give overの意味は?「引き渡す・用途に充てる」と英国口語の使い方・語順

give overの「引き渡す・用途に充てる」という意味

give overには、主に「管理や責任を引き渡す」「場所・時間を特定の用途に充てる」という意味があります。また、英国の一部ではGive over!が「もうやめて!」「冗談でしょう」という口語表現になります。

ただし、give overはどの意味でも英語圏全体で均等に使われる頻出表現ではありません。「引き渡す」ならhand over、「用途に充てる」ならusedevoteのほうが分かりやすい場面も多くあります。

この記事では、意味だけでなく、どの用法がフォーマル・受動態・英国口語なのかを区別し、実際に使いやすい言い換えまで解説します。

give overの主な意味は3つ

1.管理・責任・所有などを引き渡す

give something over to someoneは、「物・管理・責任などを別の人へ引き渡す」という意味です。ややフォーマル、または古風に響くことがあり、日常的な引き継ぎではhand overのほうが一般的です。

The owner gave the business over to his daughter.
経営者は事業を娘に引き継ぎました。

The property was given over to the local authority.
その土地は地方自治体へ引き渡されました。

単に書類や鍵を手渡すより、管理権・責任・支配を相手へ移す場面に向きます。

2.場所・時間を特定の用途に充てる

give something over to a purposeまたはbe given over to a purposeで、「場所や時間を、ある用途のために使う・充てる」という意味になります。受動態がよく使われます。

The entire floor is given over to meeting rooms.
その階全体が会議室として使われています。

The afternoon was given over to staff training.
午後はスタッフ研修に充てられました。

Much of the building has been given over to storage.
建物の大部分が保管場所として使われています。

3.Give over!:もうやめて・冗談でしょう

Give over!は英国の一部、特に地域色のあるくだけた会話で、「もうやめて」「いい加減にして」「冗談でしょう」という意味になります。

Give over! You’re making too much noise.
もうやめて!うるさすぎるよ。

“I won the lottery.” “Oh, give over!”
「宝くじに当たったんだ」「またまた、冗談でしょう!」

米国英語では一般的ではなく、英国でも話者の地域や世代によって使用感が異なります。自分から無理に使うより、ドラマや会話で聞いたときに理解できれば十分な表現です。

しゅみすけ(大山俊輔)

give overは、三つの意味を同じ頻度で覚える必要はありません。まずbe given over toを読めるようにし、引き渡しにはhand over、英国口語にはStop it!という言い換えを持っておくと実用的です。

give+overから意味の仕組みを理解しよう

giveは、自分の側にある物・権利・時間などを相手側へ渡す動詞です。overには、境界を越えて向こう側へ移す、全体を覆う、ある状態へ完全に移行させる感覚があります。

そのためgive overは、「自分の管理下にあったものを向こう側へ渡す」「場所や時間の全体を、ある用途へ移す」という意味につながります。

  • 責任をこちら側から相手側へ移す → 引き渡す
  • 部屋全体を別の目的へ移す → 用途に充てる
  • 行為を完全に終わらせるよう求める → Give over!

give overの語順と代名詞の位置

give overの引き渡す・用途に充てる・英国口語という3つの使い方

give+物+over to+人

引き渡す物や責任は、通常giveとoverの間に置きます。

give + 物・責任 + over to + 人・組織

  • They gave control over to the new director.
    彼らは新しい責任者に管理権を引き渡しました。
  • She gave the documents over to the police.
    彼女はその書類を警察へ引き渡しました。

代名詞なら間に置きます。

  • Give it over to the new team.
  • × Give over it to the new team.

give+場所・時間+over to+用途

用途を表すときも、何を充てるのかをgiveとoverの間へ置けます。

They gave the back room over to storage.
彼らは奥の部屋を保管用にしました。

ただし、この用法では受動態が非常に自然です。

The back room was given over to storage.
奥の部屋は保管用に使われました。

Give over!は目的語を置かない定型表現

英国口語のGive over!は、そのまま命令文として使います。「何かを引き渡して」という意味ではないため、前後の会話と話者の地域から判断します。

活用形:gave over・given over

giveの過去形はgave、過去分詞はgivenです。

例文 意味
現在形 They give the space over to exhibitions. その場所を展示に使う
過去形 They gave the office over to the project team. 事務所をプロジェクトチーム用にした
受動態 The hall is given over to community events. ホールは地域行事に使われている
現在完了 The land has been given over to farming. 土地は農業用に転用された

場面別の自然な例文

仕事・組織

Responsibility for the project was given over to another department.
そのプロジェクトの責任は別の部署へ移されました。

The founder eventually gave the company over to a professional management team.
創業者は最終的に会社を専門の経営チームへ引き継ぎました。

One room has been given over to online meetings.
一室がオンライン会議専用になっています。

建物・場所

The old station has been given over to shops and cafés.
その古い駅舎は店舗やカフェとして使われています。

Most of the garden is given over to vegetables.
庭の大部分は野菜の栽培に使われています。

The top floor was given over to temporary accommodation.
最上階は仮の宿泊施設に充てられました。

時間・イベント

The final hour was given over to questions from the audience.
最後の1時間は聴衆からの質問に充てられました。

Sunday was given over entirely to rest.
日曜日は完全に休養に充てられました。

英国のくだけた会話

Give over! I’m trying to concentrate.
もうやめて!集中しようとしているんだから。

Oh, give over—you’re not that old.
またまた。そんなに年じゃないでしょう。

give over・hand over・turn overの違い

hand over:手渡す・管理を引き渡す

hand overは、物を実際に手渡す場合にも、管理・責任を移す場合にも使える一般的な表現です。

Please hand over your ID.
身分証を渡してください。

現代の日常・仕事英語で「引き渡す」と言いたいなら、まずhand overを選ぶと安全です。

turn over to:管理・権限・発言を渡す

turn over toの意味と使い方は、仕事・権限・人・証拠を引き渡すほか、会議で次の話者へ発言を渡す場面にも使えます。

I’ll turn the meeting over to Maya.
ここからはマヤに進行を引き継ぎます。

give over:用途への割り当てにも使う

give overは、引き渡しだけでなく、場所や時間を特定用途へ全面的に充てる用法が特徴的です。

The room is given over to storage.
その部屋は保管用に使われています。

give overとgive upは違う

give upは「諦める・やめる」、give overは「引き渡す・用途に充てる」です。

  • He gave up the business.
    彼はその事業をやめました。
  • He gave the business over to his daughter.
    彼はその事業を娘へ引き継ぎました。

前者は事業を続けることをやめ、後者は事業そのものを別の人の管理へ移しています。

日本人が間違えやすいポイント

頻出表現だと思って無理に使わない

give overは辞書に複数の意味がありますが、すべてが日常会話で頻繁に使われるわけではありません。引き渡しならhand over、場所の用途ならuse、英国口語ならStop it!のほうが広く通じます。

代名詞はgiveとoverの間

  • Give it over to them.
  • × Give over it to them.

Give over!を標準的な米国英語として使わない

この命令表現は英国の地域色があります。米国英語を中心に話す相手には、Stop it!Come on!You must be joking!などが分かりやすいでしょう。

しゅみすけ(大山俊輔)

辞書に載っている句動詞でも、使う地域や場面は同じではありません。give overは「読んで理解する表現」として押さえつつ、自分で話すときはhand overやuseに言い換えられれば十分です。

この句動詞が出てこなかったら?簡単な英語ならこう言える

管理・責任を引き渡す

  • The new team will manage it.
    新しいチームがそれを管理します。
  • She is now responsible for the business.
    今は彼女がその事業の責任者です。
  • Please give it to the manager.
    それを責任者に渡してください。

場所・時間を用途に充てる

  • We use this room for storage.
    この部屋は保管用に使っています。
  • We spent the afternoon on training.
    午後は研修に使いました。
  • This floor is only for meetings.
    この階は会議専用です。

もうやめて・冗談でしょう

  • Stop it!
    やめて!
  • Come on!
    またまた!/いい加減にして!
  • You must be joking!
    冗談でしょう!

give overが出てこなくても、「誰が管理するのか」「何のために使うのか」「やめてほしいのか」を短い基本文で直接伝えれば問題ありません。

まとめ

  • give+物+over to+人:管理・責任などを引き渡す
  • be given over to+用途:場所・時間を用途に充てる
  • Give over!:英国の地域色がある「もうやめて・冗談でしょう」
  • 過去形はgave over、過去分詞はgiven over
  • 代名詞はgive it overの語順
  • 実際の会話ではhand over、use、Stop it!なども使いやすい

まずは意味が分かりやすく実用的なThe room is given over to storage.を、場所や用途を変えて練習してみましょう。

giveを使った表現をまとめて比較したい方は、giveを使った句動詞の意味・使い方一覧もあわせてご覧ください。

この記事を書いた人
しゅみすけ(大山俊輔)

b わたしの英会話および英語コーチングGRIT/be:RIZE代表。米国MBA取得、外資系企業4社での勤務経験を持ち、これまで多くの大人の英語学習を支援。日本語と英語の処理構造の違いに着目した「英語OS」の考え方をもとに、独学で伸び悩む人の学び直しをサポートしています。

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