Jack of all tradesの意味は?器用貧乏・褒め言葉とmaster of none

Jack of all tradesの意味を表す多才な女性のイラスト

Jack of all tradesは、いろいろな仕事や技能をこなせる「何でも屋」「多才な人」「オールラウンダー」を表す英語のイディオムです。

ただし、日本語の「器用貧乏」のように、文脈によっては「何でも少しずつできるが、専門と呼べるものはない」という皮肉にもなります。褒め言葉なのか失礼なのかは、master of noneを続けるか、どのような口調で使うかによって変わります。

この記事では、Jack of all tradesの意味・語源・使い方を、仕事や日常会話の例文とともに紹介します。女性に使えるのか、よく紹介される「全文」は本当に元のことわざなのか、簡単に言い換えるなら何と言えばよいのかも整理します。

Jack of all tradesの意味

a jack of all tradesとは、幅広い知識や技能を持ち、さまざまな仕事をこなせる人のことです。

Jack of all tradesの主な意味

・何でも屋
・多才な人
・いろいろな仕事をこなせる人
・オールラウンダー
・文脈によっては「器用貧乏」

Tom is a jack of all trades. He can fix computers, cook, and design websites.
トムは何でもできる人です。パソコンを直し、料理をし、ウェブサイトもデザインできます。

この例文は、Tomの多才さや実用的な能力を褒めています。

一方で、次のように専門性の不足を強調すると、少し否定的です。

He’s a jack of all trades, but he doesn’t specialize in anything.
彼は何でも少しずつできますが、何かに特化しているわけではありません。

Jack of all trades, master of noneの意味

よく使われる長い形は、次の表現です。

Jack of all trades, master of none.
何でもできるが、どれ一つとして達人ではない。

master of noneが加わると、「幅広くできる」という長所よりも「どの分野も極めていない」という弱点が強調されます。日本語の「器用貧乏」にかなり近いニュアンスです。

表現 主なニュアンス
a jack of all trades 中立〜肯定的。多才、便利、頼りになる
jack of all trades, master of none やや否定的。広く浅く、専門性に欠ける

「全文」とされる長い続きについて

インターネットでは、次のような長い形も紹介されます。

A jack of all trades is a master of none, but oftentimes better than a master of one.
何でも屋はどれ一つの達人でもないが、一つだけの達人より役立つことも多い。

これは多才さを肯定的に評価する、現代的な拡張として広まった言い方です。「最初から存在した完全な全文」と断定するのは避けたほうがよいでしょう。

会話では短いa jack of all trades、またはjack of all trades, master of noneまでが中心です。

Jack of all tradesは褒め言葉?失礼?

結論から言うと、単独なら褒め言葉として使えるものの、少し曖昧さがある表現です。

褒め言葉になる使い方

「幅広い仕事に対応できる」「困ったときに頼りになる」という文脈なら肯定的です。

We need Maya on this project. She’s a real jack of all trades.
このプロジェクトにはマヤが必要です。彼女は本当に何でもこなせます。

Our office manager is a jack of all trades and always knows how to solve a problem.
うちのオフィスマネージャーは何でもでき、いつも問題の解決方法を知っています。

特に小規模な会社、スタートアップ、イベント運営など、1人が複数の役割を担う環境では肯定的に響きやすいでしょう。

失礼・皮肉になる使い方

専門家として紹介されたい人に対して、master of noneまで加えると「どれも中途半端」という批判になります。

He calls himself a jack of all trades, but he’s a master of none.
彼は自分を何でも屋と呼んでいますが、どれも極めてはいません。

相手を明確に褒めたい場合は、後ろに具体的な評価を足すと誤解を防げます。

  • She’s a jack of all trades and a great problem-solver.
  • He’s a jack of all trades who can handle almost anything.
  • She’s versatile and highly capable.

Jackは男性名だけど女性にも使える?

a jack of all tradesは定着したイディオムなので、女性についても使えます。

Emma is a jack of all trades.
エマは何でもこなせる人です。

Jackは一般的な男性名ですが、この表現では特定の男性を指しているわけではありません。女性だからJane of all tradesに変える必要もありません。

ただし、性別を感じさせない言い方を選びたい場合は、次の表現が自然です。

  • an all-rounder:オールラウンダー
  • a generalist:幅広い知識を持つ人、ゼネラリスト
  • a versatile person:多才で柔軟な人
  • a person of many talents:多くの才能を持つ人

Jack of all tradesの使い方と例文

仕事で多くの役割を担う人

In a small company, everyone has to be a bit of a jack of all trades.
小さな会社では、全員がある程度何でもこなす必要があります。

a bit of a …を付けると「ちょっとした〜」「どちらかといえば〜」と響きが柔らかくなります。

修理やDIYが得意な人

My father is a jack of all trades around the house.
父は家のことなら何でもできます。

Ask Naomi. She’s a jack of all trades when it comes to repairs.
ナオミに聞いてみて。修理のことなら何でもできます。

when it comes to …は「〜に関して言えば」という意味です。

趣味や学習の幅が広い人

She’s a jack of all trades: she paints, plays the piano, and speaks three languages.
彼女は多才です。絵を描き、ピアノを弾き、3か国語を話します。

自己紹介で使う

自分について使う場合は、自慢というより少しユーモラスな自己評価として使えます。

I’m a bit of a jack of all trades. I do marketing, design, and customer support.
私はちょっとした何でも屋です。マーケティング、デザイン、顧客対応をしています。

履歴書や正式な面接では、曖昧なイディオムだけで終わらせず、具体的な能力を説明しましょう。

I have experience in marketing, design, and project management.
マーケティング、デザイン、プロジェクト管理の経験があります。

似た表現との違い

表現 意味・ニュアンス
jack of all trades 幅広い技能を持つ。肯定・否定の両方があり得る
all-rounder 多方面で能力がある。肯定的に使いやすい
generalist 専門を一つに絞らず広く扱う人。仕事で中立的
handyman / handywoman 家の修理や実務作業が得意な人
Renaissance man / woman 芸術・科学など多分野に高い能力を持つ人
dabbler いろいろ試すが深く取り組まない人。やや否定的
wear many hats 一人で多くの役割を担う

all-rounderとの違い

all-rounderはスポーツ、学校、仕事などで、複数の分野にバランスよく能力がある人を肯定的に表します。器用貧乏の含みを避けたいなら使いやすい言葉です。

She’s a strong all-rounder.
彼女は総合力の高い人です。

wear many hatsとの違い

wear many hatsは、能力の幅よりも「複数の役割を担当していること」に焦点があります。

As a business owner, she wears many hats.
経営者として、彼女は多くの役割を担っています。

語源:なぜJackなの?

Jackは英語圏で一般的な男性名として使われ、かつては「普通の男性」「働く人」を広く表すことがありました。tradeは「職業」「技能」「手仕事」という意味です。

そのためJack of all tradesは、直訳すると「すべての職業のJack」。そこから「多くの仕事をこなせる何でも屋」を表すようになりました。

表現の使用例は17世紀初頭までさかのぼるとされ、後にmaster of noneが加わって、専門性の不足を批判する意味が強調されました。

元記事のOliviaが始めた“Jack of all trades journal”

この記事の元になったCasting Blogで、Lesson PartnerのOliviaは、自分が学んだことを書き留めるノートを“jack of all trades journal”と呼んでいました。

解剖学、占星術、地理、プログラミング、宗教、音楽、言語など、関心を持ったテーマを一冊のノートに記録するアイデアです。

ここでのJack of all tradesは否定的な「器用貧乏」ではなく、知らないことを幅広く学ぶ好奇心を肯定的に表しています。

英語学習にも応用できます

新しく覚えた表現、映画で聞いたフレーズ、発音で気づいたことなどを一冊にまとめれば、自分だけの“Jack of all trades English journal”になります。

初心者でも言える簡単な英語への言い換え

Jack of all tradesのニュアンスに迷うときは、伝えたい内容を簡単な英語で具体的に言えば大丈夫です。

伝えたいこと 簡単な英語
彼女は多才です She’s good at many things.
彼は何でもできます He can do many different things.
彼女は多くのスキルを持っています She has many different skills.
彼は多くの役割を担当しています He does many different jobs.
私は幅広い経験があります I have experience in many areas.

褒めたいなら、You’re good at so many things!(本当にいろいろなことが得意ですね)のように言うと、安全で気持ちも伝わります。

Jack of all tradesに関するよくある質問

Jack of all tradesは「器用貧乏」という意味ですか?

文脈によります。単独なら「多才な人」「何でもこなせる人」という肯定的な意味でも使えます。master of noneまで続けると「広く浅く、どれも専門ではない」という器用貧乏のニュアンスが強くなります。

Jack of all tradesは悪口ですか?

必ずしも悪口ではありません。ただし、相手の専門性を低く評価しているように聞こえる可能性があります。褒める場合は、頼りになる理由や具体的な能力も一緒に伝えると安心です。

冠詞のaは必要ですか?

人を表す可算名詞表現なので、通常はa jack of all tradesと言います。

  • She is a jack of all trades.(正しい)
  • She is jack of all trades.(通常は不自然)

tradeは単数ですか、複数ですか?

定着した表現はtradesの複数形です。jack of all tradeとはしません。

複数の人を表す場合は?

jacks of all tradesとjackを複数形にできます。

Small teams need jacks of all trades.
小規模なチームには、いろいろな仕事をこなせる人たちが必要です。

女性にはJane of all tradesと言いますか?

通常は言いません。女性にもa jack of all tradesを使えます。性別を避けるならall-rounder、generalist、versatile personなどに言い換えられます。

まとめ

Jack of all tradesは、多くの技能や知識を持つ「何でも屋」「多才な人」を表すイディオムです。単独なら肯定的または中立的に使えますが、master of noneを加えると「どれも極めていない」という器用貧乏の意味が強くなります。

相手を褒めたいときは、何が得意なのかを具体的に続けるか、all-rounder、versatile、good at many thingsなどへ言い換えると誤解がありません。

英語イディオムの基本やテーマ別一覧は、「イディオムとは?英語でよく使う表現一覧20選」もあわせてご覧ください。

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