「釈迦に説法」は英語で?teach your grandmother to suck eggsの意味

「釈迦に説法」は英語で?専門家に初歩を説明する女性のイラスト

仕事のベテランに初歩的な手順を説明してしまった。英語に詳しい人に、基本的な文法を得意げに教えてしまった——。そんなときに浮かぶのが「釈迦に説法」です。

英語には、意味がかなり近い teach your grandmother to suck eggs ということわざがあります。ただし、これは主にイギリス英語で、少し古風かつ相手を批判する響きを持つ表現です。日常会話や職場では、You don’t need to explain that to an expert.I’m sure you already know this. のほうが自然で安全なことも多いでしょう。

この記事では、「釈迦に説法」に近い英語表現の意味とニュアンス、仕事で失礼にならない言い方、初心者でもすぐ言える簡単な英語まで紹介します。

「釈迦に説法」の意味

「釈迦に説法」とは、その道を知り尽くした人に、知識の浅い人が教えようとすることです。仏教を説いた釈迦に、仏法を説くという不必要な行為をたとえています。

ポイントは、単に「説明が不要」というだけではなく、相手のほうが自分より詳しいことです。

英語講師に「現在形とは何か」を教えるなんて、釈迦に説法だ。

自分について使えば「専門家を前に余計な説明をしてしまいました」という謙遜になります。一方、第三者について使うと「その人は相手の実力を分かっていない」という皮肉になることがあります。

英語のことわざなら teach your grandmother to suck eggs

teach your grandmother to suck eggs

直訳すると「祖母に卵の吸い方を教える」。経験豊富で、すでにその方法をよく知っている人に、年下の人がわざわざ教えようとする様子を表します。

Giving her advice on negotiation would be like teaching your grandmother to suck eggs.
彼女に交渉術を助言するなんて、釈迦に説法でしょう。

意味は非常に近いのですが、Cambridge Dictionaryではイギリス英語の批判的なイディオムとして扱われています。会話で突然使うと、相手や第三者を「分かっていない人」と評しているように響くことがあります。

そのため、意味を知る表現としては面白い一方、英語初級者が最初に覚えて積極的に使う表現ではありません。実際の会話では、次のような分かりやすい言い換えが役立ちます。

「釈迦に説法」を伝える英語3表現のまとめイラスト

「釈迦に説法」を伝える3つの英語表現

1. teach your grandmother to suck eggs

日本語のことわざに最も近い、英語の慣用表現です。「自分よりはるかに経験のある人に初歩を教える」という構図まで似ています。

I don’t want to teach my grandmother to suck eggs, but may I add one small point?
釈迦に説法は承知ですが、一点だけ付け加えてもよいですか。

I don’t want to … を前につければ多少やわらかくなりますが、それでもかなりイギリス的で、聞き手によっては古風に感じられます。

2. You don’t need to explain that to an expert.

「それを専門家に説明する必要はありません」という、意味が明快な言い換えです。ことわざらしい面白さはありませんが、誤解されにくいのが長所です。

You don’t need to explain branding to Maya. She’s an expert.
マヤにブランディングを説明する必要はありません。彼女は専門家です。

ただし、相手本人に直接言うと少し強く聞こえるため、第三者に状況を説明するときに向いています。

3. I’m sure you already know this.

「これはもうご存じだと思いますが」という前置きです。専門家に情報を共有する必要はあるものの、上から教えるように聞こえるのを避けたい場面で便利です。

I’m sure you already know this, but the deadline has been moved to Friday.
もうご存じだと思いますが、締め切りは金曜日に変更されました。

知識ではなく連絡事項を伝える場合にも使えるため、職場ではこの表現が最も実用的です。

carry coals to Newcastleとの違い

carry coals to Newcastle は、直訳すると「ニューカッスルへ石炭を運ぶ」。石炭が豊富な場所へ、さらに石炭を持っていくことから、すでに十分あるものを持ち込む、不要なことをするという意味になります。

Bringing more coffee to that café would be like carrying coals to Newcastle.
あのカフェにさらにコーヒーを持っていくのは、屋上屋を架すようなものです。

  • teach your grandmother to suck eggs:自分より詳しい人に教える
  • carry coals to Newcastle:すでに十分ある場所へ同じものを持っていく

「釈迦に説法」に近いのは前者です。後者は、人の知識よりも「行為や物が余計であること」に焦点があります。

preach to the convertedとの違い

preach to the converted は「すでに同じ考えを持っている人に、その考えの正しさを説く」という意味です。

You don’t have to convince us that flexible work is useful. You’re preaching to the converted.
柔軟な働き方が有益だと私たちを説得する必要はありません。みんな、すでに賛成しています。

こちらは「相手が専門家だから説明不要」なのではなく、相手がすでに同意しているから説得不要という表現です。「釈迦に説法」とは似ているようで、焦点が異なります。

仕事で失礼にならない言い方

専門家に何かを説明するとき、「知っているはずだから何も言わない」わけにもいきません。必要なのは、相手の経験を尊重しながら、情報を共有することです。

相手が知っている可能性を認める

You may already be familiar with this, but let me quickly explain the context.
すでにご存じかもしれませんが、背景だけ簡単に説明します。

説明してよいかを確認する

Would it be helpful if I gave a quick overview?
簡単に概要をご説明したほうがよいでしょうか。

相手の専門性を先に認める

Given your experience, I’ll focus only on what has changed.
ご経験を踏まえ、変更点だけに絞ってお話しします。

この3つなら、「自分が教える側、相手が教わる側」と一方的に決めつけずに済みます。

自分について「釈迦に説法でした」と言うなら

説明したあとで相手が専門家だと気づいた場合は、軽く認めれば十分です。

Sorry—I’m explaining something you already know.
すみません、ご存じのことを説明してしまっていますね。

I may be telling you something you already know.
すでにご存じのことをお話ししているかもしれません。

You’re the expert here, so I’ll stop there.
この分野の専門家はあなたですから、ここまでにしますね。

難しいことわざを使わなくても、自分が説明しすぎたことと相手への敬意は十分に伝わります。

初心者なら、この簡単な英語から言ってみよう

「釈迦に説法」を一語一句英訳する必要はありません。まずは次の短い表現からで大丈夫です。

  • You already know this.
    これはもう知っていますよね。
  • You’re the expert.
    あなたが専門家です。
  • No need to explain.
    説明は要りません。
  • Sorry, you know this already.
    すみません、もうご存じですよね。

特に、自分が説明しすぎたと気づいたときは Sorry, you know this already. が使いやすい表現です。

First, click this button—oh, sorry, you know this already.
まず、このボタンを押して——あ、すみません、もうご存じですよね。

「釈迦に説法だ」と相手を評価するより、自分の説明をやわらかく止めるほうが、英会話では自然なことが多いのです。

専門家にまつわる日本語のことわざ

専門家でも失敗することを表したいなら、「猿も木から落ちる」は英語で?も参考になります。

また、本当に実力のある人ほど能力をむやみに見せないという意味なら、「能ある鷹は爪を隠す」は英語で?をご覧ください。

まとめ

  • teach your grandmother to suck eggs:自分より詳しい人に初歩を教える、意味の近い英国のことわざ
  • You don’t need to explain that to an expert.:意味を明快に伝える言い換え
  • I’m sure you already know this.:相手を尊重しながら情報共有する前置き
  • carry coals to Newcastle:すでに十分ある場所へ不要なものを持ち込む
  • preach to the converted:すでに同意している人を説得する

ことわざとして最も近いのは teach your grandmother to suck eggs です。ただ、実際の会話では You’re the expert.I’m sure you already know this. のような簡単な英語のほうが、敬意も意図も自然に伝わります。

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