
「真実はめったに純粋ではなく、決して単純でもない」。オスカー・ワイルドの言葉は、常識を一度ひっくり返し、その裏側にある人間の本音を見せてくれます。
この記事では、戯曲・小説・評論・獄中書簡の原文まで確認できる英語から、人生・希望・失敗・自分らしさについての名言を7つ厳選しました。登場人物の台詞と、ワイルド自身が評論や書簡で述べた言葉も区別して紹介します。
この記事のポイント
- Project Gutenbergで作品原文まで確認できる言葉を中心に紹介
- 逆説をつくる英語の対比・語順を初心者向けに解説
- 有名な “Be yourself.” の出典についても検証
Contents
- 1 オスカー・ワイルドとは?
- 2 オスカー・ワイルドの英語の名言7選
- 2.1 1. To live is the rarest thing in the world.
- 2.2 2. We are all in the gutter, but some of us are looking at the stars.
- 2.3 3. The truth is rarely pure and never simple.
- 2.4 4. Experience is the name every one gives to their mistakes.
- 2.5 5. I can resist everything except temptation.
- 2.6 6. A man who does not think for himself does not think at all.
- 2.7 7. Nothing in the whole world is meaningless, and suffering least of all.
- 3 “Be yourself; everyone else is already taken.” は本当にワイルドの名言?
- 4 ワイルドの「逆説」を英語で読むコツ
- 5 覚えておきたい英語表現
- 6 まとめ|常識を裏返すと、本音が見えてくる
- 7 主な出典
オスカー・ワイルドとは?
Oscar Wilde(1854–1900)は、アイルランド出身の詩人・作家・劇作家です。小説『ドリアン・グレイの肖像』、戯曲『真面目が肝心』『ウィンダミア卿夫人の扇』などで知られ、機知に富んだ会話と逆説的な表現でヴィクトリア朝社会の道徳や偽善を風刺しました。
華やかな成功の後、同性愛を理由に投獄され、獄中から長い書簡『獄中記(De Profundis)』を書いています。そのため、彼の言葉には社交界を笑う軽やかさと、苦しみを通過した後の静かな深さが同居しています。
オスカー・ワイルドの英語の名言7選
1. To live is the rarest thing in the world.
To live is the rarest thing in the world. Most people exist, that is all.
生きることは、この世で最も稀なことだ。多くの人はただ存在している。それだけだ。
評論『社会主義下の人間の魂(The Soul of Man under Socialism)』の一節です。決められた型に沿って存在することと、自分の個性を十分に生きることを区別しています。
英語ポイント:To live は不定詞を主語にした「生きること」。exist は「存在する」で、ここでは live との意味の差が核心です。
2. We are all in the gutter, but some of us are looking at the stars.
We are all in the gutter, but some of us are looking at the stars.
私たちは皆どぶの中にいる。けれど、その中から星を見上げている人もいる。
戯曲『ウィンダミア卿夫人の扇』で、ダーリントン卿が語る台詞です。現実の苦しさを否定せず、それでも理想を見る人間の姿を一文にしています。
英語ポイント:gutter は「道路脇の側溝・どぶ」。but の前後で「同じ場所」と「異なる視線」を鮮やかに対比しています。
3. The truth is rarely pure and never simple.
The truth is rarely pure and never simple.
真実はめったに純粋ではなく、決して単純でもない。
戯曲『真面目が肝心(The Importance of Being Earnest)』で、アルジャーノンが語る台詞です。真実を「純粋で単純なもの」と考える道徳的な常識を、軽やかに裏返しています。
英語ポイント:rarely(めったに〜ない)と never(決して〜ない)の強さの違いに注目。二つの副詞を並べ、リズムをつくっています。

4. Experience is the name every one gives to their mistakes.
Experience is the name every one gives to their mistakes.
経験とは、誰もが自分の失敗につける名前である。
『ウィンダミア卿夫人の扇』の台詞です。「失敗から経験を得る」という教訓を、失敗を上品に言い換えているだけではないか、と皮肉っています。
英語ポイント:give a name to … は「〜に名前をつける」。この文では語順が変わり、the name を後ろの節が説明しています。
5. I can resist everything except temptation.
I can resist everything except temptation.
私は誘惑以外なら、何にでも抵抗できる。
同じく『ウィンダミア卿夫人の扇』で、ダーリントン卿が語る有名な逆説です。「誘惑こそ抵抗すべきもの」なのに、それだけを例外にすることで人間の弱さを笑いに変えています。
英語ポイント:except は「〜を除いて」。I eat everything except meat.(肉以外は何でも食べます)のように日常でも使えます。
6. A man who does not think for himself does not think at all.
A man who does not think for himself does not think at all.
自分の頭で考えない人は、そもそも考えていない。
『社会主義下の人間の魂』から。自分で考えることは利己的ではなく、他人にも同じ考えを要求することこそ利己的だ、という文脈で書かれています。
英語ポイント:for oneself は「自分自身で」、not … at all は「まったく〜ない」。Think for yourself. なら「自分の頭で考えて」です。
7. Nothing in the whole world is meaningless, and suffering least of all.
Nothing in the whole world is meaningless, and suffering least of all.
この世界には無意味なものなど何一つない。苦しみは、何よりも無意味ではない。
獄中書簡『De Profundis』の一節です。苦しみを美化したのではなく、苦しみがただ無意味に続くことには耐えられなかった、と述べた後にこの言葉を書いています。
英語ポイント:least of all は「とりわけ〜ない」。否定文を受け、苦しみは「最も無意味ではない」と強調しています。
“Be yourself; everyone else is already taken.” は本当にワイルドの名言?
Be yourself; everyone else is already taken.
自分自身でいなさい。ほかの人はすでに誰かがやっている。
オスカー・ワイルドの名言として非常に有名ですが、彼の作品・書簡・同時代の記録に、この文そのものの確かな出典は確認されていません。後世にワイルドらしい機知を持つ言葉として帰属された可能性があります。
ただし、『社会主義下の人間の魂』には「他人の型ではなく、自分の個性を実現する」という思想が繰り返し書かれています。つまり、文章の出典は不確かでも、内容がワイルドの思想に似ているため広まりやすかったと考えられます。
ワイルドの「逆説」を英語で読むコツ
ワイルドの名言は、前半で常識的な期待をつくり、後半でそれを裏切ります。
- everything except …:何でもできると言ってから、核心だけを除外する
- rarely A and never B:否定の強さを段階的に上げる
- We are all A, but some … B:同じ現実と異なる姿勢を対比する
逆説は単なるひねくれではありません。聞き慣れた考えを別の角度から見せるための技法です。
覚えておきたい英語表現
| 表現 | 意味 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| look at the stars | 星を見る・理想を見る | Keep looking at the stars. |
| rarely / never | めったに〜ない/決して〜ない | Success is rarely simple. |
| give a name to … | 〜に名前をつける | It’s hard to give a name to this feeling. |
| except … | 〜を除いて | Everyone came except Tom. |
| think for oneself | 自分の頭で考える | Learn to think for yourself. |
まとめ|常識を裏返すと、本音が見えてくる
オスカー・ワイルドの言葉は、きれいな教訓をそのまま渡してはくれません。希望の中に現実を、失敗の中に虚栄を、笑いの中に痛みを見せます。
英語としても、難しい単語より対比と語順が力を生んでいます。まずは The truth is never simple. のような短い一文から、ワイルドらしい英語のリズムを味わってみましょう。
人生についての言葉は人生・生き方の英語の名言集へ。書くことと真実をめぐる言葉はヘミングウェイの英語の名言7選もおすすめです。シリーズ全体はEnglish Quotes! 英語の名言集から探せます。
名言の英語を、自分の言葉へ。
女性限定・初心者専門の英会話スクール b わたしの英会話では、短い英語で自分の考えを伝える練習を大切にしています。まずは体験レッスンへ。継続的に学びたい方はbeyondZ English、単語・文法を深めたい方はbe:RIZEもご覧ください。
主な出典
- Project Gutenberg: The Soul of Man under Socialism
- Project Gutenberg: Lady Windermere’s Fan
- Project Gutenberg: The Importance of Being Earnest
- Project Gutenberg: De Profundis
- Project Gutenberg: The Picture of Dorian Gray










