
make itは、会話で非常によく使われる表現です。「成功する」「間に合う」「参加できる」「切り抜ける・回復する」など、文脈によって日本語訳が変わります。
一見すると意味がばらばらに見えますが、共通する感覚は「目指していた地点・結果まで到達する」です。この記事では、make itの4つの基本用法、よく使う語順、似た表現との違いを、自然な例文とともに整理します。
Contents
make itの基本イメージは「目標地点まで到達する」
makeには「作る」だけでなく、努力してある状態や結果を実現する感覚があります。make itのitは、具体的な物ではなく、会話の中で共有されている目標・場所・時刻・予定・困難の先を指すと考えると分かりやすくなります。
- 目標に到達する → 成功する
- 時間までに到達する → 間に合う
- 予定の場所に到達する → 参加できる
- 困難の先まで到達する → 切り抜ける・回復する
しゅみすけ(大山俊輔)

make itの4つの意味と使い方
1.「成功する・やり遂げる」
夢、試験、仕事、競争などで、目標としていた結果に到達したときに使います。単なる成功だけでなく、苦労の末に「ついにやった」という達成感を伴うことがよくあります。
She worked for years, and she finally made it.
彼女は何年も努力し、ついに成功しました。
I made it! I passed the interview.
やった!面接に受かりました。
Do you think our small shop can make it?
私たちの小さな店はうまくやっていけると思いますか。
成功する意味では、make goodもあります。ただしmake goodはやや古風で、「身を立てる」「約束や損害を埋め合わせる」という用法も持ちます。日常会話で「ついにやった!」ならmake itのほうが自然です。
2.「間に合う・到着する」
電車、締め切り、予約時刻など、時間や場所というゴールへ到達するときの使い方です。到着先や時刻を続ける場合は、make it to+場所、make it by+時刻、make it on timeがよく使われます。
We ran and made it to the train just in time.
私たちは走って、ぎりぎり電車に間に合いました。
Can you make it here by six?
6時までにここへ来られますか。
I don’t think I’ll make it on time.
時間どおりには間に合わないと思います。
We finally made it to the hotel after midnight.
私たちは真夜中を過ぎて、ようやくホテルに着きました。
移動そのものを表すmake one’s wayに対し、make itは「目的地に着けた」という結果に焦点を当てます。
3.「参加できる・都合がつく」
誘いや予定についてI can make it.と言うと、「そこへ行ける」から転じて「参加できます・都合がつきます」という意味になります。反対のI can’t make it.は、予定に参加できないことをやわらかく伝える定番表現です。
Thanks for inviting me. I can make it on Friday.
招待してくれてありがとう。金曜日なら参加できます。
Sorry, I can’t make it to dinner tonight.
ごめんなさい、今夜の夕食には行けません。
Can everyone make it at 10 a.m.?
皆さん、午前10時で都合はつきますか。
can’t make itは予定そのものを拒絶する響きではなく、「事情があって行けない」という自然で柔らかな言い方です。仕事で会議招待を辞退するときは、declineとcan’t make itの使い分けも参考にしてください。
4.「切り抜ける・助かる・回復する」
困難、病気、事故、厳しい期間などを越えて、その先まで到達する意味です。何を切り抜けるかを明示するときは、make it through+困難・期間を使います。
It was a difficult month, but we made it through.
大変な1か月でしたが、私たちは何とか乗り切りました。
She made it through the final exam week.
彼女は期末試験の週を何とか乗り切りました。
The doctor says he’s going to make it.
医師は、彼は助かるだろうと言っています。
病気や事故の文脈でHe’ll make it.と言うと、「彼は成功する」ではなく「彼は助かる・回復する」という意味になります。何をゴールとして話しているかを文脈から判断しましょう。
よく使う形と語順
make it+副詞・時刻
make it on time(時間どおりに間に合う)、make it by Friday(金曜日までに間に合わせる)、make it early(早めに来る)などの形です。
Can we make it by noon?
正午までに間に合わせられますか。
make it to+場所・段階
toの後ろには、実際の場所だけでなく、決勝、最終選考、人生の節目などの到達点も置けます。
Our team made it to the finals.
私たちのチームは決勝に進みました。
My grandparents both made it to ninety.
祖父母は二人とも90歳まで生きました。
make it through+困難・期間
throughには「中を通り抜けて向こう側へ」という感覚があります。そのため、make it throughは困難や長い期間を最後まで乗り越えることを表します。
Coffee helped me make it through the night shift.
コーヒーのおかげで夜勤を乗り切れました。
make it as+職業・立場
make it as a writerなら「作家として成功する」です。asの後ろに、成功したい職業や立場を置きます。
She hopes to make it as a designer.
彼女はデザイナーとして成功したいと思っています。
否定形can’t make itは文脈に注意
can’t make itは、文脈によって主に次の3通りになります。
- I can’t make it by five.=5時までに間に合いません
- I can’t make it to the party.=パーティーに参加できません
- I don’t think I can make it through another week.=もう1週間は乗り切れそうにありません
日本語の「できない」だけで覚えず、どのゴールに到達できないのかを見ることが大切です。
しゅみすけ(大山俊輔)
make itと似た表現の違い
succeedとの違い
succeedは「成功する」を直接表す標準的な語です。make itはより会話的で、努力の末に目標へ到達した達成感が出やすい表現です。
She succeeded in business.
彼女はビジネスで成功しました。
She finally made it.
彼女はついにやりました。
arrive・get thereとの違い
arriveは到着という事実を中立的に述べます。get thereは「そこへ着く」という基本的な会話表現です。make itは、時間的な制約や困難を越えて「ちゃんと着けた」というニュアンスを持ちやすくなります。
- We arrived at six.=6時に到着しました
- We got there safely.=無事にそこへ着きました
- We made it just in time.=ぎりぎり間に合いました
attendとの違い
attendは会議や授業などに「出席する」という行為を表します。make itは、予定や都合の面で「参加可能である」ことを表します。
I’ll attend the meeting.
会議に出席します。
I can make it to the meeting.
その会議なら都合がつき、参加できます。
surviveとの違い
surviveは事故・病気・危険を「生き延びる」と直接表します。make itは会話的で、「何とか助かる」「乗り越える」という希望や安堵を含みやすい表現です。
日本人が間違えやすいポイント
itを具体的な「それ」と訳しすぎない
make itのitは、多くの場合、物を指す「それ」ではありません。目標として共有されている結果や予定を受けるため、make it全体で意味を取ります。
「作る」の意味に引っ張られない
I made it.を「私はそれを作った」と言いたい場合、普通は何を作ったかが明確なI made this.やI made it myself.などの文脈が必要です。単独のI made it!は、多くの場合「やった!」「間に合った!」です。
目的地の前にはtoを置く
make it to the airportのように、到達先を続けるときは原則としてtoを使います。
- ○ We made it to the airport.
- × We made it the airport.
make itが出てこないときの簡単な言い換え
make itを無理に使わなくても、基本的な英語で十分に伝えられます。
- 成功した → I succeeded. / I did it.
- 時間どおり着いた → I arrived on time.
- 参加できます → I can come. / I can join.
- 参加できません → I can’t come.
- 何とか乗り切った → I got through it.
- 彼は回復するでしょう → He will recover.
まずは簡単な文で伝え、慣れてきたらmake itに置き換えるとよいでしょう。
まとめ
make itの中心にあるのは、「目指していた地点・結果まで到達する」という感覚です。
- 目標へ到達する → 成功する
- 時刻・場所へ到達する → 間に合う・着く
- 予定の場所へ行ける → 参加できる・都合がつく
- 困難の先へ到達する → 切り抜ける・回復する
I made it!は、試験に受かったときにも、ぎりぎり電車に間に合ったときにも使えます。まずは「ゴールに着いた!」という共通イメージを持ち、前後の文脈から自然な日本語を選びましょう。
ほかの熟語や定型表現も学びたい方は、英熟語・定型表現の一覧をご覧ください。
makeを使うほかの表現もまとめて確認したい方は、makeを使った句動詞一覧をご覧ください。









