
高価なプレゼントを贈ったのに、相手は価値に気づいていない。役立つ道具を渡しても、まったく使ってもらえない。そんな「価値が分からない相手に貴重なものを与えても無駄」という状況を表すのが、猫に小判です。
英語の定番表現は、cast pearls before swine。直訳すると「豚の前に真珠を投げる」で、日本語の「豚に真珠」とほぼ同じ発想です。
ただし、この表現は少し古風で、相手を豚にたとえる強い響きもあります。日常会話では、He doesn’t appreciate it. のような簡単な英語のほうが自然で安全なことも多いです。
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「猫に小判」は英語で?
ことわざとして対応する代表的な英語は、次の表現です。
Cast pearls before swine.
(豚の前に真珠を投げる)
cast は「投げる」、pearls は「真珠」、swine は「豚」を意味します。価値の分からない相手に、立派なものや有益な助言を与えても無駄になる、というたとえです。
Giving him that expensive wine would be casting pearls before swine.
彼にその高級ワインをあげても、猫に小判でしょう。
Explaining the finer points to them felt like casting pearls before swine.
彼らに細かな魅力を説明しても、猫に小判のように感じました。

pearls before swineは聖書に由来する表現
pearls before swine は、新約聖書の「マタイによる福音書」に由来する表現です。現代英語では、cast pearls before swine のほか、throw pearls before swine と言うこともあります。
また、会話では動詞を省いて、次のように使われることもあります。
It’s pearls before swine.
それは猫に小判です。
意味は通じますが、普段の気軽な会話で頻繁に使う表現ではありません。教養のあることわざ表現として理解しつつ、実際の会話では状況に合う平易な言い換えも持っておくと便利です。
初心者でも言える簡単な英語
「猫に小判」を英語のことわざで完璧に再現しなくても、相手が価値を分かっていないことを短い英語で言えば十分伝わります。
He doesn’t appreciate it.
彼は、そのありがたみが分かっていません。
appreciate には「感謝する」だけでなく、「価値を正しく理解する」という意味があります。「猫に小判」の状況を説明するときに、とても使いやすい単語です。
She doesn’t see its value.
彼女には、その価値が分かっていません。
see を使うので、難しい単語を思い出せないときにも言いやすい表現です。
It’s wasted on him.
彼にはもったいないです。
be wasted on 人 は、相手が価値を理解できず、良いものが無駄になるという意味です。「猫に小判」にかなり近く、日常会話でも自然に使えます。
She won’t use it.
彼女はそれを使わないでしょう。
価値の判断ではなく、「渡しても使わない」という事実だけを伝える安全な言い方です。
He doesn’t need anything that expensive.
彼には、そんなに高価なものは必要ありません。
プレゼントを選んでいる場面なら、相手を悪く言わずに「猫に小判になりそう」と伝えられます。
いちばん使いやすいのはIt’s wasted on him.
It’s wasted on him. は、「それを彼に与えても良さが生かされない」「彼にはもったいない」という意味です。
That luxury hotel would be wasted on me. I’d be happy anywhere.
そんな高級ホテルは私にはもったいないよ。どこでも満足だから。
Don’t buy me expensive wine. It would be wasted on me.
私に高級ワインを買わないで。良さが分からなくてもったいないから。
このように自分を主語にすると、相手を見下す感じがなくなり、謙遜やユーモアとしても使えます。
人に向けると失礼になることがある
swine は豚を表す語で、人に向ければ侮辱的に響く可能性があります。It’s like casting pearls before swine. と本人の前で言うのは避けたほうがよいでしょう。
職場で「相手が価値を理解していない」と伝えたいときは、次のように柔らかく言えます。
I’m not sure this is what they need.
これが相手の必要としているものかは分かりません。
They may not see the value yet.
相手には、まだ価値が見えていないのかもしれません。
Maybe we should explain the benefits more clearly.
メリットをもう少し分かりやすく説明したほうがよいかもしれません。
yet や maybe を入れることで、「相手には分からない」と断定せず、前向きな話し合いにつなげられます。
「馬の耳に念仏」との違い
「猫に小判」と「馬の耳に念仏」は、どちらも「相手に与えても無駄」という場面で使われますが、焦点が少し異なります。
- 猫に小判:物や経験などの価値が分からない
- 馬の耳に念仏:教えや助言を聞いても心に留めない
英語でも、価値が分からないなら pearls before swine、話を聞き流すなら in one ear and out the other と使い分けられます。
会話例で使い方を確認しよう
A: Should we buy Tom that premium coffee maker?
B: I don’t think so. He doesn’t see its value.
A: トムにその高級コーヒーメーカーを買おうか?
B: やめておこう。彼にはその価値が分からないよ。
A: How about this expensive bottle of wine for me?
B: Honestly, it would be wasted on you. You don’t even like wine!
A: この高級ワイン、私にどうかな?
B: 正直、あなたにはもったいないよ。そもそもワインが好きじゃないでしょ!
A: They don’t seem interested in the new service.
B: Maybe we should explain the benefits more clearly.
A: 相手は新サービスに興味がなさそうですね。
B: メリットをもう少し分かりやすく説明したほうがよいかもしれません。
まとめ
「猫に小判」の代表的な英語は、cast pearls before swine です。ただし、少し古風で相手を見下す響きがあるため、実際の会話では簡単な言い換えが役立ちます。
- Cast pearls before swine.:英語のことわざとして対応する定番
- He doesn’t appreciate it.:ありがたみが分かっていない
- She doesn’t see its value.:価値が分かっていない
- It’s wasted on him.:彼にはもったいない
- I’m not sure this is what they need.:職場でも使いやすい柔らかな表現
難しいことわざが出てこなければ、まずは He doesn’t appreciate it. と言えれば十分です。「これなら私も言える」という短い英語から使ってみましょう。
似たことわざとの違いを確認したい方は、「馬の耳に念仏」は英語で?もあわせてどうぞ。









