
「得てして、うまくいっているときほど油断する」「得てして第一印象は当てにならない」——この得てして、英語ではどう言えばよいのでしょうか。
いちばん大切なのは、得てしてが単なる「よく」ではなく、経験から見て、そのような傾向があると一般論を述べる言葉だという点です。文脈に応じて it is often the case that、more often than not、tend to、often を使い分けます。
Contents
「得てして」の英語を先に比較
| 英語 | 中心ニュアンス | 得てしてとの相性 |
|---|---|---|
| it is often the case that | 〜ということがよくある | 一般論を丁寧に述べる |
| more often than not | たいていの場合 | 例外より該当する場合が多い |
| tend to | 〜する傾向がある | 人・物の傾向を説明する |
| often | しばしば、よく | 頻度を簡潔に伝える |
1. it is often the case that:一般論として「得てして〜だ」
It is often the case that … は、「〜ということがよくある」「往々にして〜だ」という、少し改まった言い方です。観察や経験に基づく一般論を述べる場面に向いています。
It is often the case that success makes people less careful.
得てして、成功すると人は注意深さを失うものです。
It is often the case that the simplest solution works best.
得てして、いちばん単純な解決策が最もうまくいくものです。
2. more often than not:「たいていの場合」という得てして
more often than not は直訳すると「そうでない場合より、そうである場合のほうが多い」。つまり半分を超える多くの場合という感覚です。「得てして」「たいてい」を自然な会話で表せます。
More often than not, first impressions are misleading.
得てして、第一印象は当てにならないものです。
More often than not, small improvements bring lasting results.
得てして、小さな改善が長続きする結果をもたらします。

3. tend to:主語の「傾向」に焦点を当てる
tend to + 動詞 は「〜する傾向がある」です。「得てして人は〜する」のように、誰・何にその傾向があるかを明確にしたいときに便利です。
People tend to remember negative experiences more clearly.
人は得てして、嫌な経験のほうを鮮明に覚えているものです。
We tend to overestimate what we can do in one day.
私たちは得てして、一日でできることを多く見積もりすぎます。
4. often:頻度をシンプルに言う
often は「よく」「しばしば」。得てしてに含まれる一般論らしさは弱くなりますが、会話で簡潔に言いたい場合には自然です。
Good ideas often come at unexpected times.
良い考えは得てして、思いがけないときに浮かびます。
得てして・とかく・ともすればの違い
| 日本語 | 焦点 | 自然な英語の軸 |
|---|---|---|
| 得てして | 経験上よく見られる傾向 | more often than not / it is often the case |
| とかく | そうなりがちな一般傾向 | tend to / be prone to |
| ともすれば | 放っておくと悪い方向へ行く可能性 | if not careful / be liable to |
得てしては、良いことにも悪いことにも使えます。一方、ともすればには警戒の気持ちが出やすく、とかくは「何かと」「〜しがちだ」という幅広い傾向を表します。
初心者向け:まずはこの2つでOK
難しく考えず、まず次の2パターンを覚えましょう。
More often than not, + 文.
たいていの場合/得てして〜です。
主語 + tend to + 動詞.
主語は〜する傾向があります。
たとえば「得てして人は変化を恐れる」は、次のどちらでも言えます。
More often than not, people fear change.
People tend to fear change.
よくある間違い
always にしてしまう
得てしては「必ず」ではありません。例外を含む傾向なので、always より often や tend to が適切です。
more often than not の語順を崩す
more often than not をひとかたまりで覚えましょう。文頭でも文末でも使えます。
tend to の後ろを名詞にする
tend to の後ろには基本的に動詞の原形を置きます。People tend to worry. の形です。
まとめ
- 一般論を丁寧に述べる:it is often the case that
- 該当する場合のほうが多い:more often than not
- 人や物の傾向を述べる:tend to
- 頻度を簡潔に伝える:often
「得てして」の訳は一語に固定せず、一般論なのか、多くの場合なのか、主語の傾向なのかを見て選ぶと自然です。
日本語ならではの微妙な言葉をもっと英語で言い分けたい方は、判断・推量・印象のニュアンス表現まとめと、「日本語のニュアンス表現を英語で」総まとめもどうぞ。
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