
「自分が見ている現実は、本当に唯一の現実なのか?」――『マトリックス』は、アクション映画の形を借りて、選択、自由、自己認識という問いを世界中へ投げかけました。
その世界を生み出したのが、ラナ・ウォシャウスキーとリリー・ウォシャウスキーの姉妹です。今回は二人がインタビューやスピーチで実際に語った言葉から、想像力、変容、芸術、自分らしく生きることについての英語の名言を7つ紹介します。
Contents
ウォシャウスキー姉妹とは?
Lana Wachowski(ラナ・ウォシャウスキー)とLilly Wachowski(リリー・ウォシャウスキー)は、アメリカ・シカゴ出身の映画監督・脚本家・プロデューサーです。長編デビュー作『バウンド』に続き、1999年の『マトリックス』で映像表現とSF映画の常識を大きく変えました。
その後も『マトリックス』三部作、『クラウド アトラス』、『ジュピター』、ドラマ『Sense8』などを共同制作。現在はそれぞれの道でも作品を作っています。二人はいずれもトランスジェンダー女性であり、後年には作品に込められた変容や自己発見の意味についても語っています。
ウォシャウスキー姉妹の英語の名言7選
1. 与えられた考え方を疑う
People accept ways of thinking that are imposed upon them rather than working them out themselves.
Lana Wachowski, quoted in WIRED
「人は、自分で考え抜くよりも、押しつけられた考え方を受け入れてしまう」
be imposed upon は「〜に押しつけられる」、work out はここでは「考えて答えを出す」。目の前の常識をそのまま受け取らず、自分で確かめることの大切さを語っています。
2. 芸術の意味は、動き続ける
Art is never static.
Lilly Wachowski, GLAAD Media Awards speech (2016)
「芸術は決して静止したものではない」
static は「静止した、変化しない」。作品の意味は公開時に固定されず、時代や観客の経験によって変化し続けます。短いながら、作品と受け手の関係を端的に表した言葉です。
3. 言葉がないなら、想像の世界を作る
We were always living in a world of imagination.
Lilly Wachowski, Netflix Film Club interview (2020)
「私たちはいつも、想像の世界に生きていました」
リリーは、自分たちの感覚を説明する言葉がまだ見つからなかった時代について、このように振り返りました。a world of imagination は「想像力の世界」。既存の言葉で表せないものを、物語や映像として形にしたのです。
4. 不可能に見えることを、可能にする
The seemingly impossible becoming possible.
Lilly Wachowski, Netflix Film Club interview (2020)
「一見不可能に思えることが、可能になること」
seemingly は「一見したところ」、become possible は「可能になる」。リリーはSFの力について語る中で、この表現を使いました。現在の限界を、未来の絶対条件だと思わない姿勢です。

5. 想像力は、人間に欠かせない
The imagination is crucial to our humanity.
Lana Wachowski, Cloud Atlas interview (2012)
「想像力は、私たちの人間性にとって欠かせないものです」
be crucial to は「〜にとって極めて重要である」。ラナは、芸術が違いや境界を越え、より良い世界を想像するための声になると語っています。
6. 自分に似た人が見えない世界で
I couldn’t find anyone like me in the world.
Lana Wachowski, Human Rights Campaign Visibility Award speech (2012)
「世界のどこにも、自分のような人を見つけられませんでした」
anyone like me は「自分のような人」。ラナは、若いころ映画作家になりたくても、自分と似た存在が見えず、夢が閉ざされたように感じた経験を語りました。だからこそ、姿を見せて物語を作ることが、次の誰かの可能性になります。
7. 想像力は、人とのつながりで開く
The way that we continue to open our imagination is in connecting with other artists and other human beings.
Lilly Wachowski, Them interview
「想像力を開き続ける方法は、ほかの芸術家や人々とつながることです」
connect with は「〜とつながる」。想像力は一人で閉じこもって磨くものだけではなく、異なる視点に出会うことで広がるという言葉です。共同制作を続けてきた姉妹らしい考え方でもあります。
『マトリックス』と「変容」の意味
リリーは後年、『マトリックス』について「変容への欲求」を描いた作品であり、当時の二人の閉ざされた感覚から生まれたと説明しています。ただし、すべてを最初から整理された寓話として設計したというより、自分たちの内側にあったものが無意識にも作品へ流れ込んだ、という繊細な語り方をしています。
映画の赤い薬、現実を選ぶ場面、Neoという選んだ名前などを英語で読みたい方は、『マトリックス』で英語学習|名言・セリフ・赤い薬の意味もあわせてどうぞ。
英語初心者なら、こう言い換えて使える
次の文はウォシャウスキー姉妹の名言原文ではありません。意味を残しながら、日常で言いやすい簡単な現代英語にした言い換えです。
- Think for yourself.(自分で考えよう)
- Question what you see.(見えているものを疑ってみよう)
- Imagine a better world.(より良い世界を想像しよう)
- Change is possible.(変化は可能だ)
- Connect with others.(ほかの人とつながろう)
特に Think for yourself. は、「人の意見を聞くな」ではなく、「最後は自分の頭で判断しよう」という表現として使えます。
二人の言葉から学べること
ウォシャウスキー姉妹の作品は、正解を一つ示すのではなく、観客自身に問いを返します。現実とは何か。選択とは何か。自分とは誰か。二人の名言も同じように、押しつけられた答えから離れ、自分で考え、ほかの人とつながりながら新しい世界を想像するよう促しています。
同じく映像技術とSFの限界を押し広げた監督の言葉なら、ジェームズ・キャメロンの英語の名言7選もおすすめです。
作品を広げて探すなら、SF・ファンタジー映画で英語学習や、アクション映画で英語学習もチェックしてみてください。
出典について
本記事では、Human Rights Campaignのスピーチ記録、Netflix Film Clubのインタビュー、GLAADでのスピーチ、WIRED、Them、映画公開時のインタビューなど、発言者と文脈を確認できる資料をもとに引用しています。
まとめ|見えている世界だけが、すべてではない
ウォシャウスキー姉妹の言葉が教えてくれるのは、現実から逃げるための空想ではありません。与えられた現実を疑い、まだ見えない可能性を想像し、選び直すための力です。世界の説明に自分が収まらないなら、新しい言葉や物語を作ってもいい。そこから変容は始まります。
ほかの人物の言葉も読みたい方は、有名人の英語の名言まとめや、人生についての英語の名言まとめへどうぞ。
心に残った英語を、自分の言葉にしよう
短い英語を声に出し、実際の会話で使うと、知識が少しずつ自分の言葉へ変わります。b わたしの英会話では、日本人女性が安心して続けられるマンツーマンレッスンをご用意しています。
現実と知覚を別の角度から描く映画作家として、クリストファー・ノーランの英語の名言7選もおすすめです。時間、夢、観客についての言葉を紹介しています。
『マトリックス』でネオを演じた俳優の死生観と仕事観は、キアヌ・リーブスの英語の名言7選で読めます。
『マトリックス』でモーフィアスを演じたローレンス・フィッシュバーンの英語の名言7選もあわせてどうぞ。










