明しています。風があるときは翼を何度も羽ばたかせなくても、波の谷へ降り、再び風の中へ上がるループを続けられます。
- glide:滑空する
- soar:上昇気流や風を利用して舞い上がる
- flap its wings:翼を羽ばたかせる
- wingspan:翼開長
- ocean wind:海上の風
The albatross can soar for hours without constantly flapping its wings.
アホウドリは絶えず羽ばたかなくても、何時間も飛び続けられます。
しゅみすけ(大山俊輔)
アホウドリの体を英語で説明しよう
- long, narrow wings:長く細い翼
- a hooked bill:先端が鉤状に曲がったくちばし
- webbed feet:水かきのある足
- a pale golden head:淡い金色の頭
- dark-tipped wings:先端が黒い翼
- dense waterproof feathers:密生した防水性の羽毛
Albatrosses have long, narrow wings adapted for soaring.
アホウドリ類には、滑空に適した長く細い翼があります。
Its hooked bill helps it catch squid and fish.
鉤状のくちばしは、イカや魚を捕らえるのに役立ちます。
albatrossは比喩で「重荷」という意味にもなる
英語のan albatross around someone’s neckは、「いつまでも付きまとう重荷・負担」という意味の表現です。
これはサミュエル・テイラー・コールリッジの物語詩『The Rime of the Ancient Mariner』に由来します。船乗りがアホウドリを殺した罰として、その死骸を首に掛けさせられる場面から、albatrossが消せない罪悪感や厄介な負担の象徴になりました。
The old project became an albatross around the company’s neck.
その古いプロジェクトは会社にとって重荷になりました。
Debt can become an albatross around your neck.
借金はいつまでも付きまとう重荷になり得ます。
鳥そのものを指すalbatrossと違い、比喩ではネガティブな意味になります。文脈で見分けましょう。
船旅・野鳥観察で使える英語例文
Is that an albatross or a large gull?
あれはアホウドリですか、それとも大きなカモメですか?
Look at its incredibly long wings!
あの驚くほど長い翼を見て!
It is gliding just above the waves.
波のすぐ上を滑空しています。
How wide is its wingspan?
翼開長はどのくらいですか?
Does this species breed in Japan?
この種類は日本で繁殖しますか?
We were lucky enough to spot a short-tailed albatross.
運よくアホウドリを見つけることができました。
Albatrosses spend most of their lives over the open ocean.
アホウドリ類は生涯の大部分を外洋で過ごします。
albatrossとgull・petrelの違い
| 英語 | 日本語 | 特徴 |
|---|---|---|
| albatross | アホウドリ類 | 非常に長く細い翼を持ち、外洋を長距離滑空する |
| gull / seagull | カモメ類 | 沿岸や港でもよく見られ、翼は比較的短い |
| petrel | ミズナギドリ類など | 外洋性の海鳥で、アホウドリより小型の種類が多い |
| shearwater | ミズナギドリ類 | 水面を切るように低く飛ぶ姿が名前の由来 |
遠くから見ると大きなカモメのように見えることがありますが、albatrossの大きな特徴は、外洋での生活に適応したexceptionally long, narrow wingsです。
関連する海鳥の英語
- カモメ=gull / seagull
- ウミネコ=black-tailed gull
- アジサシ=tern
- カツオドリ=brown booby
- ペリカン=pelican
- ペンギン=penguin
- 動物の英語名一覧
まとめ
- アホウドリは英語でalbatross
- 1羽はan albatross、複数形はalbatrosses
- 日本のアホウドリという種はshort-tailed albatross
- 発音は最初のALにアクセントを置く
- 長く細い翼でdynamic soaringを行う
- 比喩のan albatross around someone’s neckは「付きまとう重荷」
albatrossという名前だけでなく、glide・soar・wingspan・dynamic soaringまで一緒に覚えると、海の上を飛ぶ姿を英語で説明できます。大きな海鳥が波すれすれを飛んでいたら、That might be an albatross.と言ってみましょう。









