
「発言を撤回する」「申請を撤回する」「提案を撤回する」など、日本語ではどれも「撤回する」と言えます。しかし英語では、撤回するものや場面によって withdraw、take back、retract などを使い分けます。
今回はフォーマルな直訳表現だけでなく、難しい単語が出てこないときに使える初心者向けの簡単な英語も紹介します。
Contents
「撤回する」の英語を先に一覧で確認
| 英語 | 主な場面 | ニュアンス |
|---|---|---|
| withdraw | 申請・提案・立候補・辞表 | 正式に取り下げる |
| take back | 発言・言葉 | 言ったことを取り消す |
| retract | 声明・報道・主張 | 公式に撤回・訂正する |
| cancel | 予定・予約・注文 | 実施を中止する |
迷ったときは、書類や正式な申し出なら withdraw、会話で自分の言葉を取り消すなら take back と覚えると使いやすいです。
withdraw:申請・提案などを正式に撤回する
withdraw は、提出した申請、提案、申し出、辞表などを正式に取り下げるときの基本表現です。過去形は withdrew、過去分詞は withdrawn です。
- She withdrew her application.
彼女は申請を撤回しました。 - We decided to withdraw the proposal.
私たちはその提案を撤回することにしました。 - He withdrew from the election.
彼は選挙への立候補を取り下げました。 - I would like to withdraw my resignation.
辞表を撤回したいのですが。
対象を直接置くなら withdraw the application。競争・選挙・活動などから身を引くなら withdraw from を使います。
take back:言ったことを撤回する
take back は日常会話で「今言ったことを取り消す」「前言撤回する」と言いたいときに自然です。
- I take back what I said.
さっき言ったことを撤回します。 - Take that back!
今の言葉を取り消して! - He refused to take back his comment.
彼は自分の発言を撤回しようとしませんでした。 - I was wrong. I take it back.
私が間違っていました。撤回します。
take it back は短くて覚えやすく、初心者にも使いやすい表現です。ただし「商品を店に返品する」という意味にもなるため、文脈で判断します。
retract:声明・報道・主張を公式に撤回する
retract は、公開した声明、記事、主張などを公式に撤回するときの硬めの表現です。報道、研究、法的な文脈でよく見かけます。
- The newspaper retracted the story.
その新聞社は記事を撤回しました。 - She retracted her statement.
彼女は声明を撤回しました。 - The journal retracted the paper.
その学術誌は論文を撤回しました。
日常会話なら take back で十分なことが多く、retract は公に発表されたものを正式に引っ込めるイメージです。

cancelは「撤回」より「中止・取り消し」
cancel は予定、予約、契約、注文などを中止するときに使います。すでに述べた意見や提出済みの申請を「撤回する」意味では、withdraw や take back のほうが自然です。
- We canceled the meeting.
会議を中止しました。 - I need to cancel my reservation.
予約を取り消す必要があります。 - She canceled the order.
彼女は注文をキャンセルしました。
「提案を撤回した」を canceled the proposal とすると不自然になりやすいため、withdrew the proposal としましょう。
難しい単語が出ないときの簡単な英語
withdraw や retract が思い出せなくても、知っている単語で状況を説明できます。
- I changed my mind.
考えが変わりました。 - I don’t want to apply anymore.
もう応募・申請したくありません。 - Please ignore my last message.
前のメッセージは無視してください。 - What I said was wrong.
私が言ったことは間違っていました。 - We won’t use that proposal.
その提案は使わないことにします。
「撤回する」を無理に一語へ変換せず、考えが変わった・もう使わない・前の発言は間違いだったと説明すれば十分伝わります。
よくある間違い
1.withdraw from の from を何にでも付ける
- ○ She withdrew her application.
- × She withdrew from her application.
application や proposal を取り下げるときは目的語を直接置きます。選挙や大会など「参加している場から離れる」ときに withdraw from を使います。
2.発言の撤回に cancel を使う
× I cancel what I said.
自然なのは I take back what I said. または I take it back. です。
3.withdraw の過去形を withdrawed にする
withdraw は不規則変化です。
- 現在形:withdraw
- 過去形:withdrew
- 過去分詞:withdrawn
短い英会話で確認
A: Are you still going to submit that proposal?
(その提案、まだ提出する予定?)
B: No. I decided to withdraw it.
(ううん。撤回することにしたの。)
A: What happened?
(どうしたの?)
B: I changed my mind after seeing the new data.
(新しいデータを見て考えが変わったの。)
最後の I changed my mind. は、withdraw が出てこないときにも使える自然で簡単な説明です。
「撤回する」「取り消す」「否認する」の違い
- 撤回する:自分が出した発言・申請・提案を引っ込める → withdraw / take back / retract
- 取り消す:予定・予約・注文などを無効にする → cancel
- 否認する:疑惑や関与を事実ではないと認めない → deny
疑惑や関与を認めない表現については、「否認する」は英語で?deny・dispute・plead not guiltyの違いで詳しく紹介しています。
意見に理由をつけて言い返す場合は撤回ではなく反論です。「反論する」は英語で?disagree・push back・refuteの違いもあわせてどうぞ。
まとめ
申請・提案・辞表などを正式に撤回するなら withdraw、会話で言葉を取り消すなら take back、声明や報道を公式に撤回するなら retract が自然です。予定や予約の取り消しには cancel を使います。
難しい単語が出ないときは、I changed my mind. や What I said was wrong. でもOK。まずは会話で便利な I take it back. から覚えてみましょう。










