
do justice to は、「〜の良さや価値を十分に表す」「〜を正当に評価・表現する」という意味の英語イディオムです。
日常会話で特によく耳にするのが、This photo doesn’t do it justice. という否定形。「この写真では本当の良さが伝わらない」という意味で、景色・料理・商品・人の魅力などを褒めるときに使えます。
ただし、写真だけの表現ではありません。映画が原作の魅力を十分に表している、説明がテーマをきちんと扱っている、人が本来の実力を発揮している、といった場面にも使えます。この記事では、意味のつながり、AとBの語順、肯定形と否定形、do oneself justice まで例文で解説します。
Contents
do justice toの基本的な意味
A does justice to B は、「AがBの良さ・価値・実態を十分かつ公平に表す」という関係です。日本語訳は場面に応じて変わります。
- Bの良さを十分に表す
- Bを正当に評価する
- Bを適切に扱う
- Bの魅力を引き出す
- Bにふさわしい出来栄えになる
The film does justice to the original novel.
その映画は原作小説の魅力を十分に表しています。
Her performance did justice to the role.
彼女の演技は、その役の魅力を見事に表現していました。
This short summary cannot do justice to such a complex topic.
この短い要約では、その複雑なテーマを十分に扱えません。
中心にあるのは、裁判の「正義」そのものではなく、対象の価値に見合う扱いをするという感覚です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜjusticeで「良さを十分に表す」になる?
justice の基本は「公正さ・正当な扱い」です。do justice to something は、文字どおりに近く考えると「その対象に正当な扱いをする」。つまり、実際より低く見せたり、一面的に扱ったりせず、本来の価値にふさわしく表現することです。
たとえば、美しい景色をスマートフォンで撮っても、広がりや色の深さが十分に写らないことがあります。その写真は景色の価値に見合う表現ができていないため、The photo doesn’t do it justice. と言えます。

A does justice to Bの語順
語順は次のように整理すると分かりやすくなります。
A + do / does / did + justice + to + B
- A:表現・評価・扱いをする側
- B:良さや価値を表される対象
The article does justice to her achievements.
その記事は彼女の功績を正当に伝えています。
この例では、記事がA、彼女の功績がBです。日本語では「彼女の功績を記事が」と目的語を先に考えがちですが、英語では表現する側の The article から始めます。
時制によるdoの変化
This painting does justice to the landscape.
この絵は、その風景の魅力を十分に表しています。
The chef did justice to the local ingredients.
その料理人は地元の食材を見事に生かしました。
I hope the new version will do justice to the original.
新しい版が原作の魅力を十分に表してくれることを願っています。
主語が三人称単数の現在なら does、過去なら did、助動詞の後ろなら原形 do です。
否定形doesn’t do it justiceの使い方
doesn’t do it justice は、「それの本当の良さを十分に表していない」という定番の言い方です。ここでの it は、直前に話している景色・商品・料理・人・作品などを指します。
This photo doesn’t do it justice.
この写真では、本当の良さが伝わりません。
The pictures online don’t do the apartment justice.
ネット上の写真では、その部屋の本当の良さが伝わりません。
My description doesn’t do the concert justice.
私の説明では、そのコンサートのすばらしさを伝えきれません。
You look amazing. That profile picture doesn’t do you justice.
とてもすてきですね。そのプロフィール写真では、あなたの魅力が十分に伝わりません。
人に使う場合は褒め言葉になりますが、相手の写真を遠回しに低く評価することにもなるため、声の調子や関係性には配慮しましょう。
肯定形do justice toが自然な場面
映画・ドラマ・原作
The series really does justice to the book.
そのドラマシリーズは、原作の魅力を本当によく表しています。
I was worried about the adaptation, but the director did justice to the story.
映像化を心配していましたが、監督は物語を見事に表現していました。
演技・歌・芸術
No one could do justice to that song like she did.
彼女ほどその歌の魅力を表現できる人はいませんでした。
The lighting does justice to the artwork.
その照明は、作品の魅力を十分に引き出しています。
説明・記事・プレゼン
A ten-minute presentation can’t do justice to the entire project.
10分のプレゼンでは、プロジェクト全体を十分に説明できません。
His biography does justice to both her successes and her struggles.
彼の伝記は、彼女の成功と苦労の両方を公平に描いています。
料理・素材
This simple sauce really does justice to the fresh tomatoes.
このシンプルなソースは、新鮮なトマトの良さを見事に生かしています。
The restaurant didn’t do justice to such high-quality fish.
その店は、あれほど上質な魚の良さを十分に引き出せていませんでした。
do oneself justiceの意味
do oneself justice は、「本来の実力を十分に発揮する」「自分の能力にふさわしい結果を出す」という意味です。oneself は主語に合わせて変えます。
I didn’t do myself justice in the interview.
面接では、本来の自分の力を十分に出せませんでした。
Relax and do yourself justice.
落ち着いて、本来の実力を発揮してください。
She finally did herself justice in the final match.
彼女は決勝戦で、ついに本来の実力を発揮しました。
「自分を正当に扱う」と直訳するより、「自分の実力に見合うパフォーマンスをする」と理解すると自然です。
do justice to a mealは「しっかり食べる」
do justice to a meal / food は、料理を十分に味わって食べる、たっぷり食べるという意味で使われることがあります。少し改まった、またはユーモラスな響きがあります。
After the long hike, we did justice to the huge dinner.
長いハイキングのあと、私たちは豪華な夕食をしっかり平らげました。
I’m too full to do justice to dessert.
お腹がいっぱいで、デザートを十分に味わえそうにありません。
日常的に単に「全部食べた」と言うなら、We ate it all. や We really enjoyed the meal. のほうが直接的です。
似た表現との違い
give credit toとの違い
give credit to は、人の貢献・努力・アイデアを認めて功績を与える表現です。
We should give credit to the whole team.
チーム全員の功績を認めるべきです。
do justice to は、人の功績だけでなく、作品・景色・料理・説明などの価値を十分に表現することまで含みます。
詳しくは、give creditの意味とgive credit to・take credit forの違いも参考になります。
captureとの違い
capture は、写真・文章・演技などが特徴や雰囲気を「捉える」ことです。
The photo captures the mood of the city.
その写真は街の雰囲気を捉えています。
do justice to は、単に特徴を捉えたかではなく、本来の価値に見合うほど十分に表現できたかを評価します。
live up toとの違い
live up to は、期待・評判・基準に応えることです。
The movie lived up to my expectations.
その映画は私の期待に応えました。
do justice to the book は「原作の魅力を十分に表した」、live up to expectations は「観客などの期待に応えた」。比較する基準が異なります。
look better in personとの違い
It looks better in person. は、写真や画面で見るより実物のほうがよく見える、と直接比較する表現です。The photo doesn’t do it justice. は、写真が本当の魅力を表しきれていないと述べます。
買い物・景色・人についての使い分けは、「写真より実物のほうがいい」は英語で?で詳しく紹介しています。
日本人が間違えやすいポイント
justiceの前にtheを付けない
このイディオムでは、通常 do justice to と言い、justice の前に the を付けません。
○ The photo doesn’t do it justice.
× The photo doesn’t do it the justice.
toの後ろが評価・表現される対象
The film does justice to the book. なら、映画が表現する側、原作が価値を表される側です。語順を逆にすると意味も変わります。
「裁きを下す」という意味ではない
do justice to を「〜を裁く」と解釈しないようにしましょう。「裁く」なら judge や法律文脈の表現を使います。このイディオムは、対象を公平かつ十分に扱うことです。
否定形だけの表現ではない
doesn’t do it justice が有名ですが、肯定形も自然です。作品・演技・料理などを「見事に表現している」と褒めるときは、does justice to を使えます。
しゅみすけ(大山俊輔)
簡単な英語で言い換えるなら
このイディオムが出てこなくても、何が十分に伝わらないのかを直接説明すれば大丈夫です。
- The photo doesn’t show how beautiful it is.
その写真では、どれほど美しいかが伝わりません。 - The movie shows the book very well.
その映画は原作をとてもよく表しています。 - I couldn’t show my best in the interview.
面接で自分の力を十分に見せられませんでした。 - This short talk is not enough to explain everything.
この短い話だけでは、すべてを説明するには不十分です。 - The food was great, and we ate a lot.
料理はすばらしく、私たちはたくさん食べました。
show、explain、enough などの基本語に分ければ、場面に合った意味を無理なく伝えられます。
まとめ
do justice to は、「〜の良さ・価値を十分かつ正当に表す」というイディオムです。
- A does justice to B.=AがBの価値を十分に表す
- This photo doesn’t do it justice.=この写真では本当の良さが伝わらない
- do oneself justice=本来の実力を十分に発揮する
- do justice to a meal=料理を十分に味わう・しっかり食べる
- justiceの前にtheは付けない
ほかの定番表現も体系的に学びたい方は、英熟語・定型表現のまとめもあわせてご覧ください。









