
仕事で丁寧に対応したのに、一人から厳しい意見をもらった。みんなが楽しめるように予定を考えたのに、不満を言う人がいた。そんなとき、英語ではYou can’t please everyone.という言葉がよく使われます。
直訳すると「あなたは全員を喜ばせることはできない」。ただし、多くの場合は相手の能力を否定する表現ではなく、「どれだけ頑張っても全員を満足させるのは無理だから、必要以上に自分を責めなくていい」という励ましです。
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You can’t please everyone.の意味
You can’t please everyone.の基本的な意味は、次のとおりです。
- 全員を満足させることはできない
- すべての人に気に入られるのは無理だ
- 万人受けすることはできない
人によって好みや期待、優先したいことが違うため、ある決定を喜ぶ人もいれば、納得しない人もいます。その現実を受け入れ、過度に他人の評価を気にしないよう促す言葉です。
everyoneの代わりにeverybodyを使った、You can’t please everybody.も同じ意味で自然です。
しゅみすけ(大山俊輔)
なぜpleaseで「満足させる」になる?
日本語話者にとってpleaseは、Please sit down.のような「どうぞ」「お願いします」のイメージが強い単語です。しかし、もともとpleaseには「人を喜ばせる・満足させる」という動詞の使い方があります。
- The result pleased everyone.
その結果は全員を満足させました。 - She’s always trying to please her boss.
彼女はいつも上司の機嫌を取ろうとしています。 - You don’t have to please everyone.
全員を満足させる必要はありません。
please+人の語順で、「人を喜ばせる」です。したがって、please everyoneは「全員を喜ばせる・全員の期待に応える」となります。
ネイティブが感じるニュアンス
You can’t please everyone.は、単に「無理です」と突き放す言葉ではありません。よくあるのは、何かを批判されて落ち込んでいる人に対して、現実的な視点を与える使い方です。
A: One customer hated the new design.
新しいデザインを気に入らなかったお客様が一人いたの。
B: Don’t take it too personally. You can’t please everyone.
あまり個人的に受け止めないで。全員を満足させることはできないよ。
この会話では、「その批判を無視しなさい」というより、一人の否定的な反応だけで自分の仕事全体を否定しなくてよいと伝えています。

You can’t please everyone.の自然な使い方と例文
仕事で批判を受けた人を励ます
We received a few complaints, but you can’t please everyone.
いくつか苦情はありましたが、全員を満足させることはできません。
I know the decision was difficult, but you can’t please everyone.
難しい決断だったのは分かりますが、全員を納得させることはできません。
人間関係で他人の評価を気にしすぎないよう伝える
Just be yourself. You can’t please everyone.
自分らしくいればいいよ。全員に好かれることはできないから。
Some people may disagree with you, but you can’t please everyone.
あなたに反対する人もいるかもしれないけれど、全員を満足させることはできません。
自分自身に言い聞かせる
I did my best. I can’t please everyone.
ベストは尽くしました。全員を満足させることはできません。
Not everyone liked my presentation, but I can’t please everyone.
私のプレゼンを全員が気に入ったわけではありませんが、万人受けはできません。
You can’t please everyone.が冷たく聞こえる場面
便利な表現ですが、使うタイミングには注意が必要です。相手が具体的で正当な問題を伝えている最中に使うと、「あなたの意見を聞く気はない」という言い訳に聞こえることがあります。
たとえば、お客様が明らかなミスを指摘しているときに、
Well, you can’t please everyone.
まあ、全員を満足させることはできないから。
と答えるのは不自然で失礼です。まず問題を認め、対応を伝える必要があります。
I’m sorry about the mistake. Let me fix it.
ミスについて申し訳ありません。修正させてください。
一方、十分に対応したあとも好みの違いによる批判が残る場合には、You can’t please everyone.が自然な気持ちの切り替えになります。
しゅみすけ(大山俊輔)
You can’t make everyone happy.との違い
You can’t make everyone happy.も「全員を幸せにすることはできない」という、とても分かりやすい言い換えです。
- You can’t please everyone.
決定・作品・行動などを全員の好みや期待に合わせるのは無理だ、という定型的で簡潔な言い方。 - You can’t make everyone happy.
全員を幸せな状態にするのは無理だ、と意味を直接説明する言い方。
日常会話ではどちらもよく使われます。pleaseがすぐに出てこなければ、make everyone happyで十分に意図を伝えられます。
似た表現との違い
Not everyone will agree with you.
「全員があなたに賛成するわけではない」。満足度ではなく、意見の一致に焦点を当てます。
You can’t make everybody like you.
「全員に好かれることはできない」。人間関係や自分に対する好感度を直接表します。
That’s life.
「人生とはそういうものだ」「仕方がない」。より広い状況で使えますが、言い方によっては少し突き放した印象になることがあります。
people pleaserとの関係
a people pleaserは、周囲に嫌われることを恐れ、自分を後回しにしてまで人を喜ばせようとする人を表します。
I used to be a people pleaser.
以前の私は、いつも人の機嫌を取ろうとするタイプでした。
You don’t always have to please other people.
いつも他人を喜ばせようとしなくてもいいんですよ。
You can’t please everyone.は、people pleaserになりがちな人にとって、無理な期待から少し距離を取るための言葉にもなります。
簡単な英語で言い換えるなら
表現がすぐに出てこないときは、次のような中学英語中心の文で言い換えられます。
- Not everyone will be happy.
全員が喜ぶわけではありません。 - Different people want different things.
人によって求めるものは違います。 - Some people will disagree.
反対する人もいるでしょう。 - Just do your best.
できる限りのことをすればいいですよ。
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英熟語や定型表現をまとめて学びたい方は、英熟語・定型表現の親記事もあわせてご覧ください。
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まとめ
You can’t please everyone.は、「全員を満足させることはできない」「万人受けは無理だ」という意味の定型表現です。
ここでのpleaseは「お願いします」ではなく、「人を喜ばせる・満足させる」という動詞。批判を受けて落ち込んでいる人や、周囲の評価を気にしすぎている人に、できることへ意識を戻そうと伝えるときに自然です。
ただし、正当な指摘を退ける言い訳として使うと冷たく聞こえます。改善すべき点には向き合い、それでも残る好みの違いまで背負わない。そのバランスを伝える言葉として覚えておきましょう。









