
「声を上げる」と聞くと、強く言い切ることを想像しがちです。けれど、ルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)の強さは、静かに、正確に、相手を説得できる形で言葉を積み重ねることにありました。
この記事では、平等・変化・勇気をめぐるRBGの英語の名言を、判決文や法律団体・大学が公開する記録まで確認して7つ紹介します。短い英語への言い換えもあるので、英語初心者の方も声に出して使ってみてください。
Contents
- 1 ルース・ベイダー・ギンズバーグとは
- 2 ルース・ベイダー・ギンズバーグの英語の名言7選
- 2.1 1. Real change, enduring change, happens one step at a time.
- 2.2 2. Fight for the things that you care about, but do it in a way that will lead others to join you.
- 2.3 3. If you have a caring life partner, you help the other person when that person needs it.
- 2.4 4. Women will have achieved true equality when men share with them the responsibility of bringing up the next generation.
- 2.5 5. One was to be a lady, and the other was to be independent.
- 2.6 6. Throwing out preclearance … is like throwing away your umbrella in a rainstorm because you are not getting wet.
- 2.7 7. Women seeking and fit for a VMI-quality education cannot be offered anything less.
- 3 反対意見は負けではなく、未来への手紙
- 4 初心者向け|7つの名言をやさしい英語で言い換えると
- 5 覚えておきたい英語表現
- 6 まとめ|静かな言葉で、変化を長くする
- 7 次に読むなら
- 8 英語を「自分の言葉」にしたくなったら
- 9 出典・参考資料
ルース・ベイダー・ギンズバーグとは
ルース・ベイダー・ギンズバーグ(1933–2020)は、1993年にアメリカ連邦最高裁判所の判事となった、同国史上2人目の女性判事です。最高裁入り前にはACLU(アメリカ自由人権協会)の女性権利プロジェクトを共同設立し、性別による不平等を一件ずつ法廷で崩していきました。
多数派に届かなかったときも、彼女は反対意見(dissent)を書き残しました。それは単なる「私は反対です」ではなく、未来の裁判官・議員・市民へ渡す、論理の手紙でもあったのです。
ルース・ベイダー・ギンズバーグの英語の名言7選
1. Real change, enduring change, happens one step at a time.
日本語訳:本当の変化、長く続く変化は、一歩ずつ起こる。
大きな理想ほど、一度に実現しようとすると遠く見えます。RBGが進めた男女平等の法改正も、戦略的に選んだ裁判を一件ずつ積み上げる仕事でした。enduring は「長く続く、永続的な」。小さな一歩を軽く見ないための言葉です。
2. Fight for the things that you care about, but do it in a way that will lead others to join you.
日本語訳:大切だと思うことのために闘いなさい。ただし、ほかの人も加わりたくなる方法で。
主張の正しさだけでなく、仲間を増やす伝え方まで考えるところがRBGらしい一文です。lead someone to … は「人を…する方向へ導く」。意見の違う相手を敵に固定せず、参加できる入口をつくる発想です。
3. If you have a caring life partner, you help the other person when that person needs it.
日本語訳:思いやりのある人生のパートナーがいるなら、相手が必要とするときに助けるものです。
Georgetown Lawで学生に語った、結婚とキャリアについての助言です。RBGの夫マーティンは、彼女の仕事を尊重し、家庭の責任を分かち合いました。caring は「思いやりのある」。支えることは一方向ではなく、必要なときに交代できる関係だと伝えています。

日本語訳:男性が次の世代を育てる責任を女性と分かち合うとき、女性は本当の平等を実現するでしょう。
平等とは、女性が外で働けることだけではありません。家庭や子育ての責任も共有されて初めて、選択肢が同じになる——RBGは制度と暮らしの両方を見ていました。share the responsibility は「責任を分かち合う」です。
5. One was to be a lady, and the other was to be independent.
日本語訳:一つは品位ある人でいること、もう一つは自立すること。
母から繰り返し教えられた二つのことを振り返った言葉です。ここでの a lady は、黙って従う人という意味ではなく、怒りに飲まれず自分の尊厳を保つ人。independent は、経済面だけでなく、自分で考え選ぶ力も表します。
6. Throwing out preclearance … is like throwing away your umbrella in a rainstorm because you are not getting wet.
日本語訳:事前承認制度を捨てるのは、濡れていないからと暴風雨の中で傘を捨てるようなものです。
2013年の最高裁判決 Shelby County v. Holder の反対意見にある比喩です。投票差別を防いできた制度を「効果が出ているから、もう不要」とする多数意見への反論でした。throw away は「捨てる」。抽象的な法律問題を、一度で伝わる情景へ変える英語です。
7. Women seeking and fit for a VMI-quality education cannot be offered anything less.
日本語訳:VMIと同等の教育を求め、その適性がある女性に、それ未満のものを与えることはできません。
1996年の United States v. Virginia でRBGが書いた多数意見の一節です。男性のみを受け入れていた名門軍事大学に対し、別の学校を用意するだけでは平等にならないと示しました。anything less は「それより劣るもの、十分でないもの」。平等は名目ではなく、実質で測るという宣言です。
反対意見は負けではなく、未来への手紙
裁判では、多数派になれなければその日の結論は変えられません。それでもRBGは、何が見落とされたのかを、法律と事実に沿って記録しました。反対意見は敗北の感想文ではありません。将来、社会の見方が変わったときに、次の議論を始められるよう残す設計図です。
英会話でも同じです。すぐ同意を得られなくても、相手の立場を認め、理由を短く伝え、会話を続けられる形にする。RBGの英語から学べるのは「勝つための強い言葉」より、「変化を長く続けるための言葉」なのかもしれません。
初心者向け|7つの名言をやさしい英語で言い換えると
以下はRBG本人の原文ではなく、意味を日常で使いやすい短い英語にした現代的な言い換えです。
- Keep going step by step.(一歩ずつ進み続けよう)
- Speak up for what matters.(大切なことのために声を上げよう)
- Help others understand your view.(自分の考えを理解してもらえるようにしよう)
- We can disagree and still respect each other.(意見が違っても尊重し合える)
- Equal means equal.(平等は、本当に同じであること)
- Choose a partner who supports your goals.(目標を支えてくれる相手を選ぼう)
- Your voice can help change the future.(あなたの声が未来を変える助けになる)
覚えておきたい英語表現
| 英語 | 意味 | 使い方 |
|---|---|---|
| enduring change | 長く続く変化 | 一時的でない変化 |
| one step at a time | 一歩ずつ | 焦らず進むとき |
| lead others to join | ほかの人が加わるよう導く | 仲間を増やすとき |
| share the responsibility | 責任を分かち合う | 仕事・家庭・チームで |
| throw away | 捨てる | 物・機会・仕組みに |
| anything less | それ未満のもの | 妥協できない基準に |
まとめ|静かな言葉で、変化を長くする
RBGの言葉には、大声で相手を圧倒する強さはありません。代わりにあるのは、事実を確かめ、相手が参加できる道を残し、一歩ずつ前例をつくる強さです。意見が通らない日にも、未来へ届く言葉は書ける。英語を学ぶ私たちにも、その姿勢は大きなヒントになります。
次に読むなら
英語を「自分の言葉」にしたくなったら
名言を読むだけでなく、自分の経験や意見を英語で話してみると、表現はぐっと定着します。女性限定・初心者向けのマンツーマン英会話なら、b わたしの英会話で、自分のペースから始められます。
出典・参考資料
- Supreme Court of the United States:Justice Ruth Bader Ginsburg(1933–2020)
- ACLU:A Driving Force for Change
- ACLU:The Legacy of Ruth Bader Ginsburg and WRP Staff
- Georgetown Law:Justice Ginsburg Speaks to Students
- American Bar Association:Fight for the things that you care about
- American Bar Association:Lessons from My Grandmother
- Supreme Court:Shelby County v. Holder(2013)
- United States v. Virginia(1996)判決文










