
「控訴する」「上訴する」は英語で appeal が基本です。正式に控訴状を提出する行為を強調するなら file an appeal、判決や決定の有効性を争うことを広く表すなら challenge a ruling も使われます。
この記事では、appeal・file an appeal・challenge a ruling の違いに加えて、appeal against、控訴が認められる・棄却される、判決が覆るといった表現を初心者向けに整理します。
Contents
「控訴する」の基本はappeal
appeal は、下級審の判決や行政機関の決定などについて、上級の裁判所・機関に再検討を求めることです。
- He appealed the decision.
彼はその決定を不服として控訴しました。 - She plans to appeal the verdict.
彼女はその評決を不服として控訴する予定です。 - The company appealed to a higher court.
その会社は上級裁判所へ上訴しました。
簡単な英語に言い換えると、appeal = ask a higher court to review a decision(上級裁判所に判決の見直しを求める)です。
アメリカ英語では appeal the decision のように目的語を直接続ける形が一般的です。イギリス英語では appeal against the decision もよく使われます。
- They appealed against the sentence.
彼らはその量刑を不服として上訴しました。 - He appealed his conviction.
彼は有罪判決を不服として控訴しました。
file an appealは「控訴を正式に申し立てる」
file an appeal は、必要な書類を提出して正式に控訴を申し立てることを表します。appealよりも、手続きとしての「提出」に焦点があります。
- Her lawyer filed an appeal.
彼女の弁護士は控訴を申し立てました。 - They filed an appeal against the ruling.
彼らはその判決を不服として控訴を申し立てました。 - You must file an appeal within 30 days.
30日以内に控訴を申し立てなければなりません。
file は法律や行政の場面で「書類を正式に提出する」という意味です。イギリス英語や正式な文書では lodge an appeal も使われます。
- The defendant lodged an appeal.
被告人は控訴を申し立てました。
challenge a rulingは「判断の有効性を争う」
challenge は、判決・決定・規則などが正しいか、合法か、有効かを争う広い表現です。必ずしも正式な控訴手続きだけを指すとは限りません。
- The defense challenged the ruling.
弁護側はその判断を争いました。 - They challenged the court’s decision.
彼らは裁判所の決定に異議を唱えました。 - The law was challenged in court.
その法律の有効性が裁判で争われました。
簡単に言えば、challenge a ruling = say a legal decision may be wrong(法的判断が間違っている可能性があると主張する)です。

appeal・file an appeal・challenge a rulingの違い
| 表現 | 中心イメージ | 焦点 |
|---|---|---|
| appeal | 上級裁判所に見直しを求める | 控訴・上訴という行為全体 |
| file an appeal | 控訴を正式に申し立てる | 書類提出・手続き開始 |
| challenge a ruling | 判断の正しさや有効性を争う | 異議・法的争いを広く表す |
「控訴した」と結果を簡潔に言うなら appeal、控訴状を提出したことを明確にするなら file an appeal、決定を法的に争っていることを広く言うなら challenge a ruling が自然です。
appealは名詞でも使う
appeal は名詞で「控訴・上訴」という意味にもなります。
- The appeal was successful.
その控訴は認められました。 - The court dismissed the appeal.
裁判所はその控訴を棄却しました。 - The appeal is still pending.
その控訴はまだ係属中です。 - He won his appeal.
彼は控訴審で勝ちました。 - She lost her appeal.
彼女の控訴は認められませんでした。
court of appeal / appeals court は「控訴裁判所」、appellant は「控訴人」です。法制度や裁判所名は国によって異なりますが、一般的な英語として覚えておくとニュースが読みやすくなります。
控訴後の結果を表す英語
overturn:判決を覆す
- The higher court overturned the conviction.
上級裁判所は有罪判決を覆しました。 - The decision was overturned on appeal.
その決定は控訴審で覆されました。
uphold:判決を維持する
- The appeals court upheld the ruling.
控訴裁判所は原判決を維持しました。 - His conviction was upheld.
彼の有罪判決は維持されました。
send the case back / remand:審理を差し戻す
- The court sent the case back for a new trial.
裁判所は再審理のため事件を差し戻しました。 - The case was remanded to the lower court.
事件は下級裁判所へ差し戻されました。
remand は法的で難しいため、初心者は send the case back(事件を戻す)と覚えても十分です。
控訴と再審は同じではない
控訴は、通常、上級裁判所に下級審の判断を見直してもらう手続きです。一方、「再審・新しい裁判」は retrial / new trial と表します。
- He appealed and requested a new trial.
彼は控訴し、新たな裁判を求めました。 - The court ordered a retrial.
裁判所は再審理を命じました。
具体的な制度・期限・名称は国や事件によって異なるため、実際の法的手続きでは現地の専門家への確認が必要です。
appeal toとの違いに注意
appeal to someone には、裁判以外に「人へ強く訴える」「人の心に響く」「魅力がある」という意味があります。
- They appealed to the public for help.
彼らは市民に助けを訴えました。 - This idea appeals to young people.
この考えは若者に魅力的に映ります。
法的な「控訴する」は appeal a decision / appeal against a decision / appeal to a higher court のように、判決や上級裁判所を示します。一般的な「訴える」との違いは、「訴える」は英語で?sue・appeal to・complain ofの違いで確認できます。
控訴について尋ねる短い英語
- Will they appeal?
彼らは控訴しますか。 - Did she file an appeal?
彼女は控訴を申し立てましたか。 - When is the appeal deadline?
控訴期限はいつですか。 - Was the conviction overturned?
有罪判決は覆されましたか。 - Did the higher court uphold the decision?
上級裁判所はその決定を維持しましたか。
appealが出てこないときは、Can a higher court review the decision?(上級裁判所にその決定を見直してもらえますか)のように基本語で言い換えられます。
しゅみすけ(大山俊輔)
関連する裁判英語
控訴の対象となる判決・評決については、「判決を下す」は英語で?rule・deliver a verdict・sentenceの違いで整理しています。
有罪判決に対する控訴なら、「有罪になる」は英語で?be convicted・be found guiltyの違いもあわせて読むと流れがつかみやすくなります。
まとめ
「控訴する・上訴する」の基本は appeal です。正式に控訴書類を提出することを強調するなら file an appeal、判決や決定の正しさ・有効性を広く争うなら challenge a ruling を使います。
控訴審で原判決が覆るなら overturn、維持されるなら uphold、下級裁判所へ戻されるなら send the case back / remand です。










