
「参加を強制された」「規則で提出を義務づけられた」「無理やり謝らされた」——日本語ではどれも「強制する」と言えますが、英語は強制のしかたによって表現が変わります。
いちばん基本のforce、会話でよく使うmake、規則や条件を表すrequire、硬く強いcompelを、例文と一緒に整理しましょう。
しゅみすけ(大山俊輔)
Contents
「強制する」の英語早見表
| 表現 | 中心となる意味 | 形 |
|---|---|---|
| force | 意思に反して無理にさせる | force 人 to do |
| make | 人に〜させる(日常会話) | make 人 do |
| require | 規則・条件として求める | require 人 to do |
| compel | 強い力・事情・法的根拠で強いる | compel 人 to do |
force:意思に反して無理にさせる
forceは、「本人はしたくないのに、力・圧力・事情によってさせる」という強い意味です。人を目的語にして、force someone to doの形で使います。
- They forced him to sign the document.
彼らは彼にその書類への署名を強制しました。 - No one should force you to make a quick decision.
誰もあなたに即決を強制すべきではありません。 - The bad weather forced us to cancel the event.
悪天候のため、私たちはイベントを中止せざるを得ませんでした。
最後の例のように、人ではなく事情が主語になると「〜せざるを得ない状況にする」という意味になります。
make:人に〜させる
makeは日常会話で非常によく使う使役表現です。必ずしも乱暴な強制とは限らず、親・先生・上司などが「人に何かをさせる」場面にも使えます。
- My boss made me work late.
上司は私を遅くまで働かせました。 - She made her son apologize.
彼女は息子に謝らせました。 - Don’t make me choose right now.
今すぐ私に選ばせないでください。
大切なのは語順です。make 人 doでは、動詞の前にtoを置きません。
require:規則・条件として求める
requireは、個人が力ずくでさせるというより、法律・会社・学校・手続きなどが「必要条件として求める」ときに自然です。
- The company requires employees to wear ID badges.
会社は従業員にIDカードの着用を義務づけています。 - This job requires you to travel frequently.
この仕事では頻繁な出張が求められます。 - All visitors are required to register.
すべての訪問者は登録を求められます。
be required to doは「〜することを義務づけられている」という案内や規則でよく見かけます。
compel:正式・強い理由で強いる
compelはforceより硬い語で、法律・権限・強い事情によって「そうせざるを得なくする」ときに使われます。ニュース、法律、文章でよく使われ、日常会話ではforceやmakeのほうが自然なことが多いです。
- The court compelled the company to disclose the records.
裁判所は会社に記録の開示を命じました。 - Financial pressure compelled her to sell the house.
経済的な圧力により、彼女は家を売らざるを得ませんでした。 - I felt compelled to speak up.
私は声を上げずにはいられないと感じました。
force・make・require・compelの違いをイラストで比較

場面別:「強制する」はこう言い分ける
参加を強制する
They forced us to attend the meeting.
彼らは私たちに会議への参加を強制しました。
子どもに宿題をさせる
I made my daughter finish her homework.
私は娘に宿題を終わらせました。
規則で身分証の提示を求める
The rules require guests to show identification.
規則により、宿泊客は身分証の提示を求められます。
法律によって証言させる
The law can compel a witness to testify.
法律によって証人に証言を求めることができます。
難しい単語が出ないときの簡単英語
forceやcompelがすぐに出なくても、基本語で意味を伝えられます。
- They made me do it.
彼らにそれをさせられました。 - I had no choice.
選択の余地がありませんでした。 - I had to follow the rule.
その規則に従わなければなりませんでした。 - They didn’t let me say no.
彼らは私に「嫌だ」と言わせてくれませんでした。
「強制された」をそのまま難しい一語にしようとせず、I had to …やI had no choice.に分けると、初心者でも自然に伝えられます。
よくある間違い
× make me to do
makeの後はtoを使いません。
× She made me to wait.
○ She made me wait.
彼女は私を待たせました。
forceとrequireを同じように使う
forceは本人の意思に反する強い圧力、requireは規則や条件として必要とする表現です。
The school requires students to wear uniforms.
学校は生徒に制服の着用を義務づけています。
通常の校則ならforceよりrequireが自然です。
compelを日常の小さなお願いに使う
compelは硬く重い響きがあります。「母に部屋を掃除させられた」程度なら、My mother made me clean my room.が自然です。
短い会話例
A: Did they force you to sign it?
署名を強制されたの?
B: Not exactly, but I felt I had no choice.
完全にそうではないけど、選択の余地がないように感じたよ。
A: Then you should ask for more time.
それなら、もう少し時間をもらえるよう頼んだほうがいいね。
「強制する」と「説得する」の違い
「強制する」は、相手の意思に反してでも行動させることです。一方、「説得する」は、理由を伝えて相手に納得してもらうこと。相手の選択が残っているなら、「説得する」のpersuade・convince・talk intoの違いも確認してみてください。
また、強制に従わず踏みとどまる側の表現は、「抵抗する」のresist・push back・fight the urgeの違いで詳しく解説しています。
関連するまとめ記事
「強制する」と近い、人や状況への働きかけ方は、介入・影響・強制の英語表現まとめで横断比較できます。ほかの分野を含む48語の全体像は、力関係・介入・抑制・社会制度の英語表現まとめをご覧ください。
まとめ
- force 人 to do:意思に反して無理にさせる
- make 人 do:人に〜させる。toは不要
- require 人 to do:規則・条件として求める
- compel 人 to do:法律や強い事情で強いる硬い表現
迷ったら、強い強制はforce、日常の「〜させる」はmake、規則ならrequireと考えると整理しやすいです。難しい単語が出ないときは、I had to … や I had no choice. で十分伝えられます。










