
not to say … は、「…とは言わないまでも」「…とまでは言わないが」という意味で使われる定型表現です。
先に少し控えめな評価を述べ、そのあとに not to say+より強い表現 を添えます。
The plan is risky, not to say reckless.
その計画は、無謀とまでは言わないが、危険です。
日本語では語順を入れ替えて「Bとまでは言わないがA」と訳すと自然です。この記事では、not to say の意味、語順、ニュアンス、例文、not to mention や not A but B との違いを分かりやすく解説します。
Contents
not to sayの基本的な意味
not to say は、直訳すると「…と言わないために」ですが、実際には次のような意味になります。
- …とは言わないまでも
- …とまでは言わないが
- …とは言わないにしても
基本の形は次のとおりです。
A, not to say B
Aだ。Bとまでは言わないが。
Bには、Aよりも強い評価や言い方が入ります。
Her comment was insensitive, not to say cruel.
彼女の発言は、残酷とまでは言わないが、配慮に欠けていました。
insensitive より cruel のほうが強い言葉です。話し手は cruel と断定するのを避けながら、「かなりそこに近い」とほのめかしています。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜ「とは言わないまでも」という意味になる?
この表現のポイントは、say B=Bだと言うことを、not でいったん抑えている点です。
たとえば、次の文を見てみましょう。
The service was slow, not to say terrible.
そのサービスは、ひどいとまでは言わないが、遅かったです。
話し手は terrible と断言していません。しかし、わざわざ terrible を持ち出すことで、「ひどいと言いたくなるほどだった」という含みが生まれます。
つまり not to say は、単純にBを否定する表現ではありません。強い評価Bを避けつつ、その一歩手前まで印象を強める表現です。

not to sayの語順と文法
よく使われる形は、次の2つです。
1.形容詞A, not to say 形容詞B
The interview was challenging, not to say exhausting.
その面接は、くたくたになるほどとは言わないまでも、大変でした。
His answer was vague, not to say misleading.
彼の答えは、誤解を招くとまでは言わないが、曖昧でした。
2.名詞・句A, not to say 名詞・句B
The delay caused inconvenience, not to say serious financial loss.
その遅れは、深刻な金銭的損失とまでは言わないが、不便を引き起こしました。
not to say の前には、通常カンマを置きます。会話ではカンマの位置で少し間を取り、後ろの強い言葉を慎重に付け足す感覚です。
日常会話・仕事で使える例文
仕事
The schedule is tight, not to say unrealistic.
その日程は、非現実的とまでは言わないが、かなり厳しいです。
Her proposal was bold, not to say risky.
彼女の提案は、危険とまでは言わないが、大胆でした。
人間関係
His message was direct, not to say rude.
彼のメッセージは、失礼とまでは言わないが、かなり率直でした。
She seemed disappointed, not to say angry.
彼女は、怒っているとまでは言わないが、がっかりしているようでした。
旅行・暮らし
The hotel room was uncomfortable, not to say unsafe.
そのホテルの部屋は、危険とまでは言わないが、居心地がよくありませんでした。
The restaurant was expensive, not to say overpriced.
そのレストランは、割高とまでは言わないが、高かったです。
not to sayとnot to mentionの違い
形は似ていますが、役割は異なります。
| 表現 | 役割 | 日本語の目安 |
|---|---|---|
| not to say B | Aより強い評価Bを控えめに示す | Bとまでは言わないが |
| not to mention B | 別の重要な情報Bを追加する | Bは言うまでもなく/そのうえBも |
The job is stressful, not to say exhausting.
その仕事は、消耗するとまでは言わないが、ストレスが多いです。
The job is stressful, not to mention poorly paid.
その仕事はストレスが多いうえに、給料も安いです。
not to say では exhausting が stressful を強めています。一方、not to mention では poorly paid という別の問題を追加しています。
not A but B・not so much A as Bとの違い
not A but B は「AではなくB」と訂正する形です。
It was not difficult but time-consuming.
難しかったのではなく、時間がかかりました。
対して not to say は、最初のAを否定しません。
It was difficult, not to say impossible.
不可能とまでは言わないが、難しかったです。
また、not so much A as B は「AというよりむしろB」と評価の中心をBへ移します。not to say はAを土台にしながら、さらに強いBをほのめかす点が違います。
会話では少し硬めの表現
not to say は正しい英語ですが、日常会話ではやや硬く、修辞的に響くことがあります。仕事の説明、レビュー、文章、慎重な意見などでは自然です。
会話で簡単に言いたいときは、次のように言い換えられます。
- I wouldn’t call it dangerous, but it was risky.
危険とまでは言わないけれど、リスクはありました。 - It was very difficult—almost impossible.
とても難しく、ほとんど不可能でした。 - It wasn’t rude, but it was quite direct.
失礼ではなかったけれど、かなり率直でした。
しゅみすけ(大山俊輔)
日本人が間違えやすいポイント
後ろに弱い言葉を置かない
not to say の後ろには、通常、前より強い表現を置きます。
○ It was unpleasant, not to say unbearable.
耐えられないとまでは言わないが、不快でした。
unpleasant より unbearable のほうが強いため、自然な流れです。
Bを完全に否定しているとは限らない
not to say B は「絶対にBではない」という意味ではありません。Bと断定するのを避けながら、「Bと言ってもよいほどだ」と感じさせることがあります。
日本語訳では順番が逆になりやすい
英語は A, not to say B ですが、日本語では 「Bとまでは言わないがA」 と訳すのが自然です。語順をそのまま追わず、AとBの強さを確認しましょう。
まとめ
- not to say … は「…とは言わないまでも」「…とまでは言わないが」
- A, not to say B のBには、Aより強い評価が入る
- Bを断言せず、慎重にほのめかすニュアンスがある
- not to mention は別情報の追加なので意味が違う
- 会話では I wouldn’t call it B, but it was A. と簡単に言い換えられる
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