
英語の映画や海外ドラマで、よい話をした直後に誰かがテーブルを軽くたたいたり、指を交差させながら Fingers crossed! と言ったりする場面を見たことはありませんか。
こうした動作や言葉の背景には、英語圏で長く伝えられてきた迷信(superstition)があります。現代では迷信を本気で信じていない人も多い一方、そこから生まれた knock on wood や fingers crossed は、今も日常会話でよく使われます。
この記事では、superstitionの意味と発音、英語圏で知られる幸運・不運の言い伝え、会話で使える表現、イギリスのクリスマスにまつわる迷信を紹介します。
Knock on wood.
この幸運が続きますように/悪いことが起きませんように。
Fingers crossed!
うまくいくよう祈っています!
Don’t jinx it.
縁起でもないことを言わないで/悪い結果を招かないで。
Contents
- 1 superstitionの意味は「迷信・言い伝え」
- 2 knock on woodの意味と使い方
- 3 fingers crossedの意味と使い方
- 4 Don’t jinx it.の意味は「縁起でもないことを言わないで」
- 5 tempt fateの意味は「運命を試す・無茶をする」
- 6 beginner’s luckの意味は「ビギナーズラック」
- 7 Bad things come in threes.の意味
- 8 Make a wish!の意味と願い事をする場面
- 9 英語圏で知られる幸運・不運の迷信
- 10 イギリスのクリスマスにまつわる迷信
- 11 迷信について英語で話す会話例
- 12 初心者でも言える簡単な英語への言い換え
- 13 superstitionについてよくある質問
- 14 まとめ:迷信を知ると英語表現の背景が見える
superstitionの意味は「迷信・言い伝え」
superstition は、科学的・合理的な根拠がないまま、ある行動や物事が幸運または不運をもたらすと信じることを表す名詞です。日本語では「迷信」「俗信」「言い伝え」などと訳されます。
発音はイギリス英語・アメリカ英語とも、おおよそ「スーパースティション」に近く、アクセントは sti の部分に置かれます。
- superstition:迷信、迷信的な考え
- superstitious:迷信深い、縁起を担ぐ
- be superstitious about …:~について縁起を気にする
I’m not very superstitious.
私はそれほど迷信深くありません。
Are you superstitious about the number 13?
13という数字の縁起を気にしますか?
It’s an old superstition.
それは昔からの迷信です。
knock on woodの意味と使い方
knock on wood は、幸運について話したあとに「この幸運が続きますように」「悪いことが起きませんように」という気持ちで使うアメリカ英語の表現です。イギリス英語では touch wood がよく使われます。
I haven’t caught a cold all year, knock on wood.
今年はまだ一度も風邪をひいていません。このまま続きますように。
The project is going smoothly—touch wood.
プロジェクトは順調です。このままうまくいきますように。
言葉だけで使うこともあれば、近くの木製の机やドアなどを軽くたたくこともあります。「好調だと言った途端に悪くなるのでは」という気持ちを打ち消す、ちょっとしたおまじないです。
knock on woodの由来は一つではない
木に精霊が宿るという古い信仰に結び付ける説や、キリスト教の十字架の木に関連付ける説などがあります。ただし、慣用表現の起源には複数の説があり、どれか一つに断定できるとは限りません。会話では由来よりも、「幸運が続いてほしいときに使う」と覚えるのが実用的です。
fingers crossedの意味と使い方
Fingers crossed! は「うまくいくよう祈っています」「幸運を祈るよ」という意味です。人差し指と中指を交差させる動作が表現のもとになっています。
Fingers crossed for your interview!
面接がうまくいくよう祈っているよ!
Keep your fingers crossed for me.
私がうまくいくよう祈っていてね。
I’m keeping my fingers crossed that we’ll get the tickets.
チケットが取れるよう祈っています。
命令形のように見える Keep your fingers crossed. も、相手に無理なお願いをしているわけではありません。「成功を祈っていてね」という親しみのある言い方です。
Don’t jinx it.の意味は「縁起でもないことを言わないで」
jinx は、名詞では「不運をもたらすもの・不運な状態」、動詞では「悪い結果を招く」「ついている運を逃す」という意味です。
A: We’re definitely going to win.
絶対に勝てるよ。
B: Don’t jinx it!
縁起でもないことを言わないで!
I don’t want to jinx it, but the interview went really well.
ぬか喜びにならないといいけれど、面接はとてもうまくいきました。
knock on wood が自分で幸運を守ろうとする言葉なのに対し、Don’t jinx it. は、先のことを断言して運を逃さないよう相手や自分をたしなめる表現です。
tempt fateの意味は「運命を試す・無茶をする」
tempt fate は直訳すると「運命を誘惑する」。幸運がいつまでも続くと決めつけたり、危険を軽く見たりして、不運を招きかねない行動を取ることを表します。
Don’t tempt fate by driving in this storm.
この嵐の中で運転するような無茶はしないで。
I don’t want to tempt fate, so I’ll wait for the official result.
ぬか喜びしたくないので、正式な結果を待ちます。
日本語では文脈により「運を試すな」「調子に乗らないほうがいい」「危ない橋を渡るな」などが近くなります。
beginner’s luckの意味は「ビギナーズラック」
beginner’s luck は、経験のない初心者が思いがけず成功することです。日本語でも「ビギナーズラック」として定着しています。
I won my first game. It must have been beginner’s luck.
初めてのゲームで勝ちました。きっとビギナーズラックですね。
Beginner’s luck!
初心者のまぐれだよ!
相手に言うと、褒め言葉というより「今回はまぐれだね」という軽いからかいになる場合があります。声の調子や関係性には少し注意しましょう。
Bad things come in threes.の意味
「悪いことが二つ続くと、三つ目も起こる」と考える迷信を、英語では Bad things come in threes. や Bad luck comes in threes. と表します。
First my phone broke, then I missed the train. Bad things come in threes, so what’s next?
まず携帯が壊れて、次に電車に乗り遅れました。悪いことは三つ続くというけれど、次は何でしょう?
本当に三つ目を予言するというより、不運が続いたときのぼやきや冗談として使われることもあります。
Make a wish!の意味と願い事をする場面
Make a wish! は「願い事をして!」という意味です。誕生日のろうそくを吹き消す前に言う定番表現ですが、英語圏の言い伝えではほかにも願い事をする場面があります。
- 流れ星を見たとき
- 噴水や井戸にコインを投げるとき
- 鶏のwishbone(叉骨)を二人で引っ張るとき
- 誕生日ケーキのろうそくを吹き消すとき
Close your eyes and make a wish.
目を閉じて願い事をして。
I made a wish on a shooting star.
流れ星に願い事をしました。
英語圏で知られる幸運・不運の迷信
13は不吉な数字
英語圏では、13を不吉な数字として避ける文化が広く知られています。ホテルや建物によっては、13階の表示を置かないこともあります。また、Friday the 13th(13日の金曜日)も不運と結び付けられる代表例です。
Some people think 13 is an unlucky number.
13を不吉な数字だと考える人もいます。
黒猫が道を横切る
黒猫を不運の象徴とする言い伝えは有名ですが、地域や時代によっては反対に幸運の象徴とされることもあります。「英語圏なら全員が同じように信じている」と一般化しないことが大切です。
A black cat crossed my path this morning.
今朝、黒猫が私の前を横切りました。
はしごの下を歩く
walking under a ladder(はしごの下を歩くこと)は、不運を招くとされる有名な迷信です。ただし、実際には上から物が落ちる危険もあるので、迷信を信じるかどうかにかかわらず避けるほうが安全です。
鏡を割ると7年間不運が続く
Breaking a mirror brings seven years of bad luck. は、「鏡を割ると7年間不運が続く」という言い伝えです。
Don’t worry—it’s just a superstition.
心配しないで。ただの迷信です。
四つ葉のクローバーと馬蹄
a four-leaf clover(四つ葉のクローバー)や a horseshoe(馬蹄)は、幸運を象徴するものとして知られています。
I found a four-leaf clover. Maybe it’s my lucky day.
四つ葉のクローバーを見つけました。今日は運のいい日かもしれません。
イギリスのクリスマスにまつわる迷信
この記事は、2020年にPaulが紹介した英語表現と、2007年にLeonieが書いた英国のクリスマスの言い伝えを統合して再編集しています。ここからは元記事に登場した、少し珍しい季節の迷信を見てみましょう。
クリスマスの飾りとwitch ball
witch ball は、悪いものを遠ざけるために窓辺などへつるしたガラス製の球を指します。クリスマスツリーに飾る球形のオーナメント bauble と関連付けて語られることがあります。
ただし、長く伝えられた習慣や装飾の起源には複数の説明があります。「現在のクリスマス飾りはすべて魔除けから生まれた」と断定せず、英国に残る言い伝えの一つとして楽しむのがよいでしょう。
クリスマスの暖炉の火
元記事では、クリスマス当日に暖炉へなかなか火が付かないと、新年に不運が訪れるという英国の古い迷信が紹介されていました。現代では暖炉のない家庭も多く、日常的に実践される習慣というより、昔の暮らしを映す言い伝えです。
クリスマスケーキを全部食べない
英国の伝統的なクリスマスケーキは、ドライフルーツをたっぷり使い、マジパンやアイシングで覆った濃厚なケーキです。元記事には、クリスマス当日より前に食べるなら、一切れを当日まで残しておくとよいという言い伝えが登場します。
Save a piece for Christmas Day.
クリスマス当日のために一切れ残しておいて。
クリスマスプディングを混ぜながら願い事をする
クリスマスプディングは、ドライフルーツ、スパイス、ブランデーなどを使った英国の伝統的なデザートです。家族が順番に生地を混ぜ、そのときに願い事をするという習慣は Stir-up Sunday と関連して紹介されることがあります。
Take a turn stirring the pudding and make a wish.
順番にプディングを混ぜて、願い事をして。
願い事を人に話すとかなわない、という点は、誕生日のろうそくや流れ星の言い伝えとも似ています。
ドアを開けて古い年を送り、新年を迎える
元記事では、クリスマスイブや大晦日の真夜中にドアを開け、悪いものを外へ出して新年の幸運を迎え入れるという家族の言い伝えも紹介されていました。地域差・家庭差が大きい習慣ですが、「古い年を送り、新しい年を迎える」という象徴は日本の年越しにも通じるものがあります。
迷信について英語で話す会話例
A: Are you superstitious?
迷信を信じるほうですか?
B: Not really, but I still knock on wood sometimes.
それほどでもないけれど、ときどき木をたたくことはあります。
A: I think I did well in the interview.
面接、うまくできたと思います。
B: Fingers crossed! When will you hear the result?
うまくいくよう祈ってる!結果はいつ分かるの?
A: We haven’t had any problems so far.
今のところ問題は一つもありません。
B: Don’t jinx it! Knock on wood.
縁起でもないことを言わないで!このまま続きますように。
初心者でも言える簡単な英語への言い換え
イディオムがすぐに出てこなくても、短い英語で同じ気持ちは伝えられます。
- Fingers crossed! → Good luck!(幸運を祈ります)
- I’m keeping my fingers crossed. → I hope it goes well.(うまくいくといいですね)
- Don’t jinx it. → Don’t say that yet.(まだそう言わないで)
- Don’t tempt fate. → Be careful.(気を付けて)
- I’m not superstitious. → I don’t believe that.(私はそれを信じません)
まずは Good luck! や I hope it goes well. で伝え、映画や会話で表現に慣れてきたら Fingers crossed! を使ってみましょう。
superstitionについてよくある質問
Q. superstitionは悪い意味だけですか?
「合理的な根拠のない信念」という意味では否定的に聞こえることがありますが、内容は不運だけではありません。四つ葉のクローバーや願い事など、幸運を招くとされる言い伝えも superstition に含まれます。
Q. knock on woodとtouch woodの違いは?
基本的な意味は同じです。一般に knock on wood はアメリカ英語、touch wood はイギリス英語でよく使われます。
Q. Fingers crossed!は目上の人にも使えますか?
親しみのある表現なので、同僚や知人との会話には自然です。より丁寧に伝えたい場面では、I hope everything goes well. や I wish you the best of luck. と言えます。
Q. 英語圏の人は全員これらの迷信を信じていますか?
いいえ。信じ方は国、地域、世代、家庭、個人によって異なります。本気で信じていなくても、慣用表現や文化的な習慣として使う人はいます。
Q. 「私は迷信深い」は英語で何と言いますか?
I’m superstitious. と言います。「少しだけ」なら I’m a little superstitious.、「まったく迷信深くない」なら I’m not superstitious at all. が使えます。
まとめ:迷信を知ると英語表現の背景が見える
英語の迷信は、文化の違いを楽しめるだけでなく、今も使われるイディオムの意味を理解する手掛かりになります。
- superstition:迷信・言い伝え
- knock on wood / touch wood:幸運が続くよう願う
- fingers crossed:成功や幸運を祈る
- Don’t jinx it.:悪い結果を招くようなことを言わないで
- tempt fate:運命を試す、危険を招く
- beginner’s luck:初心者のまぐれ
すべての迷信を信じる必要はありません。それでも背景を知っていれば、海外ドラマで誰かが木をたたく理由や、友人が指を交差させる意味が自然に分かります。ほかの慣用表現も学びたい方は、英語イディオムの意味と日常会話で使う表現一覧もご覧ください。
意味・用法の確認:Cambridge Dictionary(knock on wood)、Merriam-Webster(cross one’s fingers)、Merriam-Webster(jinx)










