
忙しさで体調を崩したのに、元気になるとまた無理をする。大きなトラブルの直後は対策を考えたのに、時間がたつと何もしなくなる――。そんな「喉元過ぎれば熱さを忘れる」は、英語でどう表現すればよいのでしょうか。
実は、日常英語には日本語と完全に同じ有名なことわざはありません。会話では Once the pain is gone, we tend to forget the lesson. のように、忘れる対象や状況を自然に説明するのがわかりやすい方法です。
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「喉元過ぎれば熱さを忘れる」は英語で?
意味を自然に伝えやすい表現はこちらです。
Once the pain is gone, we tend to forget the lesson.
痛みがなくなると、私たちはその教訓を忘れがちです。
once はここでは「いったん〜すると」「〜したら」、be gone は「なくなる」、tend to は「〜しがち」という意味です。
日本語の「熱さ」をそのまま訳すのではなく、pain(痛み・つらさ)と lesson(教訓)を使うことで、幅広い場面に対応できます。
Once the crisis is over, people often forget what they learned from it.
危機が過ぎると、人はそこから学んだことを忘れがちです。
完全に同じ英語のことわざはある?
古い英語のことわざに、次の表現があります。
Danger past, God forgotten.
危険が過ぎれば、神への祈りも忘れる。
危険なときは神に助けを求めるのに、危険が過ぎるとその感謝や教訓を忘れるという意味で、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」に近い発想です。
ただし、現代の日常会話で頻繁に耳にする表現ではなく、宗教的な響きもあります。英会話では無理にこのことわざを使わず、People forget quickly once the problem is over. のように説明するほうが自然です。
once・be gone・tend toの意味
- once+文:いったん〜すると、〜したら
- be gone:なくなっている、去っている
- tend to+動詞:〜する傾向がある、〜しがち
- forget the lesson:教訓を忘れる
Once the problem is gone, we tend to relax too much.
問題がなくなると、私たちは気を緩めすぎる傾向があります。
once は「一度」という回数だけでなく、接続詞として「〜したら」という時間の流れも表せます。
体調や生活習慣について使う
体調を崩した直後は生活を見直しても、回復すると元の習慣に戻ってしまうことがあります。
She promised to rest more, but once she felt better, she forgot how exhausted she had been.
彼女はもっと休むと決めましたが、元気になると、どれほど疲れていたかを忘れてしまいました。
Once the pain was gone, he went back to his old habits.
痛みがなくなると、彼は元の習慣に戻りました。
go back to one’s old habits は「以前の習慣に戻る」。健康、仕事、お金など幅広いテーマで使えます。
仕事のトラブルや災害対策について使う
Right after the system failure, everyone wanted a backup plan. A few months later, they had forgotten the lesson.
システム障害の直後は、全員が予備の計画を求めていました。数か月後には、その教訓を忘れていました。
People prepare carefully after an emergency, but the sense of urgency fades over time.
緊急事態の後は慎重に備えますが、危機感は時間とともに薄れます。
fade over time は「時間とともに薄れる」。記憶、感情、危機感などが徐々に弱くなる様子を表します。

場面に合わせた自然な英語表現
| 英語表現 | ニュアンス | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Once the pain is gone, we forget the lesson. | つらさが消えると教訓を忘れる | 体調、失敗、苦労 |
| People forget quickly once the problem is over. | 問題が終わるとすぐ忘れる | 一般的な会話 |
| The sense of urgency fades over time. | 危機感が時間とともに薄れる | 仕事、防災、組織 |
| We went back to our old habits. | 元の習慣に戻った | 健康、お金、働き方 |
会話で使える例文
体調が戻るとまた働きすぎる
A: Didn’t you say you were going to work less?
仕事を減らすって言っていなかった?
B: I did, but once I felt better, I went back to my old habits.
言ったよ。でも元気になったら、元の習慣に戻ってしまったの。
トラブル後の対策を忘れてしまった
A: Did we ever create that emergency plan?
あの緊急時の計画、結局作ったっけ?
B: No. Once the crisis was over, we forgot the lesson.
いいえ。危機が過ぎたら、その教訓を忘れてしまったね。
節約をやめてしまった
A: I thought you were keeping a budget.
家計簿をつけていたと思っていたよ。
B: I stopped when things got better. People forget quickly.
状況がよくなったらやめてしまったの。人ってすぐ忘れるね。
初心者なら簡単な英語でどう言う?
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」を英語のことわざに置き換えようとすると難しく感じます。でも、「すぐ忘れる」「もう覚えていない」と簡単な単語に分ければ、十分に伝えられます。
People forget quickly.(人はすぐ忘れる)
最も簡単で、幅広い場面に使える表現です。
People forget quickly when things get better.
状況がよくなると、人はすぐに忘れます。
We forgot the lesson.(私たちは教訓を忘れた)
lesson は学校の「授業」だけでなく、経験から得た「教訓」も表します。
We had a problem last year, but we forgot the lesson.
昨年問題がありましたが、私たちはその教訓を忘れました。
The problem is over now.(問題はもう終わった)
まず状況が過ぎたことを伝え、次の一文で「だから忘れた」とつなげられます。
The problem is over now, so nobody talks about it.
問題はもう終わったので、誰もその話をしません。
We don’t remember the hard time.(大変だった時を覚えていない)
hard time は「大変な時期」「苦労した時」。難しい単語を使わず、過去の苦労を表せます。
Now things are good, and we don’t remember the hard time.
今は状況がよくなり、大変だった時を覚えていません。
長い説明が出てこなければ、まずは People forget quickly. の一言で大丈夫です。「英語のことわざを知らないと伝えられない」のではなく、自分の知っている単語に意味を分解すれば会話になります。
Once bitten, twice shy.は反対の意味
Once bitten, twice shy. は「一度噛まれると、二度目は用心深くなる」という英語のことわざです。日本語では「羹に懲りて膾を吹く」に近い表現です。
I lost money on my last investment, so I’m more careful now. Once bitten, twice shy.
前回の投資で損をしたので、今はもっと慎重です。一度痛い目を見ると用心深くなるものです。
- 喉元過ぎれば熱さを忘れる:苦労が過ぎると忘れてしまう
- Once bitten, twice shy.:苦い経験を覚えていて慎重になる
つまり、二つはほぼ反対の人間反応を表しています。この違いを知っておくと、場面に合った表現を選びやすくなります。
Out of sight, out of mind.との違い
Out of sight, out of mind. は「目に見えなくなると、意識からも消える」ということわざです。離れて暮らす人や、目の前からなくなった物事を忘れる場面に使います。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」が苦労や危機が終わると教訓を忘れるのに対し、こちらは見えなくなったために忘れるという違いがあります。
まとめ
- 英語には「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と完全に同じ日常的なことわざはない
- Once the pain is gone, we tend to forget the lesson.:意味を自然に伝える表現
- People forget quickly once the problem is over.:会話で使いやすい言い方
- People forget quickly.:初心者でもすぐ言える簡単な英語
- Once bitten, twice shy.:経験を忘れず慎重になる反対寄りの表現
まずは、同じ失敗を繰り返していることに気づいたとき、We forgot the lesson. と言ってみましょう。長いことわざを暗記しなくても、短い英語で日本語の意味と気持ちを十分に伝えられます。
失敗から学ぶことについては、「失敗は成功のもと」は英語で?も参考になります。問題が起きる前の準備を表すなら、「転ばぬ先の杖」は英語で?もあわせてご覧ください。









