
海外ニュースや法廷ドラマでは、事件が起きてから裁判が始まるまでに、investigate(捜査する)、arrest(逮捕する)、file a criminal complaint(刑事告訴する)、charge / indict / prosecute(訴追・起訴する)、release(釈放する)といった表現が続けて登場します。
ところが、日本語では「逮捕された」「告訴された」「起訴された」を大まかに同じ流れとして理解できても、英語では誰が何をしたのか、そして手続きのどの段階なのかによって選ぶ語が変わります。このページでは、捜査から逮捕・告訴・起訴・釈放までの法律英語を、4本の詳しい解説記事へつなぎながら整理します。
Contents
まず流れを一覧で確認
| 段階 | 中心となる英語 | 意味のポイント |
|---|---|---|
| 捜査・一時拘束 | investigate / detain | 事件を調べる、質問などのため一時的に拘束する |
| 逮捕 | arrest / take into custody | 正式に逮捕する、身柄を管理下に置く |
| 告訴・被害申告 | file a criminal complaint / press charges / report a crime | 被害者などが警察・当局へ申し出る |
| 訴追・起訴 | charge / indict / prosecute | 当局・検察側が刑事手続きを進める |
| 釈放 | release / let go / set free | 拘束を解き、出てよい状態にする |
この順番は理解のための基本図です。実際の制度や手続きは国・地域、事件の種類によって異なります。英語ニュースを読むときは、単語を日本の制度へ機械的に当てはめず、警察・被害者・検察・裁判所のうち誰が主語かを確認するのが大切です。
1.「逮捕する」arrest・take into custody・detain
arrestは、犯罪の疑いに基づいて正式に逮捕する場合の基本語です。take someone into custodyは、その人の身柄を警察などの管理下へ置くことに焦点があります。detainは、質問や調査のために一時的に引き留める場合にも使われ、必ずしも正式な逮捕を意味しません。
- The police arrested the suspect.
警察は容疑者を逮捕しました。 - He was detained for questioning.
彼は事情聴取のため一時的に拘束されました。 - Two people were taken into custody.
2人の身柄が確保されました。
arrestとdetainの違い、受け身の形、初心者向けの言い換えは、「逮捕する」は英語で?arrest・take into custody・detainの違いで詳しく確認できます。
2.「告訴する」file a criminal complaint・press charges・report a crime
日本語の「告訴する」は、被害者などが捜査機関へ犯罪事実を申告し、処罰を求める場面で使われます。英語では制度を完全に一語へ置き換えるより、何をしたのかを具体的に表すほうが安全です。
- file a criminal complaint:正式な刑事告訴・申立てを行う
- press charges:会話で、処罰や訴追を求める
- report a crime:犯罪を警察などへ通報する
ここで注意したいのがsueです。sueは通常、損害賠償などを求めて民事で「訴える」ことを表し、警察へ犯罪を届け出ることとは別です。
告訴・被害届・民事訴訟の区別は、「告訴する」は英語で?file a criminal complaint・press charges・report a crimeの違いで整理しています。
3.「起訴する」prosecute・indict・charge
「起訴する」の英語では、prosecute、indict、chargeがよく登場します。ただし、この3語は同じ手続きを別の言い方にしたものではありません。
- charge A with B:AをBの罪で正式に訴追対象とする
- indict A:正式な起訴状によって起訴する。特に米国の制度でよく見る
- prosecute A:検察側が刑事事件として法的手続きを進める
He was charged with fraud.は「彼は詐欺罪で訴追された」、She was indicted on three counts.は「彼女は3つの訴因で起訴された」という意味です。prosecuteは、起訴という一点だけでなく、検察側が事件を進める過程まで含むことがあります。
3語の段階と文型は、「起訴する」は英語で?prosecute・indict・chargeの違いで詳しく解説しています。
4.「釈放する」release・let go・set free
拘束を解く正式で標準的な語はreleaseです。let someone goは「もう帰ってよいとする」という会話的な表現、set someone freeは「自由の身にする」ことを強調します。
- She was released without charge.
彼女は起訴されずに釈放されました。 - The police questioned him and let him go.
警察は彼に事情を聞き、その後帰しました。 - The court ordered that he be set free.
裁判所は彼を釈放するよう命じました。
また、be released on bailは「保釈される」、be released on paroleは「仮釈放される」です。単にreleaseされたからといって、無罪が確定したとは限りません。
保釈・仮釈放・無罪との違いも含めて、「釈放する」は英語で?release・let go・set freeの違いで確認できます。
告訴する人と起訴する人は同じとは限らない
法律英語を理解するうえで重要なのが、告訴する側と起訴・訴追する側を分けることです。被害者が警察へ犯罪を申告したり処罰を求めたりしても、その後に正式な刑事手続きを進める主体は検察などの公的機関です。
| 主語になりやすい人・機関 | よく使う表現 |
|---|---|
| 被害者・市民 | report a crime / file a complaint / press charges |
| 警察 | investigate / detain / arrest / release |
| 検察・当局 | charge / indict / prosecute |
| 裁判所 | order someone’s release / grant or deny bail |

しゅみすけ(大山俊輔)
ニュースでよく見る短い組み合わせ
- arrested on suspicion of fraud:詐欺の疑いで逮捕された
- detained for questioning:事情聴取のため拘束された
- charged with theft:窃盗罪で訴追された
- released without charge:起訴・訴追されずに釈放された
- released on bail:保釈された
単語だけでなく、on suspicion of、charge A with B、without chargeのようなまとまりで覚えると、ニュースの見出しを読みやすくなります。
まとめ
正式に逮捕するならarrest、一時的に拘束するならdetain。被害者などが正式に犯罪を申し出るならfile a criminal complaint、警察へ知らせるならreport a crime。当局・検察側の訴追や起訴ではcharge / indict / prosecuteが使われ、拘束を解く基本語はreleaseです。
まずこのページで全体の位置関係をつかみ、迷った表現は各解説記事で例文と文型を確認してください。次の段階となる裁判・弁護・証言、判決・刑罰・控訴の英語も、別の親ページで順番に整理していきます。










